2026年10月15日木曜日

教員採用試験に5名が合格!「ずっと夢だった教員に」合格者の声をお届けします

 

2026年度の教員採用試験で、石巻専修大学・生物科学科から中学校理科に5名が合格しました! 

合格者の内訳は、宮城県1名、山形県3名、青森県1名です。このうち1名は本学科の卒業生で、現在は教員免許取得のため科目等履修生として学んでいる学生です。

 

生物科学科では自主ゼミ「教職セミナー」を中心に、理科の勉強から面接対策まで、4年間を通して理科教員を目指す学生を支援しています。  

今回は、合格した5名に、試験対策や後輩へのメッセージ、これから目指す教員像について聞きました。 

 

 

生物科学科の教員採用試験合格実績


宮城県中学理科:過去5年間で9名中8名が合格

過去5年間のうち4回、合格率100%を達成しています。県全体の中学理科の合格率は年度によって変動しますが、おおむね7割程度。今年度は約4割と低めでした。

 

山形県中学理科:合格者の5人に1人が本学の学生

山形県中学理科の全体の合格者は15名。そのうち3名が石巻専修大学の学生でした。つまり、合格者の5人に1人が本学の学生という結果です。

 

過去5年間の合格者数:2名 → 2名 → 1名 → 6名 → 5名

生物科学科からの教員採用試験の合格者数は近年増加しており、直近2年間は5名以上が合格しています。



合格者に聞きました!


服部 陽菜 さん(宮城県・中学理科)

理科の面白さや魅力を伝えられる教員に

これまでの努力が実を結び、一発で合格できたこと、とても嬉しく、ほっとしました。それと同時に、ずっと夢だった教員になれると思うと、責任感や頑張りたいという気持ちがより一層強くなりました。

小学校での特別授業をサポート

対策について 授業も詰まっている中、1年生から対策をするのは難しいと思いますが、少しでも経験を積もうとイベントやボランティアには多く参加し、面接時の武器にしました。

1次対策では、過去問10年分を説明できるまで完璧にし、苦手分野を片っ端から潰しました。2次対策では、さまざまな先生方と、とにかくたくさん練習を重ねた点が良かったと思います。

後輩の皆さんへ 早い段階から少しずつ準備を進めることで、直前で焦ることなく、自信につながります。1人では続かないので、同じ目標の仲間と一緒に取り組むことをおすすめします。

また、勉強だけでなく、多くの経験がすべて自分の力になるので、広い視野を持ち、今しかできない色々なことに挑戦してほしいです。

今後の抱負 私は今回の採用試験に合格しましたが、大学院に進学するため現場に出るのはまだ先になります。それまでの期間でよりたくさんのことを学び、人間的にも成長して、生徒に理科の面白さや魅力を伝えられる教員になりたいです。

生徒と一緒に自分自身も学び続ける教員を目指して頑張ります。

海洋ベントス学研究室での北海道調査
ベントス研Xより

 

 

伊藤 怜 さん(山形県・中学理科)

積み上げてきた努力は結果につながる

大学での勉強と教員採用試験の対策を両立することは大変でしたが、諦めずに努力を続けてきて本当に良かったです。先生方や家族、共に挑戦する友人にも支えられながら、試験合格という目標を達成でき、嬉しく思います。

対策について 1次対策は、単語帳アプリでの習慣的な勉強や、問題集を一から解いて苦手分野を把握したことが効果的でした。

2次対策では、友人や先生に面接練習や論作文の添削をしてもらい、客観的に自分を見直せたことが良かったです。

また、ニュースや先生との雑談を通じた、教育のトレンドの把握や教育に対する考えの言語化は、2次対策だけでなくモチベーション維持にもつながりました。

後輩の皆さんへ 教育実習での生徒との関わりや、現役の先生方の姿から学んだことは、自分の経験や考えを自分の言葉で語る上で、大きな支えになると思います。

また、試験対策の成果をノートにまとめて努力を見える化することは、対策を続ける上での安心材料になりました。

不安になることもあると思いますが、積み上げてきた努力は結果につながります。最後まで頑張ってください。応援しています。

今後の抱負 大学で理科の幅広い分野を学んだ経験を生かし、生徒一人ひとりの興味や好奇心に応じて指導を工夫できる教師を目指します。

ICTの具体的な活用方法といった実践的な能力を身につけつつ、理科の知識をアップデートし続けて、教育現場でも誠実に学び続ける教師になれるよう準備していきます。

植物発生遺伝学研究室で日々研究

 

