2021年6月18日金曜日

恐竜の時代を生きた魚、ココノホシギンザメが大学に運ばれてきました


水深200メートル以深に生息する深海魚であるココノホシギンザメが、地域水産資源利用研究室(鈴木英勝准教授)に運ばれてきました。

 

鈴木研究室では底引き網で獲れる魚類のなかで、市場に卸されず廃棄されている魚の有効利用に関する研究を行っています。

大半が深海魚で、馴染みがなく、多様な形をしており、ほとんど魚屋には並びません。中には、とてもミステリアスでおもしろい魚がたくさんいます。その一部を紹介します。


漁船が石巻魚市場に入港。今回のココノホシギンザメは、水深500メートル付近の底引き網で獲れたものです。

ちなみにですが、石巻魚市場は「世界一長い魚市場」としてギネスに申請するようです。

 

 

体側に9つの白い斑点が見られます。これがココノホシギンザメ(九星銀鮫)の名前の由来です。

ココノホシギンザメは「サメ」と名前が付いていますが、本家のサメとは縁もゆかりもありません。ただ硬い骨を持たないので、サメやエイと共に軟骨魚類に分類されています。

 

エイリアンのような口をしています。

ココノホシギンザメは非常に原始的な魚で、最も古い化石はデボン紀の地層から発見されています。「生きた化石」で有名なシーラカンスと同じく、デボン紀からそのままの姿で今日に至る珍しい魚です。

 

手塚治虫さんのマンガに出てくる「ブラックジャック」のような頭部。溝状に発達した側線が継ぎはぎ状で頭部を形成しています。


大きな胸鰭(むなびれ)で深海を優雅に泳ぎます。


頭部前額交接器。交尾の際に、相手と固着できるように鋭い棘があります。


ココノホシギンザメの雄。胸鰭(はらびれ)に一対の交接器があり、ここで雌に精子を受け渡します。



鈴木研究室では、深海魚や未利用魚の有効利用のために、魚の化学成分を計測し、食料や薬品の材料の研究に繋げたいと考えています。

今後も深海に住むミステリアスな魚を紹介していきます。

 

 

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底引き網で獲れた深海魚を紹介します。

 

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