2023年5月10日水曜日

宮城県内初記録の二枚貝、骨格標本の教育への応用ほか 研究紀要が発行されました


石巻専修大学研究紀要の第34号が発行されました。紀要は本学の研究成果を集録した論文集で、年1回発行されています。

宮城県内初記録となる二枚貝(薬指あたりの小さな貝)

 

1年次の実習で発見された二枚貝が宮城県内初記録となるものだったという報告や、

ロードキル研究から得られた骨格標本の生物学教育への応用についての論文などが掲載されています。




ピックアップ1 スジホシムシモドキ共生性二枚貝スジホシムシモドキヤドリガイの宮城県と青森県における記録

阿部博和准教授・小林元樹研究員らによる報告。#海洋ベントス学研究室

 

1年次の野外生物実習で小田中健流君が小さな二枚貝を発見。絶滅危惧種であるスジホシムシモドキと共に、結果的に宮城県内初記録となるスジホシムシモドキヤドリガイを発見しました。

その実習の様子はブログでも紹介(動画もあります)

スジホシムシモドキとその体表に付着する
スジホシムシモドキヤドリガイ(宮城県内初記録)

渡波海岸での海洋生物実習



ピックアップ2 動物の交通事故死体から作製した骨格標本を用いた生物学教育

辻准教授らによる論文。#動物生態学研究室 

 

研究室の主要なテーマとして「野生動物のロードキルの現状把握と削減への提言」があります。卒業生である高橋夢湖さん、鈴木風磨さんは石巻市内のロードキルの現状について分析を行いました。

そこで得られた死体の一部を学生有志で骨格標本にしました。大学祭で地域の方に公開したり、2年生・3年生の実験では教材として活用されています。大学祭の様子はこちら

作製の様子などは #骨格標本 で公開中。今年も1年生が参加して作製しているようです。

骨格標本のスケッチを行う様子(論文の一部)
形態的な違いを考察することなどに利用しています

標本展示室(学内コンビニ横)で
間近に見ることができます



地域に根ざして、世界に尖った大学へ 


地域連携プロジェクトのページ が公開されました

大学ホームページより

辻研の伊藤凛さんがインタビューに答えています
『子どもたちに「動物について学ぶ楽しさを伝えたい」』

インタビュー内にある 田代島での実習の様子はこちら



紀要に掲載されている、学科教員による論文は以下の通り。

紀要は大学図書館のページで公開中(第34号をご覧下さい)

 

  • 乳酸菌の生菌および加熱死菌の経口投与が魚類の生体防御活性に及ぼす影響(角田出・舘野僚・高瀬清美)
  • 北極海沿岸域に生息する有殻翼足類 Limacina helicina の生活環(佐々木洋・秋葉文弘)
  • 金華山沖合域で漁獲された深海魚の筋肉と肝臓の脂肪酸について(鈴木英勝)
  • 動物の交通事故死体から作製した骨格標本を用いた生物学教育(辻大和・高橋夢湖・鈴木風磨)
  • スジホシムシモドキ共生性二枚貝スジホシムシモドキヤドリガイの宮城県と青森県における記録(阿部博和・小林元樹・小田中健流・太田尚志・後藤龍太郎・美濃川拓哉・鷲尾正彦・阿部広和・福森啓晶)

 

 

【関連ブログ記事】