台風の影響で延期になっていた海洋生物学実習が9/21~9/23に行われました(もともとの予定は8/28~8/30でした)。
海洋環境観測と磯調査の基礎を修得するために、実際にフィールドに出ての調査です。
- 1日目 乗船実習で使用する機材の説明(室内講義)
- 2日目 プランクトン調査と海洋観測(乗船調査)
- 3日目 岩礁・転石潮間帯のベントス調査と乗船調査のデータ解析
1日目は、大学で海洋観測と磯調査の事前説明会。海洋観測で使用する機材に実際に触れてみて、構造と仕組みを学びました。
プランクトンネット、透明度板、水中照度計、バンドーン型採水器など、使用する機材の構造や仕組みについて、プランクトン研究室の太田先生から説明がされました。
プランクトンネット メッシュの目合いは100 μm(左)と300 μm(右) |
透明度板 |
水中照度計 |
バンドーン型採水器 |
2日目は朝に大学に集合して、バスで宿泊施設の相川地区コミュニティーセンター(北上町)まで移動しました。そこから相川漁港まで徒歩で移動し、乗船開始です。
前半と後半に分かれ、それぞれ漁船2艘で追波湾(おっぱわん)の調査を行いました。
船に乗るのはほとんど初めてという学生も多くいました ドキドキワクワクの出航です |
観測地点に到着したら作業開始です
プランクトンネットを使用したプランクトンの採集 |
バンドーン型採水器を使用した水深別の採水 |
透明度板を使用した透明度の測定 |
CTDを使用した水温、塩分、クロロフィルa濃度、 溶存酸素濃度の深度プロファイルのデータ取得 |
この日は波が高くて船酔いでダウンする学生(教員も?)が続出でした。つらい思い出になってしまった学生にはかわいそうですが、船酔いしやすいかどうか知ることができるのも乗船実習ならでは。
調査終了後は希望者は船に残って釣り大会。しかし残念ながら釣果はゼロ。潮が速く、魚がいる水深まで仕掛けを落とすのが難しかったようです。
夕食は焼きそば、おにぎり、豚汁を作ってあとは外でBBQ。
3年生は入学当初からコロナ禍の中で学生生活を過ごしてきました。今回初めて泊りがけでの実習を行うことでき、これまであまり話す機会のなかった学生同士の交流の機会にもなりました。
3日目は早起きして朝の6時から磯観察です。
潮の満ち引きによって水没と干出を繰り返す潮間帯の調査は、潮が引いている時間にタイミングを合わせる必要があります。
この日は小潮のため潮の引きが悪く、潮間帯の上部しか見れませんでしたが、それでも様々なベントスを観察することができました。
実習では、優占種や普通種、希少種など、FランクからSSランクまで難易度別に用意された生き物を探して見分ける課題をクリアしていき、その場の生物相の特徴をつかむトレーニングを行いました。
一番進んだグループはSランクのクリアまで到達していました!
クロヅケガイ(上)とクビレクロヅケ(下) |
アラレタマキビ(左)、タマキビ(中)、クロタマキビ(右) |
イソガニ |
アカイソガニ(宮城県レッドリストで準絶滅危惧) |
オオウスイロヘソカドガイ (左の1個体、宮城県レッドリストで準絶滅危惧) とキントンイロカワザンショウ(右の3個体) |
磯観察終了後は宿泊場所に戻ってロープワーク講習会 |
その後、大学に戻って乗船実習で取得した データのグラフ作成を行いました |
3年生はこれから研究室配属です(追記:10月の頭に研究室配属が決定。今年はすんなり決まりました)。
それぞれ卒業研究を進めていくにあたり、今回の実習の経験がきっと役に立っていくことでしょう!
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※ 来年度からは新カリキュラムでの実習です。4つの実習(海洋生物・環境科学実習、動物学実習、植物学実習、そして生命科学実習)から自由に選択できるようになります。