 

加藤 乃愛 さん(山形県・中学理科)

先生や教員志望の仲間たちと協力

無事合格することができ、非常に嬉しく、安心しました。書類が家に届くまでは信じられず、インターネットの合格者一覧で自分の受験番号を何度も確認してしまいました。

一方で、春から教員になるという実感も湧いてきており、教員生活への不安や期待も感じています。

微生物資源学研究室にて(右が加藤さん)

対策について 教職セミナーにきちんと参加し、自己分析をしっかり行いました。地学の勉強会や直前対策のセミナー、人間学部での対策にも、ほぼ毎回参加しました。

参加することで知識や経験が身につくことはもちろん、努力している人たちと関わることで、自分ももっと頑張らないといけないという焦りや、良い刺激を受けることができました。

私は教員採用試験の勉強を始めるのが遅かったのですが、自身の苦手分野や、理解したつもりになっていないかなどの自己分析を行ったことで、効率的に勉強出来たと感じています。

後輩の皆さんへ 人間学部での対策も含め、教職セミナーや教育関係のボランティア参加することをおすすめします。

自分で勉強するだけでは知らなかった知識や、役に立つアドバイスをたくさん頂けます。また、嫌でも教員採用試験のことを意識するので、モチベーションの維持にもつながりました。

私が教員採用試験に合格できたのは、一緒に頑張って努力した友人たちがいたからだと思っています。一人で頑張りすぎず、先生や教員志望の仲間たちと協力したり、情報交換をしながら頑張ってください。

今後の抱負 私は理科が大好きで、理科の好きな生徒を増やしたいと考えています。

残りの大学生活はもちろん、これからも私自身が学び続け、生徒たちに理科の面白さを伝えられる教師になりたいと思っています。

サークルでライブ活動も

 

 

毛内 友哉 さん(青森県・中学理科)

早めに、地道にやることが大切 

合格が決まるまでハラハラドキドキだったのですが、合格という形で努力が報われたので安心しました。

教員採用試験に向け、さまざまな方にお世話になりました。面接練習を行ってくれた先生方や友達はもちろんのこと、アルバイト先や教育実習先の先生方、家族などに支えられ合格できたと思っています。良い報告ができることを、心から嬉しく思います。

高校生に研究内容を紹介(触媒化学研究室)

対策について 1次試験対策では、細かなところの勉強は最低限にし、どの分野が出ても対応できるよう大枠を理解することに注力しました。

2次試験対策では、とにかく数をこなすようにしました。その際に意識したのは、話すスピードや姿勢です。面接では、相手が何を感じ、何を思ったかを先生方に聞くようにしていました。

後輩の皆さんへ 1次試験対策も2次試験対策も、早めに動き出すことが大切だと思います。

1次試験は暗記が多いため、地道にやることが大切だと思います。2次試験では、さまざまな活動をしてみて、多くの経験をしてみることが要になるのかなと思います。

毎日やるのは大変だと思いますし、4年生になってから急いで暗記するのはもっと大変です。日頃から、1日数分からだけでも良いので、対策を行っていくことが大切だと思います。

今後の抱負 合格してゴール!ではありません。卒業するまでの数ヶ月を大切にして、教員に向けての知識、態度、経験などを養っていきたいと思っています。そして、自分が理想としている教員像になれるよう頑張りたいと思います。

2年次の模擬授業の練習



平田 智士 さん(山形県・中学理科)

