2023年3月31日金曜日

3月の記事まとめ

 

卒業式の様子や、辻准教授の日本生態学会大島賞受賞、動画「しぶとく生きる!細胞性粘菌のふしぎ」などをアップしました(★印)。ぜひご覧下さい。

 


#記事まとめ でタイトルの一覧を見ることができます。

 

辻准教授が日本生態学会大島賞を受賞

細胞性粘菌の動画の一部


今年のサクラの開花は早め

 石巻専修大学は隠れた?桜の名所として知られています。

卒業式には間に合いませんでしたが、今週からカンヒザクラ(寒緋桜)やコヒガン(小彼岸)が咲きはじめ、暖かい日が続いたのでユニバーシティハウス(学生寮)やバス停脇の大きなソメイヨシノ(染井吉野)も蕾がほころんでいました。

図書館と1号館の間にあるカンヒザクラ
少し変わっていますがこれも桜です

ユニバーシティハウス(学生寮)借景の
大学演習林(トヤケ森山)でもヤマザクラが咲いています


例年、ソメイヨシノの開花は入学式には間に合わないことが多いのですが、今年は満開の桜で迎える入学式になるかもしれません。

入学式の会場である体育館前のコブシ


南の方では春の花といえば椿ですが、北ではあまり見かけません。
石巻は東北地方ですが、中間温帯の沿岸地域なのでヤブツバキが自生しています。
演習林の入口のヤブツバキ(Camellia japonica)


これから構内では色々なサクラがどんどん咲いていくので、ぜひ桜巡りをしてみてください。

 【関連ブログ記事】 


2023年3月30日木曜日

毎年恒例の「地学の勉強会」 教員採用試験合格に向けて特訓中!


教職セミナーの活動報告です。

 

教員採用試験には物理・化学・生物・地学のすべての範囲から出題されることが一般的です。

しかし、高校では地学基礎は4人に1人しか学んでいません。地学にいたっては、履修率がたったの1%程度です。

地学は学んでみると、大地・海洋・大気とのつながりの面白さ、さらには物理・化学・生物ともつながりがあり、サイエンスの面白さを感じることができます。

「先カンブリアのエディアカラ動物群はクラゲがいて…」
「古生代のバージェス動物群は三葉虫で…」

理科の教員になるためには、バランス良く学ぶことが大切なはず。

そんな状況もあり、教職セミナーでは春休み中に毎年恒例となった「地学の勉強会」を実施しています。今年度は、毎週金曜1限2限の90分×2コマでやりました。

 

 

出題傾向を分析して問題演習

地震、火成岩の分類、示準化石・示相化石、フェーン現象、天気図、星の動きなどなど、本番で出題されやすい問題を中心に演習を行いました。

特に宮城では、地震の分野をマスターしておくことは必須です。

副読書として新書などを紹介
鎌田浩毅『やりなおし高校地学』ちくま新書
(センター試験の問題をとおして地学を解説)

勉強会では、清水書院の『ひとりで学べる地学』を教科書として利用。地学基礎の教科書と『リードLightノート』などの演習書と合わせて勉強しました。

 

 

学生が問題を出し合って勉強

当日までに指定された範囲をまずは自分で勉強してきます。

当日は、学生(と教員)が用意してきた問題を全員で解答します。その後、問題を用意した学生が解説を行うというスタイルで実施。人前で話す練習にもなります。

時間が余ったら、担当教員の渡辺が物理の問題を出題・解説したりしました。

「ペルム紀に大量絶滅が起こったので、正解は…」
1年生が先輩の前で堂々と解説

 

参加学生のコメント #学生の声

佐藤智毅さん(1年次、秋田県出身) 

自分たちで問題を出し合って解説したりしているので、より深く理解できています。先輩方の話を聞いたりもできるため、とても有意義な時間を過ごしています。

教員採用試験対策には、早い段階からの参加がオススメです。教職セミナーでの勉強をとおして、現役で合格できるように頑張ります!

 

 

地学の勉強会は計6回実施
新学期の活動については、後日お知らせします

 

「生物科学科×人間教育学科」で学生をサポート

教職セミナーは有志の学生で行っている生物科学科独自の自主ゼミです。卒業生の協力も得ながら実施しています。

物理・化学・生物・地学の勉強から、模擬授業・面接・集団討議の練習まで、幅広く行っています。1年生の参加もあり、頼もしい限りです。これまでの取り組みについては、#教員採用試験 をご覧下さい。 

今年度は、本学の「教育改革支援助成」を受けて活動してきました。この場を借りて感謝いたします。

春休み中は実家に帰省している学生もいるので、
オンラインも併用して実施

人間教育学科の方では、現場経験のある先生方によって、特に法規や教育時事を中心にした対策講座が開かれています(正規の授業以外に時間割を作って、学年別に指導)。

人間学部との協力体制により、生物科学科の学生であっても2年次から参加できるようになりました。 

人間教育学科のブログはこちら

生物科学科の学生に対しては、「教職教養系の科目は人間教育学科、理科などの専門科目は生物科学科」というサポート体制です。これからもチームiSUで学生を支援していきます!

