2026年9月11日金曜日

1年生が花山で植物観察!「自然の見方が変わった」

 

5月23日(土)、生物科学科1年生にとって最初の実習となる「野外生物実習・植物編」が栗原市の花山で行われました。

学生たちは、教科書や写真だけでは分からない植物の姿を五感を使って観察。教員や先輩学生の解説を聞きながら、植物と環境との関わりを学びました。

 

「野外生物実習」は海洋生物、動物、植物の計3回あり、1年生全員がすべてに参加。フィールドで実際に生物や環境に触れることで、実践的に生物科学について学びます。

  • 5月23日(土) 植物編
  • 6月 6日(土) 動物編
  • 6月20日(土) 海洋生物編

 

バス3台で花山へ! 

朝7:00出発
(大学から直通、石巻駅経由、小牛田駅経由)


バス1台は早く着いたので、ラジオ体操をしてみました
体で覚えているものですね

注意事項を確認して、出発!
教員・サポート学生は熊鈴を付けます

 

五感を使って、植物と周りの環境を観察

ゆるやかな坂を登りながら、学生たちは自由に自然を観察します。入学して2カ月程度ですので、学生同士や教員との親交も深めながら山を登ります。

依田教授(植物生理生態学)
 

特徴的な植物が見つかり次第、専門家による解説が始まります(担当教員は、依田、根本、宮嵜、中川、武藤、渡辺)。教員だけではなく、研究室の先輩学生も知識を披露してくれました。

1年生は、ただ山を登るだけでは気づかない話をたくさん聞くことができたようです。

根本教授(植物系統分類学)


学生は何を感じた? 植物観察からの気付き

実習を終えた学生たちからは、次のような声が聞かれました(写真とコメントが対応するとは限りません)。

「どのような名前の植物なのか、
どのような特徴を持っているのかを
調べながら進むことはとても楽しかった」

「普段何気なく見ている植物でも
詳しく観察して調べることで
新しい発見が得られることを実感した」


「似たような見た目でも細かく観察すると
複葉か単葉か、互生か対生かなど
特徴が大きく異なることを学びました」

「教科書や検索だけでは見えない
本来の植物の生き方を間近で見ることができた」

 

「ただ山を歩くだけでなく、
地形と植物の関係に注目しながら観察したことで
自然の見方が大きく変わった」

 

「なぜその形になったのかに興味が湧き、
より植物を知りたいと思えるいい機会になった」


「植物の葉の色の僅かな差であったり、
茎の断面の形であったり、植物ひとつ取っても
様々な特徴の違いがあり、とても面白かった」


ヤマフジにぶら下がってみる!
童心に帰ったような体験も


ギンリョウソウは毎年大人気!

とても綺麗で神秘的

光合成を行わない腐生植物

 

何やら「秘密道具」も登場 

「秘密道具」で葉の表面を観察
普段は見えない植物の特徴を確かめました

 

こちらも「秘密道具」

高い所にある植物を採取できます

 

頂上付近で休憩タイム 

仲間との距離もグッと近づいたようです

お昼を食べて、リラックス!

休憩後は、沢に沿って下るコースと
やや難関の?コースに分かれて下山します
 


学生は何を感じた? 今後の学びへ


「川のせせらぎを聞きながら植物のことについて
仲間と共に理解を深められた」

「葉や幹の形だけではなく、
植物の匂いや色、大きさなどの
写真や資料だけでは分からない
特徴を知ることができました」

「中学高校の知識を振り返ることで
自分なりに植物について
改めて考えるきっかけにもなりました」


「高い所と低い所、水が多い所と少ない所のように、
場所によって植生が大きく変わることを学んだ」


「友達や先生方・先輩方と、見つけた植物を共有しあったり、
教えていただいたりしながら活動できたことが印象に残った」

「今後も身近な自然に目を向け、
観察する姿勢を大切にしていきたい」

「みんな優しく、一緒に山を登れて
さらに仲間意識が高まったと思います」
「最高の実習でした」

花山での実習をとおして、1年生は植物そのものだけではなく、地形や環境との関係にも目を向けるようになりました。

身近な自然を、自分の目で観察し、考える。「自然の見方が変わった」という声は、生物科学をフィールドで学ぶことの面白さを表しています。これから始まる4年間の学びにつながる、実りある実習となりました。 

 

 

【関連ブログ記事】 

#学生の声#実験・実習

 

 

2026年9月4日金曜日

「偶然の発見」が論文に 博士1年・大見川遥さんがフグノクチヤドリの北限記録更新と新宿主を報告

 

大学院博士後期課程1年(D1)の大見川 遥さんが修士課程在籍時に執筆した論文が、日本甲殻類学会が発行する「Cancer」に掲載されました。

本研究では、フグ類の口内に寄生する等脚類「フグノクチヤドリ」の北限記録の更新に加え、クサフグと雑種フグを新たな宿主として初めて報告。干潟でのフィールド調査から始まった「偶然の発見→SNSでのバズり→論文執筆」のストーリーを紹介します。

