2023年12月29日金曜日

12月の記事まとめ

海洋生物ラボの水槽(12月27日撮影)



   記事をまとめたページはこちら(タグごと、月ごとで記事をピックアップしています)




キャンパスの空撮動画が公開されました!

大学の近くには山・川・海があり、生物科学の学びに最適なフィールドが広がっています。自然に囲まれた広大なキャンパスをご覧下さい。

撮影・編集は、経営学部・情報マネジメント学科の三橋助教



大学ホームページ記事からのピックアップ 

 

生物科学科からは
阿部さん、上村さんの2名が合格(中学校理科)
 

 

本学卒業生の大谷氏による講演(大学HPより)
水族館への就職を希望する学生へのアドバイスも

 

 

CMで使われたイラスト(大学HPより)
SDGsのロゴから着想を得たとのこと

 

2023年12月27日水曜日

【日本生態学会東北地区大会】ベントス研3年生の学会参加レポート

 

海洋ベントス学研究室3年の遠藤祐人、佐藤雅恵、鈴木優香です(写真の右3人が3年生で、左の5人が4年生)。

私たちは、11月11日~12日に福島大学で開催された日本生態学会東北地区大会 第68回大会(福島大会)に参加してきました。

 

福島大学に到着すると
キャンパスマップに会場の案内が出ていました

 

日本生態学会とは?

日本生態学会は、生態学とその関連分野を研究する人達のコミュニティーで、研究成果の発信、会員の交流を通じて生態学を深化・発展させること、またその成果を社会に還元することを目的とした学会です。

北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州の7地区に分けられ、各地区に地区会が設けられています。今回は地区会の主要な活動である、研究発表会に参加しました。


東北地区大会のホームページはこちら



初めての学会参加で少し緊張

今回初めての学会参加だったので、学会の雰囲気など想像もつかず、会場に着いてからも少し緊張していましたが、目を引く様々な分野のポスター発表や他大学の学生の発表を聴いているうちに、自然と楽しさがこみ上げ、緊張も和らいできました。

会場で着席し、緊張気味の3年生

 

他の研究者の方々と交流し、様々なことを学びました

学会では、海や川、山に生息する動植物について、生態学や行動学など様々な研究分野からアプローチした研究発表があり、他分野の知識を身につけるとともに研究の視野を広げる良い機会となりました。

発表を聴く中で、研究テーマを考えるにあたって参考になる研究デザインの考え方があることや、分野を超えた共通の研究手法があることに気づき、卒業研究に向けた知識を多く身につけることができました。

研究内容だけではなく、発表時の発声や目線によって印象が変わることや、様々なスライドの作り方があることとその完成度の高さを実感し、人に伝えるための良い発表とはどのようなものか学ぶことができました。

 阿部博和先生のベントス研ツイッターでも当日の様子が紹介されています。

 

4年生のポスター掲示の手伝いをしました
 

今回の学会では、私たち3年生は発表を行いませんでしたが、他大学の学生の発表者の方々と意識的に交流するようにしたことで、意見交換をして知見を深めたり、研究の面白い裏話を聴けたりしました。

初めての学会でしたが、参加者の方との交流という学会の楽しさを体験でき、これから始まる卒業研究に対するモチベーションがとても上がりました。

 

 

石巻専修大学からは、ベントス研4年生の先輩4名が発表

大山 雄太郎
センサーカメラで捉える!ニホンザルの海岸利用

小柳津 政俊
東北地方太平洋沿岸におけるミミズハゼ属魚類の生息状況

小田 晴翔
すね毛×脚タップ=クロベンケイガニ:
形態と生態をつなげたい

大見川 遥
海のダンゴムシはなぜ丸くなるのか?
~コツブムシ類の球体化による捕食回避機能の検証~


おわりに

生き生きと発表をする先輩方の姿を見て、私たちも来年は発表者として参加し、研究内容や発表技術を磨きたいと思いました。

3年生で学会に参加するのはまだ早いのではないかと思う方もいると思いますが、学会は様々な研究者の方から直接知識を教わることができる貴重な場なので、他の学生にもぜひ早い段階から参加してみてほしいと思います。 

 



【関連ブログ記事】

#海洋ベントス学研究室 #海洋生物・環境コース

#学生の声 #在学生

 

2023年12月14日木曜日

4年生へのインタビュー 地域の課題に取り組む「動物生態学研究室」

 

