海洋ベントス学研究室4年の小田晴翔と小林真緒です。
私たちは、9月1日~3日に北海道大学(函館キャンパス)で開催された「2023年 日本ベントス学会・日本プランクトン学会 合同大会」と、その前日に開催された「日本ベントス学会 若手の会」に参加してきました。
小田晴翔さん(左)、小林真緒さん(右) |
ベントス学会はベントスに関する知識・情報の交換を通じて、研究者間の交流を深め、ベントス研究の総合的発展に寄与することを目的とする学会で、毎年、日本プランクトン学会と合同で大会を開催しています。
初日の若手の会は、北海道大学の臼尻水産実験所で開催され、34名の参加(そのうち29名が学生)がありました。
北海道大学の臼尻水産実験所 |
実験所の外はすぐ海です |
若手の会では、学会以上に他の研究者と気軽に話すことができました。
参加者の方々は皆とても友好的で、すぐに輪に入れてもらうことができ、初めての参加でも楽しむことができました。研究紹介を軸に親睦を深める交流会もあり、他の方々の研究について沢山の話を聞くことができました。
研究についての意見交換だけでなく、普段の採集でのあるある話や趣味について話すなど、研究者同士の横のつながりを深めるきっかけになりました。
エクスカーションでは実験所の前で磯観察を行いました。
フィールドワークが大好きな私たちは北海道という地で全国の研究者と磯観察ができるという夢のような時間を存分に楽しみました。
若手の会に参加して横のつながりを深めたことで、それ以降の学会も楽しむことができ、来年の参加も待ち遠しくなりました。
ベントス学会若手の会 参加者の集合写真 |
学会では、ベントスという共通の対象を研究していながらも、扱う分類群が違っていたり、研究分野も分類学や生態学、行動学など多様な観点からアプローチした研究が行われていたりと、日頃からフィールド調査などでベントスに触れている私たちでも、全てが新鮮に感じました。
自分の卒業研究とは直接関係のない話であっても、研究手法や発表の仕方など、大変勉強になる研究発表がたくさんありました。
研究デザインやスライド作成のレベルの高さを痛感し、自分の研究デザインや研究計画を再度見直すきっかけとなりました。
私たちは以下のタイトル・内容でポスター発表を行いました。
私たちは初めての学会参加でしたが、緊張しながらも自分らしく伝えることができました。その際、発表に対して様々なコメントやアドバイスをいただき、今後の研究に活かせることも多く、大変勉強になりました。
初めはとにかく緊張していたのですが、たくさんの人に発表を聴いてもらううちに楽しめるようになり、また来年も発表したいと思いました。
石巻専修大学からはこの他、以下の発表がありました。
- 阿部博和准教授「スピオ科多毛類における生殖群泳と生殖変態の発見」
- 小林元樹研究員「DNAリファレンスデータベース構築から見えてきた干潟の環形動物の多様性」
- 太田尚志教授「沿岸プランクトン生態系に及ぼすスギ花粉の影響2―動物プランクトンの成長、生残、繁殖について―」(プランクトン学会側での発表)
ポスター発表中の阿部博和准教授 |
口頭発表中の小林元樹研究員 個人のホームページはこちら |
初めての学会参加でしたが、研究者同士の繋がりが強い学会だと思いました。
学会を通じて、ベントス学を盛り上げようという熱い想いを沢山の方々から感じました。学会に参加することで様々なものを得ることができましたが、何よりも他のベントス研究者と交流し、繋がりができたことが1番の収穫です。
多方向からの意見や、専門家の方々からのアドバイスを頂けたことで、今後の研究の具体的なビジョンが見え、研究のモチベーションが上がりました。
小田さんの卒業研究はクロベンケイガニ |
私たちは学会に対して敷居が高いというイメージを抱いていましたが、実際に参加してみると同年代の学生研究者と意見交換をして仲良くなれたり、様々な研究者のすごい発表が聴けたりと、とても楽しむことができました。
是非とも学部生のうちから学会に参加してみましょう!視野が広がり、自分の興味を引くテーマに出会え、卒業研究の具体的なイメージを持つことができると思います。
また、わかりやすいスライドの作成や内容の伝え方など、 社会に出てからも役立つスキルを身に付けるきっかけになるかもしれません。
Heteromastusのポーズを決める小林さん (左手は前口葉を表現しています) |
【関連ブログ記事】
- 「ベントスって知ってる?ふしぎな海のいきもの観察会」を開催
- 学生が運営スタッフとして「南三陸子ども自然史ワークショップ」に参加しました ベントス研の学生がサポートスタッフとして活躍
- 特別研究員・小林元樹さんの紹介 潮間帯から深海まで、環形動物の進化の謎に迫る
【大学ホームページ関連記事】