クサフグの口内から顔をのぞかせるウオノエ類
 

偶然の発見 

フグノクチヤドリは、フグ類の口内に寄生するウオノエ類として2021年に国内から新種記載された等脚類です。

2025年5月に気仙沼の舞根湾で行った調査の際に採集されたクサフグを飼育していたところ、口内にウオノエ類が寄生していることに気が付きました。

2023年5月の舞根湾調査の様子
大学院修士課程を修了した小林真緒さん(写真左)が
泥に埋まっているクサフグを採集


この時に偶然の産物として誕生した「フグ人間」は
SNSにて4万いいねを獲得しました
ベントス研Xを見る
 

SNSでのバズりから論文執筆へ 

SNSでこの投稿が広まったことで、有識者の方から2021年に記載されたばかりのフグノクチヤドリではないかという情報が寄せられました。

魚類の口内に寄生するウオノエ類のほとんどは舌側に寄生するのに対し、フグノクチヤドリなど一部の種では口蓋側(口の中の上側)にさかさまに寄生すること、フグ類に寄生することが報告されているウオノエ類は限られていることから、候補として絞り込まれました。

そこで、 クサフグから採集されたウオノエ類の形態を精査し、DNAの解析も行ったところ、フグノクチヤドリの特徴と一致することが確認されました。

実態顕微鏡を用いてフグノクチヤドリの形態観察を行う大見川さん


その後、気仙沼市の舞根湾や石巻市の鮫浦湾から幼生、幼体、雄成体、雌成体の様々なステージの追加標本が採集され、クサフグだけではなくゴマフグとショウサイフグの雑種個体(雑種フグ)も宿主として利用していることや、これまで報告されていなかった形態の種内変異や成長に伴う形態的特徴の変化が確認されました。

論文では、これらの研究成果がまとめられ、この報告により、フグノクチヤドリの北限記録が更新されるとともにクサフグと雑種フグがフグノクチヤドリの新宿主として記録されました。

 

 

大見川遥さんのコメント

本論文では、フグ類の口腔内に寄生する等脚類フグノクチヤドリについて、新産地や新宿主、形態変異などを報告しました。

卒業研究で等脚類の研究を始めて以降、魚類に寄生するウオノエ類に対しても関心を持っていたため、魚類を採集した際にはウオノエ類が寄生していないかを確認していました。フグ類に寄生するウオノエ類はあまり知られていなかったため、干潟調査で採集したクサフグにウオノエ類が寄生しているのを見つけたときには興奮したのを憶えています。

卒業研究や大学院の研究と並行して調べていくうちに、そのウオノエ類がフグノクチヤドリであること、クサフグが本種の新宿主に当たること、宮城県からの採集記録は本種の新産地記録であり北限記録の更新になることが分かり、論文執筆に着手しました。

その後、追加個体が相次いで得られたことで、新宿主や新産地の報告にとどまらず、形態の種内変異や成長段階に伴う形態変化についても議論することができました。その結果、当初予定していたよりも内容を充実させた形で論文化することができました。

フグノクチヤドリの初めての発見から投稿までに2年間温めた論文です。ぜひご一読いただけると嬉しいです。

日本生態学会東北地区大会で
優秀賞を受賞したときの様子

「行動観察による海産等脚類の球体化の
捕食回避機能および乾燥耐性機能の評価」 

 

石巻専修大学・生物科学科では、フィールド調査を行っている研究室が多くあります。今後も、本学だからこその「偶然の発見」を期待しています。

 


生物科学科をもっと知る

  • 海洋ベントス学研究室(阿部博和准教授)  HP   X  Instagram

 

 

【関連ブログ記事】 

#学生の声 #大学院

#海洋ベントス学研究室 #海洋生物・環境コース 

          

2026年8月31日月曜日

8月の生物科学科|オープンキャンパス・石巻化石トラベラー・微生物研究者の推し活

生物科学科ブログでは、学生・教員の様子から授業・研究の内容まで、学部と大学院の日常風景をお伝えしています。ブックマークよろしくお願いします。 

8月は、オープンキャンパスの様子や、石巻化石トラベラー・日本微生物資源学会の公開シンポジウム(研究者の推し活)などイベント関係の記事をアップしました。

 

 


「ホネからみる石巻の動物」
動物生態学研究室インスタより

「えびかにメカニズム」と「めざせ!ベントスマスター!」
ベントス研Xより






   記事をまとめたページはこちら(タグごと、月ごとで記事をピックアップしています。月ごとの一覧は #記事まとめ) 

  

 




大学ホームページ記事からのピックアップ


  • 【学生生活】「第103回石巻川開き祭り」に参加しました 4年連続で参加という、生物科学科4年の柳川さん、猪狩さんのコメントも掲載「沿道の方々から温かい声援を受けながら最後まで踊り切ったことが、大学生活の中で最も印象に残っています。新入生や在学生の皆さんにも、ぜひ参加してほしいと思います。」

生物科学科1年生の女子8名のチームが
孫兵衛船競漕に初挑戦!

河北新報にも取り上げられました


阿部学長
学科教員も参加して、お祭りを盛り上げました

 


 

  • 【生物科学科】潜水調査実習を実施(3年次) 座学とプール実習を経て、いよいよ実際に海に潜っての実習。金子恵太朗さん「海の怖さや自然環境の厳しさを体験できたことは大きな学びとなりました」

 

高校生が大学の授業を体験
「体験を通して自分の将来や興味について
考えるきっかけになった」

 

 

以下、プロジェクトの紹介記事です
画像を開いてご覧ください
 

 

低利用魚

 

ニホンジカ

 

ニホンウナギ 

 

 水産業DX

 

 遺伝学実験