8月30日~9月1日の3日間で、海洋生物コース3年生の海洋生物学実習が行われました。
動画ができました。ぜひご覧下さい!(約2分)
動画まとめのページ(タブ) では、ブログ記事から動画をピックアップしてまとめています。合わせてご覧下さい。
- 1日目 プランクトン調査と海洋観測(乗船調査)
- 2日目 干潟ベントス調査
- 3日目 動物プランクトンの計数と乗船調査のデータ解析
1日目 プランクトン調査と海洋観測
1日目は、船に乗って追波湾(おっぱわん)で調査。
ベントス研のTwitterでは、実習の様子を写真&動画で紹介!( 乗船中の動画 ) |
透明度板を用いて透明度を調べます。水中に下ろしながら、どのくらいの水深まで目視できるかによって透明度を推定することができます。
CTDという装置を用いて水温、塩分、クロロフィルa濃度などの海洋環境を観測します。
プランクトンネットを用いてプランクトンを採集します。
採集したプランクトンはボトルに移して固定します。
バンドーン型採水器を用いた採水調査。
バンドーン型採水器の仕組みを動画で紹介(ベントス研Twitter) |
5m ごとの水深で海水を採取し、ボトルに移します。
エクマンバージ採泥器を用いた採泥調査も行いました。
エクマンバージ採泥器の仕組みを動画で紹介(ベントス研Twitter) |
調査後は、魚類の食性調査のために釣りでサンプルを取得します。
午後は大学に戻って、釣った魚の鰓の形態と胃内容物調査を行いました。
胃の中からイカや魚が出てきました。
2日目 干潟ベントス調査
2日目は、南三陸ネイチャーセンターにご協力いただき、志津川湾の折立干潟でベントス調査を行いました。
はじめに、南三陸ネイチャーセンターの阿部拓三博士に志津川湾についてのレクチャーを行っていただきました。
志津川湾は、「親潮」「黒潮」「津軽暖流」の3つの海流の混合による藻場の多様性や、希少な水鳥の越冬地になっていることから、2018年にラムサール条約湿地に登録されています。
標本庫や飼育設備などの施設も見学させていただきました。
その後、干潟に出てベントス(底生生物)の調査です。
なるべく多くのベントスを見つけて袋に入れていきます。
干潟沖側の潜堤までくまなく調べています。コンクリートにも様々な生物が付着しています。
狭い範囲に巻貝類やカサガイ類、二枚貝類、フジツボ類など、何種類も密集して生息しています。
小林研究員 もウェットスーツにマスク姿で参戦。水の中に入るにはちょっと寒かったようです。
午後は採集した生物の観察と種同定です。見つかった種類を調査票に記録していきます。さて、何種類見つかったのでしょうか?
3日目 プランクトン計数とデータ解析
3日目の午前中は、採集した動物プランクトンの観察と計数を行いました。
午後は、プランクトンの計数データと海洋観測で得られた環境データを解析し、その関係性について検討しました。
学生のみなさんにとっては、フィールド調査から生物の採集・同定、データ解析まで一通りの流れを体験したのは初めてのことだったと思います。
さて、この3日間で、どんな発見があったでしょうか?
【関連ブログ記事】
実習の様子が「ニュース専修」に掲載されました
- 海と陸で生き物の生態と環境を調査(海洋生物学実習・動物学実習)2022年9月号 四釜さんと大槻さんのコメントが載っています
3年次の実習について
記事に登場する「海洋生物学実習」は今の2年生以上の科目で、新しいカリキュラムでは「海洋生物・環境科学実習」が対応します。
新しくなった生物科学科の3年次の実習では、次の4科目からひとつを選ぶことができます(選択の幅が広がりました)。
- 海洋生物・環境科学実習
- 動物学実習
- 植物学実習
- 生命科学実習
海洋生物・環境コースの学生が対象の
- 潜水調査実習
では、実際に海に潜っての調査を行います(ただし人数制限あり)。