大学卒業後に「教員になりたい」と科目等履修生に

私は2次試験の面接と作文に苦手意識があり、本番でもあまり手応えを感じることができなかったため、合格を知ったときは驚きました。

それと同時に、これまで取り組んできたことが結果につながり、安心したという気持ちが大きかったです。

 

対策について 1次試験では、人間学部の先生方が開いてくださった対策講座に参加したことが大きかったです。それまで専門科目ばかりを勉強していましたが、講座を通して一般教養にも意識を向けることができ、得点できる分野を増やすことにつながりました。

2次試験では、それまで1次試験の対策が中心だったため、本格的な対策を始めた時期は1次試験の後でした。特に作文は、どこから手を付ければよいのか分かりませんでした。

そこで、まずは自分なりの文章の型を作ることから始めました。型を決めてから書くことで、それまでよりも文章にまとまりを持たせやすくなり、少しずつ作文に取り組めるようになりました。

後輩の皆さんへ 私は大学卒業後に教員になりたいと思い立ち、教員免許取得に足りない単位を取得するため科目等履修生という制度を活用して大学の授業を受けています。

現役の学生さんと一緒に勉強し、対策講座にも参加することができ大変恵まれていると感じています。一人で黙々と勉強することも良いですが、時には複数人での勉強も刺激になると感じました。

今後の抱負 来年度から教員として働くことに不安もありますが、教育実習では、生徒一人一人の様子を見ながら関わり方や授業を考えていくことの大切さを学びました。その経験を忘れず、生徒と向き合いながら、自分にできることを一つずつ増やしていきたいです。

また、科目等履修生は教員免許状の申請手続きを自分で行う必要があります。まずは必要な手続きを確実に進め、教員としてのスタートに向けて準備していきたいと思います。

学習支援「寺子屋」では
学生一人ひとりに合わせて対応

 

 

卒業生も後輩たちを祝福! 広がる理科教員の輪 

10月5日、本学で「教材生物ワークショップ」が開催されました。当日は、本学科の卒業生で、古川学園で理科を教えている北舘さんも参加していました(北舘さんの卒業時のインタビューはこちら)。

「私には教員(かディズニーランドのキャスト)しかない」と話す北舘さん。中学校と高校の両方で、生徒を楽しませる理科の授業を実践しているようです。教員になってからは、教務など、生徒と直接関わらない仕事もあることにギャップを感じたようですが、卒業研究での経験が仕事に大いに活きていると語ってくれました。

後輩に向けて「生物科学科の魅力は、基礎から応用まで丁寧な指導があることです。サポートが充実しているので、勉強が苦手な人でも、あきらめなければ夢は叶います!」とメッセージを頂きました。

石巻専修大学・生物科学科で学び、理科教員として活躍する卒業生の輪が広がっていることを実感しました。 

北舘さん(中央)と談笑




教員採用試験に向けた4年間(例)

生物科学科では、自主ゼミ「教職セミナー」を中心に、4年間を通して理科教員を目指す学生を支援しています。

4年次:直前対策:理科の勉強会、面接・集団討議の練習ほか(自主ゼミ)、人間学部での対策 

児童生徒との交流も:算数トライアスロン など

1年次から理科の基礎を学び、実験・実習をとおして科学的に考える力を身に付けます。

さらに、模擬授業や教育実践、面接、集団討議など、教員採用試験を意識した学びへとつなげていきます。

 

生物を専門的に学びながら、化学・物理・地学など幅広い理科を学ぶことができるのも、生物科学科の特徴です。

同じ志を持つ仲間と一緒に、理科の面白さを伝える先生を目指してみませんか?

