2022年12月27日火曜日

12月の記事まとめ 年間アクセスランキング TOP10 付き

 

学生による学会発表や論文掲載、共創研究センター特別研究員の紹介、教師塾への参加レポートなど、内容の濃い記事がアップされています。ぜひご覧下さい。

 

 

#記事まとめ でタイトルの一覧を見ることができます。

過去の記事は「記事まとめ」のタブ でもご覧いただけます(キーワードで探す・日付で探す)。 


 

 

 2022年 アクセスランキング TOP10 

ブログの閲覧、ありがとうございます。

  1. 新任教員の紹介 「多毛類に尖る」研究者
  2. 理工学部3学科で「ひらいてみよう!知の玉手箱」を開催します(石鳳祭同時開催) 
  3. 【動画あり】新入生交流会第2弾 馬っこ山にハイキングに行きました 
  4. 新入生交流会 お題の書かれたカードを話のきっかけに(フレッシュマンセミナーA)
  5. 教員21名、新入生78名による自己紹介 先輩のサポートを受けながら時間割を作成 
  6. アサリをとおして震災の影響を考える 1年次の海洋生物実習を実施(万石浦チーム)
  7. 「知の玉手箱」を4年ぶりに開催 石鳳祭とともに大盛況に終わりました 
  8. 原生動物を観察しよう 1年次の野外生物実習を実施しました(動物実習:観察班編)
  9. 3年生の海洋生物学実習を行いました(新たに動画を公開!) 
  10. 1年次の野外生物実習 (植物実習) を実施しました  

 

来年もよろしくお願いいたします。

 

裏山へハイキング(4月)

1年生は計3回の実習(5月~6月、海洋生物・動物・植物)

大学祭(10月)



1月3日(火)から出願受付スタート!

東北6県(会場:石巻、仙台、山形、郡山、青森、盛岡、秋田)のほか、東京や大宮にも試験会場を設けています。


2022年12月22日木曜日

特別研究員・小林元樹さんの紹介 潮間帯から深海まで、環形動物の進化の謎に迫る

 

共創研究センターの特別研究員の小林元樹と申します。

これまで、海底に生息する環形動物(ゴカイやミミズの仲間)の進化や分類、潮間帯のカニ類の遺伝的集団構造(地域ごとの集団の遺伝的な特性)といった「生物の多様性がどのように形成され、維持されているか」について研究してきました。 


現在は阿部博和准教授と共同で、環境研究総合推進費のプロジェクト「海産環形動物絶滅危惧種の特定のための網羅的DNAバーコーディング:希少種の探索,新種記載と分類の整理,および分布情報の集積の促進」を進めています。

平行して、科学研究費助成事業若手研究のプロジェクト「大規模な解析による深海性環形動物の生息水深と遺伝的多様性の関連の解明」にも取り組んでいます。

 

個人ホームページ

 

#海洋ベントス学研究室ベントス研のツイッターはこちら

#海洋生物・環境コース 



  研究を始めたきっかけ

東北大学農学部在学中に女川湾で底生生物調査をした際に、環形動物の仲間が大量に採集されました。

それまで環形動物をじっくりと見たことはありませんでしたが、卒業研究を進めるうちに、沿岸ですぐに採集できる環形動物でさえ同定(個体がどの種であるかを判断する作業)することが難しいことや、まだ名前がついていない種(未記載種といいます。新種は新しく名前がついた種のことです。つまり、名前がついていない種を見つけただけでは新種とは言わず、論文で発表して名前をつけて初めて新種となります)が非常に多いことを知りました。

そして、環形動物の多様性がどのように生まれたのかを明らかにしたいと思い研究を始めました。



  研究の簡単な内容

国内外の潮間帯から深海まで様々な環境から環形動物を集めてきて、形態観察や遺伝子情報を取得して、どのような特徴を持った種がどこにいるのか、どのように進化してきたかを明らかにします。

沿岸(利尻島)での採集の様子

スコップで海底の砂泥を掘り返し、ふるいにかけて残渣から生物を拾い出します。海水浴場など身近な環境にも環形動物が住んでいます。

 

利尻島の調査で見つかったボウシイソタマシキゴカイ Abarenicola claparedi oceanica の生体写真

“ゴカイ”というと足が多い種類が有名かと思いますが、発達した足を持たない仲間も多くいます。ゴカイの仲間を肉眼で見ると、苦手意識を感じる方も多いかもしれませんが、顕微鏡を通してじっくり見ると、形態の多様さや透き通る体の美しさが魅力的です!