勉強部屋には、実際の化石が置いてあります
(国立科学博物館で購入したもの)

教員採用試験の1次選考は7月に行われます



< 番 外 編 >

去年の12月のことになりますが…
教職セミナーで模擬授業の練習を行いました

各自がワークシートを用意したり、
1コマ分の授業を作って練習してみました



 【関連ブログ記事】 

#教員採用試験 #自然科学コース #学生の声

 

 過去3年間で5名が現役合格 !

湯目先生による仮設実験授業



教職セミナーは、以下の中長期ビジョンの目標達成のための活動にもなっています。

石巻専修大学 中長期ビジョン

「学習の質を向上させる環境を整備する」

  • 目標14 学生1人ひとりの主体的な学びを支援する場を整備する
  • 目標15 研究、学習を目的とした交流の活性化を図る


2023年3月28日火曜日

ヤマトオサガニの遺伝的集団構造を初めて明らかに 国際的学術誌に掲載


小林元樹研究員、阿部博和准教授(海洋ベントス学研究室)、および国立環境研究所、東京大学の研究者らによる共同研究の成果が「Plankton and Benthos Research」に掲載されました。

共同研究グループは、青森県の陸奥湾の干潟に住むヤマトオサガニが湾以外の地域と遺伝的に隔離されていることを発見(陸奥湾 [むつわん] は、津軽半島と下北半島に囲まれたあの大きな湾ですね)。

 

この研究から、ヤマトオサガニは宮城から九州の広い地域で遺伝的なつながり(個体の行き来)があることが推測されましたが、本種の分布北限である陸奥湾は、ほかの地域と遺伝的に異なっていることが分かりました。

遺伝的な「つながり」
陸奥湾のヤマトオサガニの遺伝的な偏りを示しています

 

陸奥湾のヤマトオサガニは独自の遺伝的な特性を持っている可能性があり、本種の遺伝的多様性(同じ種類の中の遺伝子の多様性)を保つ上で重要な可能性があると考えられました。

 

 

発表者

  • 小林 元樹(石巻専修大学 共創研究センター特別研究員)
  • 伊藤 萌 (国立環境研究所 特別研究員)
  • 金谷 弦 (国立環境研究所 主幹研究員)
  • 阿部 博和(石巻専修大学理工学部生物科学科 准教授)
  • 小島 茂明(東京大学大学院新領域創成科学研究科・東京大学大気海洋研究所 教授)

 

ヤマトオサガニの食事風景

干潟時に泥の中から出てきて食事します

 

 

 

小林元樹研究員のコメント

陸上の動物は基本的に歩いて移動するため、集団(同じ種の個体の集まり)間の遺伝的なつながりの程度は、いくらか予想できるかと思います。

その一方で、海底にすむ動物の親は、歩いて遠くまで移動することはほとんどありませんが、海中を漂うプランクトン幼生期に、海流を使って遠くまで移動できる場合があります。

そのため、遠くの地域でも遺伝的に似ている一方で、近くの地域でも遺伝的に異なるなど、単純に地理的な距離からは遺伝的なつながりをまったく予想できない場合が多くあります。

これが海底にすむ動物の遺伝的多様性を研究する上で面白いポイントだと思います。

 

最近、今回のヤマトオサガニも含めていくつかの干潟のカニ類が分布域を広げている例が報告されています。

気候変動や環境変動に伴う分布域の変化が、目には見えない遺伝的多様性に与える影響を明らかにするために、今回のような研究は大事だと思います。

これからも、潮間帯から深海まで、いろいろな海洋生物の遺伝的多様性について解明していきたいと考えています。 

 

 

 

【関連ブログ記事】#海洋ベントス学研究室 #海洋生物・環境コース


2023年3月24日金曜日

卒業おめでとう! 生物科学科59名、生命科学専攻3名が学び舎を後に

 

3月20日(月)に、令和4年度の学位記授与式が行われました。

学部卒業生、大学院修了生の皆さん、おめでとうございます!

