2023年11月22日水曜日

宮嵜教授が執筆を担当した本が出版されました 世界最大のヒゲカビコレクション

 

宮嵜厚教授(菌類発生生理学)が分担執筆した本が出版されました。 

石巻専修大学の「ISUヒゲカビコレクション」についての記事です。※ ISU = Ishinomaki Senshu University

 


大熊盛也監修『微生物資源の整備と利活用の戦略』NTS

「石巻専修大学の接合菌類ヒゲカビのコレクション」

 

    

石巻専修大学(ISU)が保有する「ヒゲカビ」の株数は世界最大!

  • ISU(805株)
  • アメリカのATCC(73株、多くは変異株)
  • オランダのCBS(現・Westerridijk)(22株)
  • イギリスのIMI(現・CABI)(16株)
  • FGSG(10株)
  • ARS(NRRL)(7株)
  • ベルギーのBCCM/MUCL(7株)
  • 日本のNBRC(7株)
  • ドイツのDSMZ(5株)
  • 韓国のKACC(5株)
  • ニュージーランドのICMP(4株)

※ 本文より抜粋(令和5年3月現在) 

 

 

  宮嵜教授のコメント 

 

「微生物は生命科学の基礎研究とバイオテクノロジー分野を牽引する役割を果たしてきた」(発刊にあたってより)のですが、その微生物に関し、性質等の情報が充実しており容易に入手して利用できることは、研究の再現性、研究の進展にとって重要な要因です。そのためには正確に同定された微生物資源の保存・維持が必要です。

今回の出版は、微生物資源学会のメンバー、ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)の微生物資源領域に携わる総勢81名が細菌、古細菌から微細藻類、細胞性粘菌、ゾウリムシ、そして菌類(酵母、カビ、キノコ)まで、研究・収集・保存・分譲を手掛けるコレクションの特徴や課題・展望を俯瞰した総括本として価値のある一冊です。

 

私は、微生物資源学会のメンバーとして「石巻専修大学の接合菌類ヒゲカビのコレクション」を執筆しました。

ヒゲカビを教育・研究に活用しているのは日本において本学のみでユニークな存在です。

トヤケ森山に住むタヌキ糞から発生したヒゲカビ

 

コレクションのヒゲカビは、ファージの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞したマックス・デルブリュックが、研究人生の後期に着目し彼の元に集ったラボメンバー達と収集・作出(変異株)した系統群であり、伝統のあるコレクションです。

今後もヒゲカビの発生(形態形成や有性生殖)に関して、野生株と変異株を比較しながら教育・研究を進めていきます。