センサーカメラで捉えたニホンカモシカ |
辻研究室(動物生態学)に所属していた古川真澄さんを筆頭著者とする論文が、査読付きの雑誌に掲載されました(2022年1月)。 兵庫県立「人と自然の博物館」の研究紀要です。
- 古川真澄・依田清胤・辻大和、センサーカメラを用いた石巻専修大学演習林(宮城県)の哺乳類相および鳥類相の評価、人と自然 Humans and Nature 32: 133-140 (2022)
ニホンカモシカは特別天然記念物(かつ宮城県のレッドリストの要注意種)ですが、大学周辺で良く目撃されています。
大学に現れたことも(石巻専修大学 公式Twitter) |
上の映像には、親子連れと思われる姿が写っています。演習林内で繁殖していると考えられ、今後も目撃される可能性が高そうです。
古川さんらによる調査では、23種(哺乳類12種、鳥類11種)の動物が記録されました。
演習林は小規模ながら、本州の主要な哺乳類はほぼすべて記録。
- タヌキ
- アカギツネ
- ニホンアナグマ
- ニホンテン
- ニホンイタチ
- ハクビシン
- イエネコ
- ニホンカモシカ
- ニホンジカ
- ニホンノウサギ
- ネズミ類
- ニホンリス
地域の環境教育のフィールドとしての活用も期待されます。
教員志望の後輩にアドバイスする古川さん(左) |
学部時代は、研究と同時並行で #教員採用試験 の勉強にも取り組み、見事現役での合格を果たしました。
現在は県内の中学校で理科を教えています。卒業後も教職志望の後輩のために協力してくれたりしています。
写真右は 渡邊さん。古川さんと同期で同じく教員採用試験に合格。猶予制度を使い、今は大学院の2年です。奈良准教授(動物機能組織学)のもとで研究に取り組んでいます。
同じ研究室で同期の菅原さん(同じく中学校教師)
卒業生を筆頭著者とする論文が雑誌に受理 学部生の卒業研究でも学術的な成果に |
古川さんのコメント
論文が刊行され、とても嬉しいです。研究室にこもりながら、何度も書き直したりテーマを換えたりしながら作ったものが、このような形になりとても感慨深いです。
本当にありがとうございます。大学時代の宝物です。
現在は中学校の教師として、毎日授業や部活で忙しい日々を送っています。
大学での生活を思い出すと、勉強や卒論などに追われてましたが、本当に楽しく充実した毎日だったなと思います。心からあの頃に戻りたいです笑
落ち着いた頃に研究室に遊びに行きます! ご指導、本当にありがとうございました。
指導教員だった辻准教授のコメント
炎天下のカメラの回収や研究室でのデータの解析など、大変な作業でした。やったことが形になって、本当に良かったですね。
古川さんの仕事により、演習林での動物相が初めて明らかになりました。彼女の仕事は、今後の大学の研究活動の基盤となります。
後輩たちの学びを、ぜひ応援してください。
【演習林は実習でも活躍】
- 粘菌の観察とセンサーカメラでの演習林の動物生態調査 3年次の実習
- 粘菌の培養と哺乳類のデータ解析 2年次の実習(旧カリキュラム)
実際にカメラを設置して調査 |
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