2021年5月31日月曜日

5月の記事まとめ

 

 

【動画あり】磯の生物観察(岩礁域潮間帯における生物の鉛直分布調査)


植物実習に続いて、5月29日(土)に1年生の臨海実習が行われました。

※1年生の実習は植物実習、臨海実習、動物実習の計3回が行われます(生物科学実習Ⅰ)。

 

臨海実習では、石巻市内の磯場で

  • 潮間帯生物群集の調査
  • 自由観察

を実施しました(干潮時)。


【実習の様子を動画にしました!】 ぜひご覧下さい!

観察した生物(コメント付き)やタイムラプス動画(コマ送り動画)も入っています。



潮間帯生物群集の調査では、コドラートという方形枠(35cm×35cm)の中にどのような種類の生物が生息し、それぞれの割合が何%を占めるかを調査しました。 

 

角田先生:水面からの高さによる生物相の違いを説明



太田先生:調査の方法(コドラート法)を説明
 
1年生の皆さん、水面からの高さによってどのくらい生物の多様性が違うかは、数学の授業で出てきた多様性指数で数値化できますね。



自由観察では、各自が五感を研ぎ澄まして観察。 
 
 
ちっちゃなヤドカリを見つけた学生がいました。かわいいですね。

クモヒトデがいました。普通のヒトデとの違いは何でしょう?
 

ホヤは宮城県の特産品です。県外から来た学生は食べてみましたか?

(生物科学科の学生の半数以上は県外出身です)


3年生がたまたま?遊びに来ていました。

 

とったものを見せてもらいました。

 


実習地のパノラマ写真


1年生の皆さん、それから準備や片づけなど、実習のサポートをしてくれた4年生の皆さん、お疲れ様でした! (引率:角田、太田、渡辺)

 

【関連ブログ記事】

 トヤケ森山で採集した植物の葉脈と気孔の観察(1年次、植物実習)

 

 

2021年5月30日日曜日

オープンキャンパスの予約受付中です!

 

6月27日(からオープンキャンパスが始まります。

生物科学科では、コースリニューアルの説明研究室紹介を行います。

大学全体の企画としては、学生スタッフによる相談会やキャンパスツアーなども用意されています。皆さまのご来場を学生スタッフ・教員一同、お待ちしております。

 

予約受付はこちら(大学ホームページへ)


 

 「新」生物科学科の紹介 

(10:30~11:10)

生物科学科はコースをリニューアルし、分子レベルでの生命のしくみ、生物と環境との関わり、環境の保全と生物資源の利用を学び、それらを発信・教育する人材育成を目指す新たな学科に生まれ変わります。

新しい生物科学科での学び、新たに設置される4つのコースについて詳しく説明します。

  • 海洋生物・環境コース
  • 動物・植物コース
  • 微生物・生命分子コース
  • 自然科学コース


 

 

 生物科学科オープンラボ 

 (10:00~14:00)
興味のある研究室を自由にご覧いただけます。 


 

ミズクラゲの生態をしらべる

海洋浮遊生物研究室

水槽のミズクラゲはいやし系、でも、海では時に厄介者。ミズクラゲの発生時期や規模を予測にはクラゲの生態研究が不可欠。実際に行っているフィールド調査や飼育実験の様子を、動画や顕微鏡観察を交えて紹介します。


水中映像の世界

海洋生態学研究室

水中に生息する様々な生物を観察するために、以前は人が潜って見たり撮影していました。今は、水中カメラや、水中ビデオ、また水中ドローンが活躍します。

 

北上川に接続する学内遊水池をモデルとした養殖システム開発

水質環境生態工学研究室

石巻専修大学の北上川と繋がる「ワンド=学内遊水池」と、その中の生き物と生き物を支える自然システム、川とワンドで連続する交流/生産/増殖/浄化システムとも言えるような、学内にある「自然界のゼロエミッション型水域生産システム」の紹介です。さらに、それを生かす方向の学びから生まれそうな「次世代型の養殖システム」の概念を紹介します。

 

自然環境を守る仕事をしませんか?