大学ホームページにて、4年生の富山愛加さんと伊藤凛さんへのインタビューが公開されています。

ふたりは動物生態学研究室(辻准教授) に所属。卒業研究では、地域が抱える問題の解決に向けて日々取り組んでいます。

調査中の伊藤さん
 

インタビューは卒業研究の具体的な内容にはじまり、入学したきっかけや将来の目標についても答えています。

大学の好きなところとして、「先生との距離が近く相談しやすい」「たくさん経験ができる」といった回答も。ぜひご覧ください。



  富山愛加さん(宮城県出身)
テレビ番組の取材にも協力


 


 

 

【関連ブログ記事】#学生の声(学生インタビューからピックアップ)



2023年12月7日木曜日

「私たちの暮らす街の動物について知ろう -石巻の野生動物-」環境市民公開講座 in 環境フェア2023

 

「環境フェア2023」(主催:石巻市、11月3日)環境市民公開講座で、動物生態学研究室の辻先生が野生動物の生態や自然との共生について講演しました。


「私たちの暮らす街の動物について知ろう −石巻の野生動物−」

内容は、石巻市街地でのニホンザルの出没や、全国的な問題になっているクマの被害などのホットな話題から、シカ増加に伴う農林業の被害や交通事故について。

辻先生が20年以上続けている金華山のニホンザルの食性研究やシカなどの生物との共生関係、大学演習林に棲息する多彩な動物など、宮城の県北地域唯一の大学である石巻専修大で動物の生態調査研究をする意義が伝わってくる講演でした。


パネルディスカッションで意見交換

続くパネルディスカッションでは、野生動物に優しい街づくりについて参加者と意見交換が行われました。

会場のマルホンまきあーとテラスのすぐ近くにある大学の演習林にはカモシカもニホンジカもいるという話から、カモシカのように枝分かれしないツノはhornで、ニホンジカのように枝分かれするツノはantlerと呼び分けるといった豆知識に、会場が「へぇーーー」の嵐となりました。

楽しくて為になるお話がぽんぽん出てくる中、人にも動物にもそれぞれの立場がある中でどのように共生していくか、動物側にも人側にも立たない客観的な姿勢でコメントをする辻先生に研究者としての矜持が感じられました。

会場は「まきあーとテラス」


大学のブースで骨格標本を展示

また、環境フェアでは大学のブースとして、生物科学科の学生が製作したロードキルのシカの全身骨格標本の展示も行われました

標本を作成した学生の説明を熱心に聞く人も多く、骨になったシカも人と動物の共生について考えるきっかけの一助になれば少しは報われる?と思う一幕でした。


【関連ブログ記事】

#動物生態学研究室 #動物・植物コース


【大学ホームページ関連記事】

 

2023年11月30日木曜日

11月の記事まとめ

船に乗って海洋観測(3年次海洋生物学実習)


   記事をまとめたページはこちら(タグごと、月ごとで記事をピックアップしています)




大学ホームページ記事からのピックアップ

深海を体験!
大学HPより

中央が太田教授(海洋浮遊生物学)
大学HPより

 

 

2023年11月29日水曜日

【2年次・自然科学基礎演習】学生が先生役となって模擬授業 伝える力を身につける

学校での授業さながらに、
中学理科の内容を正しく分かりやすく伝える
 

どんな職業に就いても必ず必要となるのが「伝える力」

たとえば、せっかく良い商品があっても、その良さを伝えなければ売り上げにつながりません。メールでも会議でもどんな場面でも、伝える力の重要性は高まっているように思います。


生物科学科には2年次に、主にプレゼンテーションについて実践しながら学ぶ「基礎演習」という科目があります。令和4年度からスタートしたカリキュラムでの新しい科目で、今年が初実施です。

3年次のバイオサイエンスコミュニケーション、そして4年次の卒業研究につながる科目です。

 

 

中学校の教科書が題材
 

今回は、自然科学コースの「自然科学基礎演習」の様子を紹介

基礎演習は4つのコース別々で実施しています(少人数教育)。

自然科学コースでは、中学理科(と中学数学)の内容についての「模擬授業」を行うことにしました。いきなり授業は少しハードルが高いので、「例題を説明して、問題を解いてもらって解説」を基本スタイルとしました。

教員志望の学生が比較的多いコースですので、授業方法を考えるきっかけにもなると思います。

 



まずは班での発表  発表準備が3~4コマ分

自然科学コースの2年生は15名で、4つの班に分かれて準備をしました。各班に教員もひとりついて、アドバイスをします。(班発表が終わると、全員実施の個人発表に移ります。)

意見をまとめるのは大変ですね

 

班全体で良い発表をするための話し合い

何を伝えたいのか、全体のストーリーはどうするのか、どんな問題を出すのか、パワポを使うのか板書にするのか、配布資料はどうするのか、などなど考えるべきことは山盛りです。