 

今年度卒業の学部生は2年次からコロナ禍に(この代は入学定員が55名です)。

1年次に大学に慣れていたとは言え、突然のオンライン授業への切り換えに苦労していたことを思い出します。困難を乗り越えた経験は今後の糧となるはずですね!


当日は快晴に恵まれました

理工・経営・人間の3学部そろっての卒業式

 

 

式終了後は各学科に分かれての実施

学科主任の太田教授から
ひとりひとりに学位記が授与されました

皆さん晴々しい表情です

おめでとうございます!

学部の卒業生には学士(理学)の学位が授与
 

 

定年退職される佐々木教授に記念品を贈呈

似顔絵でした!
 

 

卒業後は、水族館の職員になる人、理科の教員になる人、大学院に進む人、会社員になる人とさまざまです。

式辞の中で述べられていましたが、大学教育としての付加価値である「考える力」だったり「人間力」といったものは、卒業後何年かしてから実感するものと思います。

 

式辞を聞いていたときに、アインシュタインの次の言葉を思い出しました。

Education is what remains after one has forgotten everything he learned in school.

教育とは、学校で習ったすべてのことを忘れた後に残るものである。


学位記授与後には、それぞれ記念撮影

研究室の先生と一緒に撮ったり

友達同士で撮ったり


全員が「石巻専修大学で学んで良かった!」と思ってくれることを教員一同、望んでいます。

卒業後も、ぜひブログをチェックして後輩の活躍を見ていて下さい。そして、いつでも大学に遊びに来て下さいね!



 

 

 


 思 い 出 

3年次の実習では、「見て、触れて」実践的に生物について学びました。

海洋生物学実習動物学実習植物学実習


4年次の卒業研究発表会では、学びの集大成としてプレゼンを行いました。

 海洋生物コース動物コース植物コース


令和4年度から、海洋生物・環境コース / 動物・植物コース / 微生物・生命分子コース / 自然科学コース の4コース体制に生まれ変わりました。



#メディア掲載

 

【大学ホームページ関連記事】

 

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2023年3月23日木曜日

さかなクンも登場!次世代の海洋専門リーダーを育てるプロジェクトに協力しました


深海魚研究を行っている鈴木准教授(地域水産利用学研究室)が「深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト」に協力。その様子が、3月21日(火)に放送されました。


放送されたのは静岡放送で、残念ながら宮城では見ることができませんでしたが、「TVer」にて4月5日(水)のお昼まで配信 されます。

  • スマホからは、アプリを落とせば簡単に見ることができます
  • パソコンからは、生年月日と郵便番号の入力のみで見ることができます

鈴木准教授の登場は29分頃からです。さかなクンの言葉を借りて…ぜひ「ギョ覧」ください!

 

※ 番組の番外編です

「さかなクンがギョギョ 深海キッズの挑戦!!」



深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト」について

日本一深い湾「駿河湾」を有する静岡県。

その静岡から深海研究のスペシャリストを輩出しようと「深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト」がスタートしました。日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。

大学での研究さながらに【 調査 → 研究 → 発表 】の流れを小学生が体験することで、次世代の海洋専門リーダーを育てようというもの。

鈴木准教授は「専門家とのオンライン相談」という形で出演しています。


鈴木英勝准教授


スーパーキッズたちの発表タイトル(一部)

  • ゴミ回収深海ザメロボット
  • 水圧に負けない~深海のテーマパークを作ろう~
  • デザートは美味しく、ゴミは楽しく♪
  • タカアシガニの特性を利用した深海探査機について
  • 深海生物を使った次世代エネルギー
  • 深海魚の新たな活用法
  • メンダコの特徴整理と機能を生かしたアイディア
  • オオグソクムシをいかしたデザイン
     

中には、鈴木准教授の研究キーワードである「未利用魚」や「底引き網」といったワードを使って発表するキッズもいました。

 

 

【関連ブログ記事】 #地域水産利用学研究室

ココノホシギンザメ
 

2023年3月22日水曜日

生態学の発展に大きく貢献 辻准教授が日本生態学会「大島賞」を受賞しました

 

辻准教授(動物生態学研究室)が第16回日本生態学会大島賞を受賞しました。


3月21日(火)には受賞記念講演が行われました。

「腰を据えた調査だからこそ見えるものがある」

日本生態学会大島賞は、野外における生態学的データの収集を長期間継続して行うことなどにより、生態学の発展に寄与した中堅研究者に授与されるものです。大島賞の歴代受賞者はこちら

 

受賞記念講演

授賞式
日本生態学会 第70回全国大会(2023年仙台)にて

 

 

 


動物生態学研究室のホームページはこちら

 

 

 

【関連ブログ記事】 #動物生態学研究室 #骨格標本