 

 

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#教員採用試験

#自然科学コース #学生の声

    

2026年10月13日火曜日

震災後に形成された「イトヨの交雑集団」を約10年間ゲノム追跡 国際誌『Nature Ecology & Evolution』に掲載

撮影:秦康之氏
 

東日本大震災の津波によって生じた新たな水域でイトヨとニホンイトヨの交雑集団が形成されました。

久米学准教授(魚類生態学)は、国立遺伝学研究所の細木拓也博士(現 北海道大学特任助教)、北野潤教授を中心とした、北海道大学、岐阜協立大学、京都大学、名古屋大学、慶應義塾大学、東京大学、東京海洋大学などからなるチームで共同研究。

約10年にわたるゲノム追跡によって、異種ゲノムが排除される過程を捉えました。その成果が9月25日、 国際誌『Nature Ecology & Evolution』に掲載されました。

 

  • 著者:Hosoki, T. K., S. Mori, K. Kagawa, S. Nishida, M. Kume, A. J. Nagano, H. Kanbe, R. Kakioka, K. Nakamoto, Y. Iino, M. Kodama, S. Oba, T. Seong, N. Kabeya, A. Ishikawa, K. Yoshida, Y. Y. Yamasaki, and J. Kitano 

津波により、淡水性魚類のイトヨと
海洋性魚類のニホンイトヨが町の中心部へ
(イラスト:きのしたちひろ)
 

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う大津波により、岩手県大槌町は甚大な被害を受けました。

それにより、町の市街地にはこれまでになかった新規の水域が現れ、そこに流れ着いた淡水性イトヨとニホンイトヨが交雑集団を形成しました(Kume et al. 2018 Scientific Reports 8: 1684)。

10 mを超える津波に襲われた岩手県大槌町

震災により街中にできた水域での調査


本研究では、震災前から震災後約10年の標本からゲノムデータを解析し、たったの10年の間に交雑集団のゲノムからニホンイトヨのゲノムが排除され、淡水性イトヨのゲノムが維持されたことを明らかにしました。

この発見は、種の維持機構の解明に重要な示唆を与えるものです。

イトヨとニホンイトヨの雑種


詳しくは国立遺伝学研究所のプレスリリースをご覧ください。

 

久米准教授のコメント

私たちの研究チームは、震災当初から大槌町を訪れて「震災が生物や生態系に与える影響」を調べてきました。その集大成とも言える成果を公表できたことを嬉しく思います。
復興の過程を見てきたこともあってか、いつしか思い入れの強い街となった大槌町に少しは貢献できたのかな、と思うと感慨深いものがあります。今後も継続的に調査をし、成果を出すことで大槌町に貢献していきたいです。



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#魚類生態学研究室 #海洋生物・環境コース

 

 

2026年10月9日金曜日

【3年次・動物学実習】組織を厚さ3 μmに 組織標本作製からRNA抽出までを体験

 

7月21日(火)、22日(水)の2日間、奈良英利教授(動物機能組織学)の担当で「動物学実習〜組織学〜」が実施されました。

今回の実習では、組織標本の作製からRNA抽出まで、実際に手を動かしながら基礎技術を体験しました。 

1日目の組織標本作製、2日目のRNA抽出の様子と、参加した学生の声をお届けします。 

 


1日目 組織標本作製実習

動物組織の標本作製は「切り出し→固定→脱水→包埋→薄切→染色」 という手順で行われます。

今回の実習では、組織を包埋してあるパラフィン(ロウのような物質)のブロックから、厚さ3 μmに切り出しプレパラートに貼り付ける実験と、既に貼り付けてある組織片に染色液で色をつける染色実験が行われました。



ニホンジカの骨格筋

最初にパラフィンを溶かす通称「脱パラ」という作業を行います。

キシレン、アルコールと順番に漬けていくことで、徐々にパラフィンが溶け、組織が水に馴染みやすくなります。染色液は水溶性ですので、この過程をいい加減にすると、染色液が組織の中に入っていきません。

 

「脱パラ」が終わったら染色です。

染色実験では、厚さ3μmに薄切されたニホンジカの筋肉組織が、あらかじめプレパラートに貼り付けてある状態からスタートしました。これはSAの大村 優翔くん(4年生)が準備してくれました。 

奈良研のスーパーエース
大村くんの日常の実験風景


今回は最も一般的な ヘマトキシリン-エオジン(H-E)染色を行いました。ヘマトキシリンで核を染色し、エオジンで細胞質を染めます。

しかし、それで終わりではありません。その後、脱水を行い、「透徹」という作業をします。これにより組織がよりクリアにはっきりと見えるようになります。もし、脱水がうまく行っていなければ透徹用のキシレンが白く濁り、最初からやり直しです。