沿岸環境生態工学研究室

東北の私立大学で唯一の海に潜って、自然の保全と再生を研究しています。キーワードは、海と川、海の森、絶滅危惧種の保護、自然環境の保全と再生、環境汚染です。三陸の豊かな海で、自然を守る仕事をしてみませんか?


身の回りに潜む海産寄生虫 

地域水産資源利用研究室

日本人は魚介類が大好きな民族です。しかし大半の魚介類には寄生虫が感染しています。 どんな動きをするか?どうやって感染したのか?食べても大丈夫か?検出・駆除方法は?不思議な生活などを紹介します。



 

植物系統分類学の世界 

植物系統分類学研究室

植物系統分類学では、フィールドワークによる種の探索、標本の作製、解析試料の収集に始まり、実験室での形や組織の比較観察、遺伝子解析に至る一連の研究活動を行っています。ラボの最近の研究事例を紹介します。


樹木のなかの水のながれを探る

樹木生理生態学研究室

何もしていないように見える樹木も、その内部では盛んな水の流れが生じています。その流れのしくみに迫る研究を紹介します。

 

野生動物の交通事故『ロードキル』について学ぼう 

動物生態学研究室

日本では毎年、多くの野生動物が交通事故で命を落としています。私たちの研究では、この問題を解決すべく、実態調査を進めています。今回のオープンラボでは、昨年度の調査で明らかになった、石巻市内の野生動物の交通事故の現状を、標本や写真を交えて解説します。この機会に、私たちが野生動物といかにつきあっていくべきか、考えてみませんか?


千変万化-えっ? これが同じ植物なの? 

植物発生遺伝学研究室

シロイヌナズナはモデル生物として世界中で研究材料として使われているアブラナ科植物です。同じ植物でもほんの少しだけ遺伝子や環境が変わるだけで、大きく形が変化するさまを実際に見てみましょう。


動物の組織、見せます!

動物機能組織学研究室

形あるところに機能あり!動物の組織標本の顕微鏡による観察を体験してもらいます。さらに培養細胞も準備しています。筋肉細胞と白血球の形の違いを実際に観てみませんか?



 

野菜からDNAを取り出そう 

ゲノム構造解析研究室

あなたはDNAを見たことがありますか? 今回の実験では、野菜であるブロッコリーのから細くて長いDNAを取り出してみましょう。


あなたの知らないかび”ヒゲカビ”を紹介します! 

菌類発生生態学研究室

私たちの身近には、目には見えない程小さな生き物—植物の花粉や微生物の胞子が存在します。これらは適する場所にたどり着くと発芽して成長を始めます。顕微鏡でしか見えないヒゲカビの胞子が発芽・成長した姿とは?研究への活用例も紹介します。

 

 

 

ソフトマターを科学する — 物理と生物のはざまで — 

ソフトマター物理学研究室

ソフトマターとはやわらかい物質のこと。生き物のカラダはまさに、ゲルやコロイドなどのソフトマターでできています。寒天、豆腐、スポンジなど身近なソフトマターを材料に、物理の視点から「やわらかさ」の謎と不思議を解説します。


化学の力でバイオエタノールを有効活用 

触媒化学研究室

バイオエタノールは石油に代わる資源として注目されていますが、その利用のためには解決が必要な課題があります。私たちは、化学の力を使ってバイオエタノールを役に立つ物質に変換するための研究を進めています。


「におい」の分子認識 

分子認識化学研究室

鼻にある嗅細胞の受容体は、多種多様な形や大きさをもつ分子を識別することができ、それが異なる「におい」として感知されます。香料のサンプルを嗅いで、分子のほんのわずかな違いを識別できる高精度な生体機能を体験してみて下さい。


ピカチュウの寿命?! ~数理生物学入門~ 

数理生物学研究室

サトシの肩にちょこんと乗っているかわいいピカチュウ。キミはピカチュウの寿命なんて考えたことがあるだろうか? 答えを知りたい人は、1号館3階へGO! 大学の授業ノートや卒業論文なども展示します。