 

ビームトロールと呼ばれる、深海の底生生物を採集するときに使う大きな網

深海の環形動物を集めるときは研究船に何日も乗船して調査を行います。これまで、東北沖を中心に、アラスカ沖やチリ沖の航海にも参加しています。先月参加した東北沖の超深海(6,500m以深)調査については近日中にブログで報告します。

 

これまで、日本語では、環形動物の最近の系統学的研究を紹介した論文や、利尻に住む環形動物に関する論文を出版していますので、よろしければ御覧ください(無料で読めます)。

 

 

 

  2022年に出版した論文の紹介

今年は主著論文が2報出版されました。

 

Travisiidae という科の1種についてミトコンドリア遺伝子のほぼ全長配列を決定し、その特徴と系統解析の結果を報告しました(Kobayashi et al. 2022a)。

元々は Travisiidae の系統的位置を決めるために実験を行ったのですが、驚くことにCOI遺伝子がグループIIイントロンと呼ばれる種類のイントロンを持つことが分かりました。通常、後生動物のミトコンドリア遺伝子はイントロンを持ちませんが、これまで少なくとも7種からグループIIイントロンが報告されていました。

 

今回、ミトゲノムを決定した1種を合わせて6種のミトコンドリア遺伝子からグループIIイントロンが見つかり、動物のミトゲノムにおけるループIIイントロンの報告例を大きく更新しました。さらに、その後イトゴカイ科のCOI遺伝子からもイントロンが見つかりました(Kobayashi et al. 2022b)。

 

環形動物では、ミトコンドリア遺伝子のイントロンは、これまで思われていたより頻繁に挿入・欠失されているのかもしれません。

ミトコンドリアにおけるイントロンの意義はよく分かっていませんが、環形動物はその役割や挿入・欠失の進化的な背景を検証する良い材料になると考えられます。

 

Travisia sanrikuensis の標本写真

Travisiidae の仲間はいわゆるゴカイのような発達した足を持たず、イモムシのような形をしています。写真で伝わらないのが残念ですが、Travisiidae は強烈な腐卵臭のような、化学物質のような、得も言われぬ悪臭を漂わせます。

 

Travisia sanrikuensis(赤の四角)と環形動物のCOI遺伝子の塩基配列(DNAを構成するA, T, G, Cの順番)を並べた図です。

この種のCOI遺伝子には他の種が持たない特殊な塩基配列(他の種ではハイフンになっている部分)を持つことが分かりました。この塩基配列の特徴を調べた結果、普通の動物は持っていないミトコンドリア遺伝子のグループIIイントロンと判断されました。

 

 

↓紹介した論文です(無料で読めます)。

 

 

環形動物や航海調査など、気になることがあればいつでも聞いて下さい!

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


 


【関連ブログ記事】

実習では1年生に指導(野外生物実習)


2022年12月20日火曜日

ギンザケ養殖の研究がテレビで取り上げられました(khb東日本放送)

学内の陸上養殖施設
 

 

 

「養殖ギンザケ×北限オリーブ」

角田教授(マリンエコバイオ研究室)によって、地域のブランド魚である「養殖ギンザケ」を温暖化の影響から守るための研究が行われています。

復興のシンボルとして特産化を進めている「北限オリーブ」の葉っぱや搾ったあとのかすなどを餌として有効利用。

オリーブ入りの餌を食べたギンザケは、高温に対するストレスが軽減されることが確認されています。


【大学ホームページ関連記事】1月11日追記


#マリンエコバイオ研究室 からピックアップ】

 

#地域×大学 #SDGs  #メディア掲載

マリンエコバイオ研究室のホームページはこちら

 

1000匹ほどのギンザケを養殖(写真は準備段階の様子)
 


2022年12月16日金曜日

仙台うみの杜水族館で、教育施設としての役割を学ぶ 飼育員として働いている卒業生が案内

 

人間教育学科の学生が、授業の一環として 仙台うみの杜水族館 を訪問しました。新鶴田助教(理科教育研究室)のゼミナールでのひとコマで、大学ホームページで紹介されています。

 

そこで対応してくださったのが生物科学科を卒業した佐藤光優さん。

右が卒業生の佐藤さん(大学HPより)
 

佐々木研究室(海洋生態学)では、テナガエビの研究をしていました。「活躍する卒業生を紹介(仙台うみの杜水族館)」←このブログ記事では、大学での学びが仕事に役立っているとコメント。