 

そして最後に封入です。

ここまで頑張って作ったプレパラートを保護するためにカバーガラスを掛けて終了です。皆さん、せっかく染色したプレパラートですので、慎重に封入をしてくれました。観察は翌日です。

染色したプレパラートにカバーガラスをかけて封入する作業

田口育くん(左)、真剣そのもの
福田萌夏さん(右)の恐る恐るといった雰囲気
いいですねぇ〜 

はい、終了です
最初の無色透明のものと比べてみてください

 

染色では待ち時間が結構生じます。その間、同じ班の人に染色の作業は任せて「薄切」の体験です。

ミクロトームを軽やかに?
扱う及川美紀さんと見守る佐藤和歩さん

ミクロトームは数μm単位にスライスする機器
(いわば、超高精度なカンナ)

薄切なんて朝飯前の大村くん(右)に見られて(見つめられて)、
緊張気味に薄切を行う田口晃那さん(左から2番目)


この過程は完全手作業であり、いわゆる技術がものを言います。今どきのタッチパネルで自動的になどという甘い世界ではありません。みなさん四苦八苦しながらプレパラートを作ってくれました。

なお今日の染色実験のために大村くんはこれを40枚ほど準備してくれました。感謝です。



2日目 RNA抽出実習

昨今、なんでもキット化され、簡単な英語さえ読めれば(さらに日本語に訳してあれば)、動物の組織からRNAを取り出す作業は比較的簡単です(「如何に昨今のキットが優れているか」という意味)。ですが、それでは授業になりません。

 

今回はTrizolという試薬を使い、全てマニュアルで作業することに挑戦しました。

正確なピペット操作が求められ、さらに安全性を考慮に入れる必要があります。そうです、Trizolは劇物指定を受けた試薬です(さらに高価!)。この試薬をドバッと使えるのが少人数で実施する動物学実習の醍醐味です。皆が安全に実験できるよう厳重に注意を促した上、ゴム手袋を支給しました。

 

また今回は最後にRNAの純度を測定します。

RNA抽出は如何にピペットを上手に使えるかも重要になります。その結果、最終的に得られたものの純度が変わってきます。RNAの場合、吸光度(どれくらい光を吸収したか)の比率260/280が2.0前後なら純度は合格です。

次の行程を予習する?三宅穂波さん(手前)

通常キットを使ってRNA抽出を行っている
鈴木麻弥先生(右、宮城県食肉衛生検査所 所属)も
Trizol法を習得するために特別参加

 
レジュメを見ながら丁寧に作業をする橋本航くん


細かい過程は割愛しますが、最終的にみなさん吸光度260/280が1.9〜2.0の間となり、高純度のRNAを抽出することができました。

なお余談ですが、吸光度260/280の値が最も2.0に近かったのは、特別参加の鈴木麻弥先生でした。流石!



参加した学生の感想


青野夢生さん

一番難しかったのはミクロトームを使った切り出し(薄切)。先輩にコツを教えてもらっても中々うまく行かず、早くすると丸まってしまうし、ゆっくり過ぎると途中で刃が止まってしまうので、そのちょうど良い塩梅を見つけるのが難しかった。最終的にプレパラートに貼り付けられる1枚ができたのでよかった。

 

菅原実咲さん

組織標本の薄切は綺麗に薄く切るのは難しかったけど、うまく切れたので嬉しかった。RNAの抽出は純度が低く出たので(タンパク質やTrizol中のフェノールの混入が原因で起こる)、しっかり作業できるようになりたいと思った。



細胞生物学実習も実施!

3年次の動物学実習は、同じ日程で細胞生物学実習も行いました。ある物質が細胞や組織のどこに存在しているのかを可視化するために使われる「間接蛍光抗体法」を体験しました。

ゾウリムシの大核と小核が発光
 

野外実習も実施! 