【研究室ピックアップ】沿岸環境生態工学研究室


海の森の自然を守る

沿岸環境生態工学研究室は東北の私立大学では唯一、潜水での自然調査を行っている研究室です。

キーワード:川と海、絶滅危惧種の保護、自然環境の保全と再生、環境汚染

 

川と海の環境保全や、東日本大震災・台風などのダメージを受けた海の生態系の回復、絶滅危惧種の保護に取り組んでいます。

「海の森」である藻場と魚との関係や、人工干潟が自然干潟のように豊かな生物を育むためにはどうすればよいかなど、自然のしくみについての学びをとおして自然の再生を考えています。

気候変動の原因となる二酸化炭素を吸収して減らす役割が期待されている藻場の評価についても研究を始めています(玉置仁教授、食環境学科)。

 

【主な担当科目】

  • 環境調査法基礎
  • 生物環境工学
  • 生物環境統計学
  • 潜水調査実習

 

来年度(令和4年度)から「海洋生物・環境コース」がスタート! 

海洋生物・環境コースの詳細はこちら 

令和4年度からは、食環境学科と生物科学科は発展的に統合し、「新」生物科学科として生まれ変わります。コースのリニューアルにより、新たに、環境問題や水産業など社会に密接な分野の研究も可能となります。 

新カリキュラムの「潜水調査実習」では、実際に海に潜って、自然の保全と再生について学びます(定員あり)。


 

2021年5月27日木曜日

交通事故に遭ったハクビシン

牡鹿半島で調査中に、ハクビシン(Paguma larvata)の轢死体を発見しました。人の往来が活発になり、インフラが整備されると、野生動物の事故が増えてきます。人間活動を維持しつつ、いかにして不幸な事故を防ぐか。動物生態学研究室では、ヒトと野生動物が仲良く付き合える街の実現を目指して、この問題について調査を進めています。
県道2号線は、鮎川と石巻市街を結ぶ重要な路線です。昔はくねくね道だったのですが、震災後に直線の多い道が整備され、以前よりもスピードを出せるようになりました。



体の左の部分が完全に骨折していました。この死体は、標本にするために持ち帰ります。

ツバメが巣を作っています

キャンパスの自販機コーナーで、ツバメ(Hirundo rusticaが巣作りを始めたようです。ジュースを買おうとしたら慌てた様子でぱたぱたと飛び回っています。しばらくの間、やさしく見守ってあげてください。

自販機の上で泥をこねた巣をつくる




2021年5月26日水曜日

中学校の理科の先生として働いている卒業生が大学に遊びに来てくれました

 

宮城県内の中学校で理科の講師をしている高橋悠太さん(令和2年度卒業)が大学に遊びに来てくれました。

 

高橋さん「授業で透明骨格標本を使いたいんですけど…余ってたりしますか?」

渡辺  「あれ?大学祭で買ってたような?」

高橋さん「割れちゃったんですよね…」

ということで、作ってあった標本の余りを渡しました。話を聞いてみると、中学校で教えるのがとても楽しいと言っていて、良い環境で働くことができているようです(石巻専修大学を卒業した先生も何名かいらっしゃるとのこと)。

 

授業では、教科書の内容プラスアルファのおもしろトークをいろいろ生徒にしていると生き生き話していました。透明骨格標本が役に立つといいですね!

生物科学科の教育が間接的にでも、理科好きの中学生を増やすことになってくれていたら嬉しいです。


※ 来年度(令和4年度)から、新コースとして「自然科学コース」がスタート!

自然科学コースの詳細はこちら

自然科学コースでは、教員免許が取得しやすいカリキュラム構成となっています。物理・化学・生物・地学を基礎から学ぶことができ、「教職セミナー」によって教職への道をサポートしていきます。

さらに、学生の興味に応じて、海洋生物・動物・植物・微生物などについての専門科目を履修できることも魅力のひとつです。

 

【関連ブログ記事】

 今年度も継続して「教職セミナー」を実施中です


2021年5月23日日曜日

「新」生物科学科のブログができました!

