8月11日(金)、12日(土)に石巻市鮎川にある牡鹿半島ビジターセンターで、夏休み自由研究企画「ベントスって知ってる?ふしぎな海のいきもの観察会」が開催されました。
阿部博和准教授が講師、海洋ベントス学研究室の学生4名がサポートスタッフを務めました。
ミニセミナーでベントスの説明を行う阿部准教授 |
学生のイラスト入りの看板 |
準備を終えて、ほっと一息の学生達 |
プログラムは3本立てで、好きなものから自由に取り組んでもらいました。
身近な食べ物であるアサリもベントスの仲間ですが、どのように生きているか知らない方も多いのではないでしょうか。
最初に、アサリの解剖パズルを組み立てることで楽しみながら体の構造を理解してもらい、その後、実際にアサリの解剖をしながら、体の前後左右の確認と、殻を閉じる仕組みや濾過摂食の仕組みを学んでもらいました。
アサリの体の構造を確認しながら 解剖パズルを組み立てていきます |
組み立てた解剖パズルと実際のアサリの体を 見比べながら理解を深めます |
最後はクイズ形式で 体の仕組みを解き明かしていきます |
閉殻筋を切断して アサリの殻を開ける学生スタッフ |
エビ・カニ・ヤドカリは誰もが知っていて人気も高いベントスですが、甲殻類の中でも十脚類という同じグループに属する仲間であることを知っている人は少ないのではないでしょうか。
十脚類は胸部から生える脚を10本もつグループですが、エビ、カニ、ヤドカリでは体の形はだいぶことなっています。3つの十脚類の体を比べて、似ているところ、違うところを探していく中で、生物の進化についての洞察へと誘いました。
エビ・カニ・ヤドカリの水槽と標本 |
標本を観察しながら エビ・カニ・ヤドカリの体を比べています |
殻から出したホシゾラホンヤドカリ |
海には二枚貝類や十脚類の他にもさまざまなベントスが生息しています。
海洋ベントス学研究室でこれまで集めてきたベントス標本を展示しながら、クイズ形式で提示した写真と同じ種の標本を探してもらったり、生物の形から生活の仕方を推測してもらったりしました。
海洋ベントスの世界を覗くと、生物の形はとりとめのないほどに多様であると圧倒されてしまうこともあるかもしれません。しかし、機能と結びつけて考えることで、そのデザインの意味が見えてくることを感じてもらいました。
ベントスの標本をずらりと展示 |
初めて見る生き物ばかりで、 写真と同じ種の標本を探すのは なかなか大変だったようです |
ベントスの生活の仕方を推測してもらった後は、 答え合わせの解説タイムです |
小学生には難しい部分もあったかもしれませんが、今回のイベントの内容を夏休みの自由研究課題として活用したり、海の生きものに興味を持ったり、不思議に思う力や探求心を育てるきっかけにしたりしてもらえれば、とてもうれしく思います。
ご参加いただいた皆さま、どうもありがとうございました。
イベント終了後は牡鹿半島ビジターセンターの カフェスペースでおいしいコーヒーをいただきました |
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