石巻専修大学の構内にはサクラの樹が500本近くあります。
そのうち325本がソメイヨシノで、白い花弁のオオシマザクラ(系)も61本と大半を占めますが(依田研の西廣みずほさん(2019年度卒)調べ)、緑の花弁のギョイコウ(御衣黄)や秋から断続的に咲き続けるジュウガツザクラなど、珍しいサクラも植わっており、G.W明けまで様々なサクラを楽しむことが出来ます。
最初に咲き始めるのがカンヒザクラ(寒緋桜)です。濃い紅色で花もあまり開かないので、サクラっぽく見えないかもしれませんが、歴としたサクラです。1号館と図書館の間の道の脇にあります。
その後に咲くのは3号館の南側にあるコヒガン(小彼岸)です。栽培品種で枝分かれが多いことから切り花にも使われます。ソメイヨシノとは枝振りが違うのがわかるでしょうか。
コヒガンにほんの少し遅れてソメイヨシノ(染井吉野)が咲き出します。一般にサクラというとイメージされるサクラだと思いますが、江戸時代に作られた園芸種です。ほとんど種子ができず挿し木で増やされるので、世界中のソメイヨシノはクローンでほぼ同じ遺伝子を持っています。そのため、気象庁の開花観測に使われています。構内で最初に咲くのは学生寮の東側でしょうか。バス停の脇には10 m越えの大木があります。
オオシマザクラ(大島桜)はソメイヨシノより少しだけ遅れて咲きます。もともとは野生種で白い大きな花弁と開花と同時に展開する若葉とのコントラストが鮮やかです。花には香りがあり、葉は桜餅を包むのに使われます。オオシマザクラとほぼ同時期に咲いて葉が赤いのはヤマザクラです。野生種ですが東北ではあまり見かけない気がします。
構内の桜の〆を飾るのは1号館の西側入口の脇にあるケンロクエンキクザクラ(兼六園菊桜)です。その名の通り、金沢の兼六園由来の園芸品種で、花弁がみっしりと詰まった鞠のような花は萼片が二重になっているのも特徴です。
そして、秋にはまたジュウガツザクラ(十月桜)が咲き始めます。ジュウガツザクラは秋咲きではなく春と秋の二季咲きですが、寒い中舞う雪のように咲く八重咲きの花はとてもけなげです。
紹介した以外にも構内には色々なサクラが存在します。ソメイヨシノ以外にも目を向けて見て下さい。