 大学ホームページの記事はこちら↓

 【人間教育学科】理科教育研究室のゼミナールで水族館を訪問

 写真や参加学生のコメントも載っています。ぜひご覧下さい。

 

 

 

 理科実験セミナー開催 

新鶴田先生による、実験指導の基礎を学ぶセミナーが始まります。

 

【人間教育学科ブログの関連記事】

人間教育学科ブログより

 

【生物科学科ブログの関連記事】


2022年12月13日火曜日

日本分子生物学会(幕張メッセ)に参加し、発表してきました! 堀晴香さんによる学会参加レポート

 

生物科学科4年の堀晴香です。

奈良英利先生と大学院生の渡邊琳先輩と一緒に、11月30日から12月2日まで、千葉の幕張メッセで開催された 第45回 日本分子生物学会 に参加し、「短期間の過剰運動が代謝に与える影響」というタイトルで発表をしてきました。

発表を行った堀さん(左)と渡邊さん(右)

朝から10以上の会場でのワークショップ(一般口頭発表)、毎日800演題以上のポスター発表、さらに夜も9時近くまでワークショップがあり、大変活気のある学会でした。

私は動物コース※に所属しているので、動物のことを中心に発表を聞きましたが、微生物や植物の発表も多く、大変勉強になりました。(※令和3年度入学者までのコース。現在は、動物・植物コース。)


会場に行くときには “夢の国” のすぐ近くを電車で通り、会場が近くなったことを実感し、ワクワクドキドキしました。

初日は午後からのポスター発表を聞きましたが、会場の広さと熱気に最初は驚いたものの、先生の助言通り「積極的に話しかけたもの勝ち」を実行して、たくさん質問することができました。ワークショップは英語の演題もたくさんあり難しかったですが、「今、自分は世界のサイエンスの最先端を学んでいるのだな」と思いました。


2日目も朝からワークショップ、ランチョンセミナー、ポスター発表と参加し、多くのことを学びました。

いよいよ私と琳先輩の発表がある3日目の12月2日です。緊張しながら指定された場所にポスターを展示し、記念撮影をしてもらいました。

ポスターの横でやや緊張気味の私
(ポスターは、1号館3階の廊下に展示してあります)

 

そして、いよいよ午後、私の番が来ました。

開始早々じっと私のポスターを見ている方がいましたが、最初は話しかけられませんでした。そこに奈良先生がいらして、「何か質問はありませんか、でしょ?」と小さな声で言ってくれて完全に吹っ切れました。

その後は、1時間があっという間に過ぎるほど多くの方が発表を聞いてくれました。

発表中の様子(画像を一部加工)

 

学会というものは難しくて怖いところなのかと思っていましたが、お話をしてくれた先生方は皆親切で色々と教えて下さいました。

私は派遣型の研究職の会社に内定が決まっており、今回の経験を活かして、これからもサイエンスに関わっていきたいと思います。

 

発表前には港の見えるレストランで決起集会!? ひとり黄昏れているところです


最後になりますが、このような機会を与えてくださった奈良先生には感謝の気持ちでいっぱいです。遅い時間やお忙しい中でも時間を割いて下さいました。

時には厳しいときもありましたが、このような熱心なご指導のおかげで、研究に対するモチベーションを高く保ち続けられ、学会でポスター発表できるレベルまで成長することができました。

奈良先生をはじめとし、お世話になった先生方、研究室の皆さんには大変感謝しています。卒業まで残り数カ月となりましたが、引き続き研究を楽しみたいと思っています。

 

 

 

  大学院生:渡邊琳さんのコメント

今回、私は「筋再生過程における筋肉とマクロファージ間のIL-6作用機序」というタイトルで発表をしてきました。

初日に会場に着くまでは分子生物学会がどういうものか想像がつかずとても緊張し、会場の広さと人の多さに圧倒されましたが、ポスター発表を聞いて回るうちに私も自分の発表をたくさんの人に聞いてもらいたいという高揚感が芽生えてきました。

実際に発表をして、自分では気づけなかった点や参考になる助言をたくさん頂けて、これまでの研究に対して自信がつきました。

発表前の渡邊さん さすが大学院生、落ち着いていますね

また、 現在進路で悩んでいる人や研究職にほんの少しでも興味がある人は、今後機会があればぜひ足を運ぶことをお勧めします。各分野によってどのような研究が行われているのかを知ることができ、さらに自分の興味を引くテーマに出会えるかもしれません。4年生での卒業研究に具体的なイメージを持つきっかけになると思います。

