8月30日、31日、そして9月22日の3日間、生物科学科の動物コースの3年生を対象に「動物学実習」を実施しました。
動物学実習は動物コースの学生のみ履修できるコースの特色が最もよく表れる実習です(旧カリキュラム)。
8月30日は、
- 阿部知顕先生の「土壌試料からの細胞性粘菌の単離」
- 栁先生の「ゾウリムシの細胞構造の観察」
が実習として実施されました。最後には、翌日、田代島でのネコの行動観察のガイダンスが辻先生の説明のもと行われました。
「土壌試料からの細胞性粘菌の単離」では、大学敷地内の植林、草地、花壇などから土壌試料を採取して培養することにより、細胞性粘菌を選り分ける単離培養法について学びました。
8月31日に、昨年度に続いて田代島に行きました。
田代島は「ネコの島」として知られ、多くの観光客が訪れる場所です。百匹以上のネコが、島の人と仲良く暮らしています。
石巻から船に乗り、40分程度で島に到着しました。ここからてくてくと歩き、観察場所の「島のえき」を目指します。
道すがら、ネコたちに何度も出会いました。私たちがそばを通っても、逃げたりしません。この島のネコは人懐っこい個体が多いです。
ここが「島のえき」です。以前学校だった建物を、休憩所・カフェとして活用しています。
ガイダンス後に、さっそく観察開始です。今回の実習の目的は、
動物の行動サンプリングを体験する
ことです。1時間、好きな個体を選び、連続観察してもらいます。一頭を見失うことなく観察するのが大変だということを理解してもらうためのテーマだったのですが…ごはんタイム直前だったこともあり、ネコたちは「島のえき」周辺でゴロゴロ。教員の目論見は見事に失敗です。
午後からは、特にテーマを決めずに自由観察してもらいました。
「島のえき」のスタッフの方に名前を教えてもらい、個体差に関する調査を始めた学生もいました。
談笑する奈良先生とSA(スチューデント・アシスタント)たち。先生とゆっくりおしゃべりできるのも実習の良いところです。
実習の日はとても暑かったので、ネコたちはいつの間にやら林の中へ。それを追いかけて学生たちも林へ。
「うわぁ、可愛い!!」
「こいつ、ちゃんと日陰を探して寝てるよ」
気持ち良さそうに寝ているネコを見ていると、私たちも癒されます。
最後に管理人の犬塚さんと一緒に「島のえき」で記念撮影をしました。サポートありがとうございました!
9月22日には、8月30日(1日目)に培養を開始した細胞性粘菌の観察を実施しました。
大学構内の様々な所から土を採取し、寒天培地にて培養していたものが、3週間も経つと粘菌が育っている様子が見られました。
※イメージ写真 |
午後には奈良先生の「RNAを目で見てみよう!」という実習が実施されました。
培養しているマクロファージ(白血球の仲間で細菌などをバクバク食べる細胞)から、RNAを取り出して、アルコールで処理後、遠心機にかけると白い塊としてRNAが検出される様子を体験しました。
まだまだ扱い慣れているとは言えないマイクロピペットを駆使して、最終的には参加者全員が取り出すことに成功しました。
動物コースの実習を体験して、皆、卒業研究でやりたいことが、はっきりとしてきたようです。
実習前に比べて、後期の授業をより集中して履修してくれることを期待しています。
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