「そもそも雲ってどうやってできるんだっけ…」
「まずそれを聞いてみればいいんじゃない?」

教員からのアドバイスも参考にしつつも、
意見を出し合って、検討を重ねました
(グループディスカッションの練習)
 


 

 

いよいよ班発表の本番! 2コマ分

ひとつの班の発表時間は30分。1日で、ふたつの班が発表を行いました。


A班 日本の天気・天気の変化の予測

安部、小沼、佐藤、小林(担当教員:山崎)

「石巻の天気を予想してみましょう」
身近な題材を選ぶと、聞く人の興味を惹きますね

各班で問題を用意
解いてもらって解説するまでが発表です



B班 消化のしくみ

大杉、伊藤、小野寺、古川(担当教員:指方)

「まわりと相談してOK!考えてみよう」
雰囲気作りが自然とできていました



C班 物体の運動の速さの変化

須賀、今野、松木、葛西(担当教員:前田)

平均の速さ、瞬間の速さについて
(中学理科でも「微分の考え方」をやっているのですね)


D班 雲のでき方

佐々木、千葉、菊地(担当教員:渡辺)

「雲のでき方」ミニ実験 

ポンプを使ってペットボトル内の圧力を高めて…

 

それぞれの班に工夫が見られて、聞いていて楽しいものでした。 荒削りな?ところは、個人発表で改善していってほしいと思います。




聞き手(学生と教員)が評価して、コメントをフィードバック

聞く側もただ聞くだけではなく、発表者の評価をします。相手の良いところ、改善の余地があるところを考えることで、聞く側も成長できるでしょう。

良かった点や改善点をまとめて、発表者にフィードバックしました。

A3用紙いっぱいにコメントが






班での発表を、個人での発表に生かします

班発表が終わったら、次は個人戦(と言っても協力はします)。

選ばれたテーマを見てみると、植物の細胞、遺伝の規則性、水の分解、イオンと原子のなり立ち、電気の正体、月の満ち欠けなど、多岐に渡ります。今度は数学のテーマを選んだ学生も。

班発表での反省を生かして、相談しつつも個人個人で内容を吟味していきましょう。どのような授業が繰り広げられるのか楽しみです。




【関連ブログ記事】#自然科学コース

卒業研究ポスター発表会


2023年11月22日水曜日

宮嵜教授が執筆を担当した本が出版されました 世界最大のヒゲカビコレクション

 

宮嵜厚教授(菌類発生生理学)が分担執筆した本が出版されました。 

石巻専修大学の「ISUヒゲカビコレクション」についての記事です。※ ISU = Ishinomaki Senshu University

 


大熊盛也監修『微生物資源の整備と利活用の戦略』NTS

「石巻専修大学の接合菌類ヒゲカビのコレクション」

 

    

石巻専修大学(ISU)が保有する「ヒゲカビ」の株数は世界最大!

  • ISU(805株)
  • アメリカのATCC(73株、多くは変異株)
  • オランダのCBS(現・Westerridijk)(22株)
  • イギリスのIMI(現・CABI)(16株)
  • FGSG(10株)
  • ARS(NRRL)(7株)
  • ベルギーのBCCM/MUCL(7株)
  • 日本のNBRC(7株)
  • ドイツのDSMZ(5株)
  • 韓国のKACC(5株)
  • ニュージーランドのICMP(4株)

※ 本文より抜粋(令和5年3月現在) 

 

 

  宮嵜教授のコメント 

 

「微生物は生命科学の基礎研究とバイオテクノロジー分野を牽引する役割を果たしてきた」(発刊にあたってより)のですが、その微生物に関し、性質等の情報が充実しており容易に入手して利用できることは、研究の再現性、研究の進展にとって重要な要因です。そのためには正確に同定された微生物資源の保存・維持が必要です。

今回の出版は、微生物資源学会のメンバー、ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)の微生物資源領域に携わる総勢81名が細菌、古細菌から微細藻類、細胞性粘菌、ゾウリムシ、そして菌類(酵母、カビ、キノコ)まで、研究・収集・保存・分譲を手掛けるコレクションの特徴や課題・展望を俯瞰した総括本として価値のある一冊です。

 

私は、微生物資源学会のメンバーとして「石巻専修大学の接合菌類ヒゲカビのコレクション」を執筆しました。

ヒゲカビを教育・研究に活用しているのは日本において本学のみでユニークな存在です。

トヤケ森山に住むタヌキ糞から発生したヒゲカビ

 