7月30日には石巻市内の2カ所の森林での野外実習を実施しました。シカの生息密度の違いが森林に与える影響について理解することが目的です。

昨年度の様子 ↓↓↓


金華山のニホンジカ(撮影:高槻成紀氏)



生物科学科をもっと知る

生物科学科では、生き物を観察するだけでなく、組織・細胞・遺伝子などさまざまなレベルから生命現象を学びます。



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#実験・実習 #動物・植物コース 

 

2026年10月6日火曜日

磯の生き物を探せ! 3年生が「ベントスクエスト」に挑戦(海洋生物・環境科学実習)

 

7/11(土)の地曳網実習に続き、8/12(水)に「海洋生物・環境科学実習」の第2弾として、大室磯浜でベントス(底生生物)に関する実習を行いました。

実際にフィールドに出て、さまざまな生物とそれらが棲息する環境の特徴を実際に目で見て把握することで、海洋生態系に対する理解を深めることが目的です。

ただ観察するだけではなく、無脊椎動物学や海洋生態学などの講義で学んできた様々な知識を有機的に結びつけて、理解を深めます。

 

大室磯浜へ 

ベントス実習は、石巻市北上町十三浜にある大室漁港の外側に位置する磯場(通称:磯浜)で実施しました。

この日は台風が過ぎ去った直後で波の高い日でしたが、磯浜を囲う岩礁域が天然の防波堤としてはたらき、外洋からの波を和らげてくれました。


 

「ベントスクエスト」に挑戦! 

実習では、学生たちが4~5名に分かれて8つのパーティーを組み、FランクからSSSランクまでのミッションを順にクリアしていく「ベントスクエスト」を行いました。

 

ミッションは、特定のベントスの種類を見つけたり、紛らわしい種類を見分けたり、複数の動物門を探したり、同じグループに属する種を指定の数だけ見つけたりと、3年生にとってはどれもこれまでに経験したことの無いような内容でした。

お題のベントスがみつからず苦戦する学生たち

Eランククエストをコンプリート!
タマキビ、アラレタマキビ、クロタマキビ

磯のどこにいる? 

種類によって生き方や生活場所が当然違ってくるので、目的の生物を見つけるためには、どのような場所に生息しているのかを理解していく必要があります。

波打ち際を探したり…

海面よりもだいぶ高い位置を探したり…

4年生・大学院生がサポート 

3年生だけではクリアすることが難しいミッションは、各班を担当するSA(4年生)とTA(大学院生)の学生がヒントを出しながらサポートを行いました。

4年生の二階堂優和さん(手前の帽子の学生)は
昨年の本実習と1年間の研究室での学びの経験を活かして
立派にSAをこなしてくれました

大学院博士課程に在籍する
非常勤助手の小田晴翔さん(手前)は
本実習のTAは今回で4回目
完璧に仕事をこなしてくれました

みつけたベントスはバケツに入れてキープ

台風の後だったので
打ちあがったマボヤもみつかりました

飛沫帯の転石下深くに生息する巻貝類を探す3年生たち


SSランク・SSSランクのベントスを発見!

SSランクのオオウスイロヘソカドガイ
(手前の個体:宮城県レッドリストで準絶滅危惧)と
キントンイロカワザンショウ(奥の個体)を発見!
 
SSSランクのヤマトクビキレ
(宮城県レッドリストで絶滅危惧II類)も発見!
宮城県では希少な種ですが
生息場所が分かれば比較的容易に見つけられます

今回はほとんどのパーティーがSSSランクのクエストまでクリアしてくれました!

学生たちは磯場に生息する生物の多様性に興味津々で、クエストの対象となったベントス以外にもさまざまなベントスたちを観察してくれました。



磯にはこんなにたくさんの生物が!