 

最後になりますが、学会参加におきまして奈良先生のご指導のおかげで無事発表することができました。このような機会を与えてくださったこと、この場を借りて深く感謝申し上げます。



  指導教員:奈良英利准教授のコメント

4年生で全国レベルの学会で発表を行ったことは大変素晴らしいと思います。

参加に際し、事前のアドバイスは「自分で動いたもの、話しかけたものが勝ち」だけでしたが、しっかりと実行してくれました。他大学の先生から多くのことを学んだと思います。

堀さん自身の発表では、時間を過ぎても人が絶えないくらい盛況でした。それは、しっかり自分のデータを理解し、自分の言葉でわかりやすく発表してくれたからだと思います。

大学生活も残り短くなりましたが、この調子で頑張ってください。大学院生の渡邊さんも、期待通りの活躍で嬉しく思いました。




#動物機能組織学研究室 からピックアップ】

#学生の声 #卒業研究 #大学院



2022年12月8日木曜日

たのしい授業とはどんな授業か? 「いしのまき教師塾」への参加レポート

 

理科の教員を目指す学生が、「いしのまき教師塾」に参加してきました(11月11日)。その様子をレポートします。

講師の湯目先生による「仮説実験授業」を受けて、授業のポイントを聞いてから、実際に学生の代表が授業してみるという流れでした。

 


  • 「楽しい科学の授業体験講座」
  • 湯目隆之先生(元石巻市立蛇田中学校校長、元石巻サイエンスラボ サイエンススーパーバイザー)


 

「仮説実験授業:ものの変化と重さ」を体験

 

水の入った入れ物が台ばかりの上に乗っています。そこに「木の切れ端を浮かせたら、はかりの目盛りはどうなる?」という問題を考える授業。

この体験授業をとおして、生徒への細やかな配慮や、たのしい授業とはどんな授業かを考えていくものでした。

 

実験の説明

まずは、実際のモノを見せながら丁寧に説明を行って、 生徒役の参加者に予想を立ててもらいます。そこでプリントの文章を生徒に読んでもらうのですが、

  • 「誰か、読んでみたい人、いませんか?」
  • 「誰か、読んでくれる人、いませんか?」

という言い方ひとつで印象が違うという気付きがありました。

 


生徒による予想

読んでもらったあとに全員で予想します。木ぎれの重さだけ増える、浮かせる前と変わらない、木ぎれの半分くらい増える、その他の考え、などの選択肢から手を挙げて選んでもらって理由も答えてもらいます。ここでも、

  • 「何となくで大丈夫だよ」

という言葉で生徒が発言しやすい雰囲気作りをしていました。

 

討論

予想の人数を板書しながら聞いていき、そのあとに予想を変えるかどうか尋ねたり、みんなで討論を行いました。意見が言いやすいように、少数派から尋ねるところがポイントでした。


実際に実験

そしてクライマックス。実際に木ぎれを水の上に浮かべて、木ぎれの重さだけぴったり増えることを確認します(一番上の写真がそのときの様子)。以上が「仮説実験授業」です。

 

 

 

授業を体験したあとは、学生による模擬授業

 

湯目先生による実際の授業のあとは、「たのしい授業」のポイントを解説していただきました。「読んでくれる人いませんか?」「何となくでOK」といった、ちょっとした言い方のポイントだったり、意見は少数派から尋ねるということなどです。授業での話し方はもちろん、解説にも引きつけられるものがありました。

 

そして、学生による模擬授業。生物科学科4年の佐藤君が手を挙げて挑戦しました。 いきなりにも関わらず、ポイントをおさえて、しっかりと授業を行っていました。

教員採用試験合格者の声が届きました ← こちらのブログ記事に佐藤君のコメントが載っています。

 

 

今回は、2号館2階の「保育士・教員養成課程 履修指導室」にて開催されました。

生物科学科からは3年生と4年生が参加。学生だけではなく、近隣の小学校・中学校に勤めている教員の方も参加していました。

 

 

 

