6/30(月)に、京都大学東南アジア研究研究所の木村里子先生をお招きし、ライフサイエンスセミナーを開催しました。
講演タイトルは「小型鯨類の保全生態学:アジアにおける事例と課題」。
木村先生は、小型鯨類(イルカやスナメリ)の音響を用いたモニタリングがご専門で、学生時代からアジア各国でフィールドワークを行っています。
そんな木村先生がフィールドでのご経験を交えてお話をしてくださいました。
揚子江でのヨウスコウスナメリの生息状況の調査から本種の保全施策まで、種の保全の過程が丁寧に語られ、保全の難しさを改めて感じることができました。
また、木村先生の主な調査手法であるバイオロギングや音響テレメトリーの技術に興味を持った人もいたようです。
本学の教員の専門分野とは異なるためか、鯨類に惹かれたのか、なんと学生・教員あわせて100人越え!の参加者が集まりました。
学生からもたくさん質問があり、また講演後にも質問をするために木村先生の前に列ができていました。
このようなセミナーは学生にとって貴重な経験になると思います(今回もなったはず!)。
今後も外部講師の方を呼んで、ライフサイエンスセミナーを企画していきます!
参加学生の声(アンケートより抜粋)
- 水族館で小型鯨類を見て楽しんでいたが、自然界で生きているものはこんなにも劣悪な環境で生きているのかと驚いた。
- スナメリは目視での発見が難しいので音響調査の効率が良く、昼夜問わず音を発している事がわかったということに驚いた。
- 生息域外保全で河川や湖を保護区にしたりなど、中国はとても思いきった政策をしたと思ったと同時に、漁師など生活と自然環境の両方を守ることの難しさを思い知った。
- カワイルカについては小さいころに興味深く思っていて、その中のヨウスコウカワイルカの絶滅の調査に関わった方の話が聞けて嬉しく思った。
- 水中に音があるとは知っていましたが、自然界の音があんなにあるとは知りませんでした。しかしそれ以上に、人が出す音でイルカが死んでしまう事に驚愕しました。水質や水環境が悪くなっていく中で、更に騒音も加わって、逆によく絶滅しなかったなと思いました。
- 普段講義では聞けない海棲哺乳類の話はとても興味深かった。環境保全を考える際の人の暮らしとそこに生息、生育する生物の双方を護る難しさとても頭に残った。
- 自分が1番興味を引かれた話は、最後の方に話していた海中の騒音問題の話です。海の問題としてマイクロプラスチックなどの話はよく出るけれど、海での騒音による生物への影響という話はあまり聞いたことがなかったのでとても面白かったです。
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