学生たちが見つけたベントス 


節足動物門

アカイソガニ
ヒメアカイソガニ
ヒライソガニ
イソガニ
イワガニ
オオヨツハモガニ
シワオウギガニ
ホンヤドカリ
ケアシホンヤドカリ
ホシゾラホンヤドカリ
ケブカヒメヨコバサミ
イソカニダマシ
イワフジツボ
クロフジツボ
イソコツブムシ属の一種
ニセスナホリムシ
キタフナムシ
ヨコエビの仲間

ヒメアカイソガニ

軟体動物門
ヒザラガイ
ヒメケハダヒザラガイ
タマキビ
アラレタマキビ
クロタマキビ
イシダタミ
クビレクロヅケ
レイシガイ
イボニシ
アオモリムシロ
オハグロシャジク
マツバガイ

マツバガイ

ベッコウガサ
ヨメガカサ
コガモガイの仲間
アオガイ
クサイロアオガイ
キクノハナガイ
キントンイロカワザンショウ
オオウスイロヘソカドガイ
ヤマトクビキレ
ヒラスカシガイ
アメフラシ
アカザラガイ
イガイ
ムラサキインコガイ

環形動物門
イソゴカイ属の仲間
オイワケゴカイ

刺胞動物門
ヨロイイソギンチャク
ミドリイソギンチャク

棘皮動物門
イトマキヒトデ
ヒメヒトデ
バフンウニ
キタムラサキウニ
イシコ

イトマキヒトデ

ヒメヒトデ

外肛動物門
コケムシの仲間

海綿動物門
ダイダイイソカイメン

尾索動物門

マボヤ

脊椎動物門
ナベカ
アゴハゼ

ダイダイイソカイメン



実習での気付き 学生コメントより
採集クエストを実際に行ってみると、比較的小さな範囲であっても、さまざまな種類の生物が生息していることに気づきました。
普段は何気なく見ている場所でも、注意深く観察することで多くの生物を発見することができ、身近な環境にも多様な生物が存在していることを実感しました。


今回の実習を通して最も印象に残ったことは、一見すると何もいないように見える磯にも、実際に詳しく探してみると非常に多くの生物が生息していたことである。
実習前は、磯で見つけられる生物としてカニや大きな巻貝などをイメージしていた。しかし、岩の表面や隙間、転石の下などを注意深く観察すると、小型の巻貝やヒザラガイなど、普段は気づかないような生物を数多く確認することができた。


同じ磯の中でも生息場所が少し変わるだけで確認できる生物が変化したことから、生物の分布には水分、波、乾燥、岩の形状など複数の環境要因が関係していると考えた。特に転石の下には表面とは異なる生物が見られたため、小さな環境の違いが生物多様性を生み出していることを実感した。
特に印象に残ったのは、外見が似ている生物でも、細かく観察すると異なる特徴を持っていたことである。
例えば巻貝類では、殻の形だけでなく、殻表面の模様、色、殻の高さなどに違いが見られた。単に「巻貝」として見るのではなく、形態的な特徴を比較することが種を判別するうえで重要だと感じた。
今回の採集を通して、ベントスを発見するためには、生物そのものの特徴を知るだけでなく、「その生物がどのような場所を好むのか」を考えながら探すことが重要だと学んだ。
クエスト形式で採集することで、普段なら見落としてしまうような小型の生物にも注意を向けることができ、磯には想像していた以上に多くの生物が生息していることを実感した。
今回の実習によって、ベントスの種類を覚えるだけではなく、生物の形態、生息場所、生活様式を関連付けて観察することの重要性を学んだ。
今後、生物を観察するときには、単に種類を確認するだけでなく、「なぜこの場所にいるのか」「その体の特徴が環境の中でどのような役割を持つのか」という視点を持って観察したい。
  

 

3年生は後期からいよいよ研究室配属(研究室一覧)。

実習で学んだ自然の見方・考え方を、卒業研究にもぜひ活かしてもらえればと思います。

 

 

次は伊豆沼へ! 

9/26(土)には、海洋生物・環境科学実習の第3弾(湖沼編)「伊豆沼の生物資源保全に関わる野外実習」が行われましhttps://isu-bi-blog.blogspot.com/2026/10/33-mrna.html海洋生物・環境科学実習」は「海洋生物学実習」と「環境科学実習」に分かれています。

過去の様子はこちら!


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