「環境フェア2023」(主催:石巻市、11月3日)の環境市民公開講座で、動物生態学研究室の辻先生が野生動物の生態や自然との共生について講演しました。
「私たちの暮らす街の動物について知ろう −石巻の野生動物−」
内容は、石巻市街地でのニホンザルの出没や、全国的な問題になっているクマの被害などのホットな話題から、シカ増加に伴う農林業の被害や交通事故について。
辻先生が20年以上続けている金華山のニホンザルの食性研究やシカなどの生物との共生関係、大学演習林に棲息する多彩な動物など、宮城の県北地域唯一の大学である石巻専修大で動物の生態調査研究をする意義が伝わってくる講演でした。
会場のマルホンまきあーとテラスのすぐ近くにある大学の演習林にはカモシカもニホンジカもいるという話から、カモシカのように枝分かれしないツノはhornで、ニホンジカのように枝分かれするツノはantlerと呼び分けるといった豆知識に、会場が「へぇーーー」の嵐となりました。
楽しくて為になるお話がぽんぽん出てくる中、人にも動物にもそれぞれの立場がある中でどのように共生していくか、動物側にも人側にも立たない客観的な姿勢でコメントをする辻先生に研究者としての矜持が感じられました。
大学のブースで骨格標本を展示
また、環境フェアでは大学のブースとして、生物科学科の学生が製作したロードキルのシカの全身骨格標本の展示も行われました。
標本を作成した学生の説明を熱心に聞く人も多く、骨になったシカも人と動物の共生について考えるきっかけの一助になれば少しは報われる?と思う一幕でした。
【関連ブログ記事】
- 石巻市街地に現れたサル 辻准教授による見解と解説を公開
- アナグマの食べものを調べる 卒業生を筆頭著者とする論文が学術誌に掲載されました
- 3年次の動物学実習を実施しました(ネコ、ゾウリムシ、細胞性粘菌、そしてRNA)
【大学ホームページ関連記事】