生物科学科での日常風景や、大学ホームページには載っていないような学生・教員の様子、実験・実習の内容など、さまざまな情報をお伝えしていきます。

 


2021年5月22日土曜日

ニワゼキショウが芝生を飾っています。

つものように駐車場に車を止めオフィスに向かう途中、見慣れた芝生に紫色の小花を見つけました。近づくとニワゼキショウ(庭石菖 Sisyrinchium rosulatum)の群生です。直径5、6mmの小花、高さは10cmに届かないですが、アヤメ科の一年草です。(AM)


 

2021年5月21日金曜日

トヤケ森山で採集した植物の葉脈と気孔の観察

 5月15日(土)に生物科学科1年次対象の生物科学実習I(植物実習)が行われました。

午前中は大学演習林に隣接しているトヤケ森山で植物の観察と採集を、午後は各自採集してきた葉の葉脈の走行パターンを観察し、生物顕微鏡を使って気孔の観察も行いました。


根本先生「マムシグサなどのテンナンショウの仲間は
生長状態で性別が変わる羨ましい植物です」
(羨ましいかな?)

蛇つながり?でヘビイチゴ (Potentilla hebiichigo)も近くに咲いていました。
ヘビが居そうなところに咲くだけで毒はありません。

こちらは毒ありのクサノオウ (Chelidonium majus L.var. asiaticum)
茎を折った時に出てくる乳液に触れるとかぶれるので摘んではダメです。


依田先生「サクラの葉のつきかたは互生? 対生?」

ヤマフジ (Wisteria brachybotrys)
DNAと逆方向に蔓が巻いているはず

これで葉っぱ1枚なんだよね?

ホタルカズラ (Lithospermum zollingeri )の群生発見!

撮って撮ってー

イヌザクラ (Prunus buergeriana)
くさいからイヌってひどい名前。でも確かにくさい。

石巻の街をバックに頂上で記念撮影。

ホオノキ (Magnolia obovata)は葉っぱも花も迫力満点。


午後は根本先生の説明から。

自分の採集した葉の葉脈がどうなっているかじっくり観察。

双眼の生物顕微鏡で気孔の観察。
どんな形をしているかな。

最後におまけでシマフムラサキツユクサ (Tradescantia zebrina)の気孔も観察。
紫の中に緑の気孔がきれいです。

2021年5月20日木曜日

【取得できる資格の紹介】自然再生士補って?

令和4年度の入学者から「自然再生士補」の資格が取れるようになりました。自然環境の整備や保全に興味のある方、いかがでしょうか?

植物学実習の様子


この資格は、一般財団法人 日本緑化センターが認定している資格です。自然再生士補は自然再生士の業務活動を補佐する資格で、1年間の実務経験を積むと自然再生士の資格試験を受験できるようになります(最短で23歳!)。

たとえば、宮城県の「みちのく湖畔公園」の自然再生・保全の仕事をされている方は自然再生士の資格を持っています。

 

東京大学や京都大学でも、この資格のためのカリキュラムが展開されています。宮城県内の私立大学でこの資格が取れるのは石巻専修大学の生物科学科だけで、東北地方でもそんなに多くはありません(自然再生士補 資格養成機関認定校の一覧)。

【本学の関連科目】 保全生物学、野生動物保護論、生物環境工学、植物生態学、微生物学など

 

※自然再生士は国土交通省が定める「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」です。 

 

2021年5月15日土曜日

大学周辺の生物調査に行きました

 

金曜日に1年生、土曜日に2年生の有志で生物調査に行きました。両日とも参加者は15名程度。1、2年生合同で行いたかったのですが、今回は都合が合わず別日となりました。

 

大学からは歩いて20分くらいの場所へ。 左に見えるのは北上川。

 

大学演習林の脇を通って行きました。

 

カニの穴に手を突っ込んでカニを捕獲!


ザリガニもいました。


 
ヘビ! 久しぶりにヘビを触った学生も。
 
 

 
1年生の方は用水路より草むらの方でカエルが多めでした。
 


 
なかなか運動になったようです。