#教員採用試験 からピックアップ】

集団討議の練習風景

「教職セミナー」では、物理のキホン講座を継続して行っています。模擬授業の練習もスタート。途中からでも、ちょっと顔を出してみたいなという学生は渡辺まで相談を。


1号館3階のS6に、教員採用試験の参考書や各県の過去問を入れました。問題演習にちょうど良いので、ぜひ活用して下さい。




【大学ホームページ関連記事】「いしのまき教師塾」について

受講者のコメントも載っています

  • 第1回 教育に関する一般教養
  • 第2回 教職教養・教育関係法規
  • 第3回 集団討議の実践
  • 第4回 集団討議の実践
  • 第5回 これからの学級の育て方・生かし方(中澤健一先生、宮城県松島自然の家 社会教育主事)
  • 第6回 楽しい科学の授業体験講座(湯目隆之先生)
  • 第7回 これからの学校の先生に求められること(阿部昇先生、秋田大学名誉教授、東京未来大学特任教授)1月23日追記

大学HPより

 

次回は12月9日開催

  • 「これからの学校の先生に求められること」
  • 阿部昇先生(秋田大学名誉教授、東京未来大学特任教授) 秋田県の学力向上の取り組みを大きくリードされてきた先生です。
お問い合わせ先:石巻専修大学 開放センター 横江信一 特任教授



2022年12月6日火曜日

海洋生物学実習で地域貢献 TBCラジオで取り上げられました

 

12月5日(月)、TBCラジオの「3.11みやぎホットライン」にて、3年次の海洋生物学実習の取り組みが紹介されました。

 

radiko(ラジコ) で聴くことができます(1週間のみ)。本学についての話は、19:00頃から9分程度。

  •  4:30頃から ワカメ養殖について
  • 19:00頃から ワカメ養殖業者と石巻専修大学とのタッグについて
  • 21:00頃から 太田教授へのインタビュー

 

番組は、震災後、次世代へ繋ぐ漁業を目指して頑張っている石巻十三浜のワカメ養殖業者にクローズアップした内容。

その中で、石巻専修大学の学生と教員が追波湾(おっぱわん)の海洋環境調査に取り組んでいることに触れていただきました。

 

 

学生にとっては、調査方法を知るだけではなく、石巻の漁業を知る機会にもなります。

養殖業者の方にとっては、今までの「経験」を少しでも「数値化」できれば今後プラスになり得るというもので、5年10年のスパンで成果が現れることを期待しています。

 


 

 

【関連ブログ記事】 #実験・実習 #地域×大学

水温、塩分、酸素濃度などの海洋環境を調査


2022年12月2日金曜日

野生動物のロードキルについての研究成果が国際誌に掲載(卒業生が筆頭著者)

「Mammal Research」に掲載
 

 

辻研究室(動物生態学)の高橋夢湖さん(R2年度卒業)と、鈴木風磨君(R3年度卒業)が行った、石巻市内の野生動物の交通事故(ロードキル)の現状に関する研究成果の一部が、国際誌 Mammal Research に掲載されました。

Takahashi, Y., Suzuki, F. & Tsuji, Y. Spatio-temporal patterns of vertebrate roadkills in a suburban area in northern Japan. Mamm Res (2022). 

 

高橋夢湖さん

鈴木風磨君
  
 
 
2020年4月から2021年3月にかけて、
  1. ロードキルの発生場所
  2. ロードキルの頻度と交通量の関係
  3. ロードキルの発生時期と動物の生活史との関係
を調べました。一年間に計1059 件のロードキルを記録しました。26種の動物の死体を確認しましたが、タヌキ、イエネコ、ニホンジカの3種のロードキルは発生件数が多く、この3種で全体の7割を占めました。 
 

ロードキルの発生場所

交通事故の多発場所​​は、タヌキは郊外、ネコは市街地、シカは牡鹿半島を中心とする森林で多く発生しました。

 
 
 
ロードキルの頻度と交通量の関係

タヌキとネコのロードキルは交通量と正の相関を示しました。したがって、動物が道路を横切らないような構造物を設置することが、最も効果的な対策といえます。
 
 
 
ロードキルの発生時期と動物の生活史との関係

タヌキのロードキルは、秋に多く発生しました。この時期に独り立ちした、経験不足の若いタヌキが事故に遭うようです。このような季節性は、ネコやシカでは見られませんでした。
 
ロードキル対策は、対象となる動物の生活・行動特性に合わせて検討する必要がありそうです。


論文の要旨は、以下のサイトでご覧いただけます。
動物生態学研究室では、この研究成果をベースに、市内のロードキル問題の解決に向けた取り組みを進めていきます。
 
 
 
 
 
 
 
【大学ホームページ関連記事】
大学HPより

 
 
【関連ブログ記事】 #動物生態学研究室 #骨格標本 #卒業生