採択率19.8%という狭き門を突破
海洋ベントス学研究室に所属する大学院博士後期課程1年(D1)の小田 晴翔さんの研究課題が、「2026年度笹川科学研究助成 学術研究部門」に採択されました。
研究対象は、大学周辺に数多く生息するクロベンケイガニ。今回は、学部時代から続く研究内容と、小田さんのコメントを紹介します。
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| 研究課題は「新仮説×進化説 ―巣穴から考える半陸生イワガニ類の性的二型の進化―」 |
小田さんは2024年度にも同研究助成に採択された経験があり、助成対象者として選ばれるのは2度目となります。1度目の採択の記事はこちら
※笹川科学研究助成は、若手の研究を支援するために公益財団法人日本科学協会が実施している研究助成制度
学部から一貫してクロベンケイガニを研究
半陸生のカニ類は、水中から陸へと進出し、干潮時の干潟や河口域などの水辺付近など陸上において活動するカニ類の総称で、スナガ二類(スナガニ上科)とイワガニ類(イワガニ上科)に代表されます。
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| スナガニ上科(ハクセンシオマネキ) |
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| イワガニ上科(ハマガニ) |
石巻専修大学のキャンパス周辺に数多く生息しているクロベンケイガニは、半陸生のイワガニ類の仲間で、小田さんは卒業研究から一貫してクロベンケイガニの研究に取り組んでいました。
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| クロベンケイガニを採集する小田さん |
「脚タップ」から「巣穴」へ
前回の助成対象課題「すね毛×脚タップ=クロベンケイガニ:形態から考える社会行動の進化」では、半陸生のカニ類の中でもクロベンケイガニで極端に発達している歩脚の剛毛(すね毛)に疑問を持ち、クロベンケイガニで頻繁に行われることが報告されているleg-tapping(脚タップ)という社会行動との関連性について検討を進めました。
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| クロベンケイガニの「すね毛」 |
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| 脚タップ行動 |
今回の研究課題では、以前の研究課題の過程で得られた「半陸生のイワガニ類でみられる性的二型が従来の性淘汰の理論では説明できない」というアイデアをもとに、自身の観察結果から性的二型の進化を駆動した要因として「巣穴」に着目した研究へと発展させました。
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| クロベンケイガニの巣穴 |
小田晴翔さんのコメント
この度、クロベンケイガニの巣穴と性的二型の進化に関する研究内容で、2度目となる笹川科学研究助成に採択していただきました。
性的二型の進化は、主に性選択(配偶者を巡るあらゆる競争に作用する選択圧)によって駆動されるとされており、従来の定説では、求愛行動などの繁殖に関わる社会行動に選択圧が「直接」作用することで性的二型の進化が駆動されるとされてきました。
今回採択された研究課題では、クロベンケイガニの雄が“雌にモテる“巣穴を形成することで、その巣穴を介して「間接的」に選択圧が作用するという、新たな性選択モデルの提唱を目指しています。
前回採択された研究の結果から新たに着想を得て、さらに発展させた内容となっています。チャレンジングな研究内容で、取り組むべき実験も多い研究計画ですが、良い成果を挙げられるよう精進していきたいと思います!
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| 巣穴実験中の小田さん |
石巻専修大学は、海・川・山などの身近なフィールドを活用した研究活動が数多く行われています。
地方の大学ではありますが、世界にチャレンジする環境があります。在学生の皆さん、そして未来の仲間となる高校生の皆さんの挑戦を期待しています。
【リンク】
- 2026年度笹川科学研究助成(学術研究部門)助成者研究一覧 申請件数は全体で1,448件、採択率は19.8%
- 海洋ベントス学研究室(阿部博和准教授) HP X Instagram
- 海洋生物・環境コースの紹介はこちら 「プランクトンから深海魚まで、海の生き物の生態や生息環境について学ぶ」
【関連ブログ記事】
小田さんは学部時代から学会発表をしたり、海外でも発表を行うなど、精力的に研究活動を行っています。今年度は本学の非常勤助手も務めています。

