コレクションのヒゲカビは、ファージの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞したマックス・デルブリュックが、研究人生の後期に着目し彼の元に集ったラボメンバー達と収集・作出(変異株)した系統群であり、伝統のあるコレクションです。

今後もヒゲカビの発生(形態形成や有性生殖)に関して、野生株と変異株を比較しながら教育・研究を進めていきます。

 
 
 

2023年11月15日水曜日

【画像25枚+動画】3年次の海洋生物学実習を行いました! 海洋環境観測からベントス調査まで

 

台風の影響で延期になっていた海洋生物学実習が9/21~9/23に行われました(もともとの予定は8/28~8/30でした)。

 

海洋環境観測と磯調査の基礎を修得するために、実際にフィールドに出ての調査です。

 

  • 1日目 乗船実習で使用する機材の説明(室内講義)
  • 2日目 プランクトン調査と海洋観測(乗船調査)
  • 3日目 岩礁・転石潮間帯のベントス調査と乗船調査のデータ解析


 


1 日 目  乗船実習で使用する機材の説明

1日目は、大学で海洋観測と磯調査の事前説明会。海洋観測で使用する機材に実際に触れてみて、構造と仕組みを学びました。

プランクトンネット、透明度板、水中照度計、バンドーン型採水器など、使用する機材の構造や仕組みについて、プランクトン研究室の太田先生から説明がされました。

プランクトンネット
メッシュの目合いは100 μm(左)と300 μm(右)

透明度板

水中照度計
 
バンドーン型採水器


 

 

2 日 目  プランクトン調査と海洋観測

2日目は朝に大学に集合して、バスで宿泊施設の相川地区コミュニティーセンター(北上町)まで移動しました。そこから相川漁港まで徒歩で移動し、乗船開始です。

前半と後半に分かれ、それぞれ漁船2艘で追波湾(おっぱわん)の調査を行いました。

船に乗るのはほとんど初めてという学生も多くいました
ドキドキワクワクの出航です





 

 

観測地点に到着したら作業開始です


プランクトンネットを使用したプランクトンの採集

バンドーン型採水器を使用した水深別の採水


透明度板を使用した透明度の測定

CTDを使用した水温、塩分、クロロフィルa濃度、
溶存酸素濃度の深度プロファイルのデータ取得

この日は波が高くて船酔いでダウンする学生(教員も?)が続出でした。つらい思い出になってしまった学生にはかわいそうですが、船酔いしやすいかどうか知ることができるのも乗船実習ならでは。




調査終了後は希望者は船に残って釣り大会。しかし残念ながら釣果はゼロ。潮が速く、魚がいる水深まで仕掛けを落とすのが難しかったようです。

 

夕食は焼きそば、おにぎり、豚汁を作ってあとは外でBBQ。

3年生は入学当初からコロナ禍の中で学生生活を過ごしてきました。今回初めて泊りがけでの実習を行うことでき、これまであまり話す機会のなかった学生同士の交流の機会にもなりました。





3 日 目  岩礁・転石潮間帯のベントス調査と乗船調査のデータ解析

 

3日目は早起きして朝の6時から磯観察です。

潮の満ち引きによって水没と干出を繰り返す潮間帯の調査は、潮が引いている時間にタイミングを合わせる必要があります。

この日は小潮のため潮の引きが悪く、潮間帯の上部しか見れませんでしたが、それでも様々なベントスを観察することができました。


実習では、優占種や普通種、希少種など、FランクからSSランクまで難易度別に用意された生き物を探して見分ける課題をクリアしていき、その場の生物相の特徴をつかむトレーニングを行いました。

一番進んだグループはSランクのクリアまで到達していました!


クロヅケガイ(上)とクビレクロヅケ(下)

アラレタマキビ(左)、タマキビ(中)、クロタマキビ(右)

イソガニ
 

アカイソガニ(宮城県レッドリストで準絶滅危惧)

オオウスイロヘソカドガイ
(左の1個体、宮城県レッドリストで準絶滅危惧)
とキントンイロカワザンショウ(右の3個体)
 


磯観察終了後は宿泊場所に戻ってロープワーク講習会



その後、大学に戻って乗船実習で取得した
データのグラフ作成を行いました


3年生はこれから研究室配属です(追記:10月の頭に研究室配属が決定。今年はすんなり決まりました)。

それぞれ卒業研究を進めていくにあたり、今回の実習の経験がきっと役に立っていくことでしょう!



 

【関連ブログ記事】

#実験・実習 #海洋生物・環境コース

※ 来年度からは新カリキュラムでの実習です。4つの実習(海洋生物・環境科学実習、動物学実習、植物学実習、そして生命科学実習)から自由に選択できるようになります。