2025年3月17日月曜日

理科の教員になる学生へのインタビュー1(鈴木優香さん)「生徒に温かく寄り添い、学ぶことの楽しさを伝えられる教師に」

鈴木さん(左)と北舘さん(右)
卒業研究ポスター発表会にて

 

今年度卒業で教員志望の学生は4名。それぞれが4月から教壇に立ちます。

  • 宮城県 中学理科(教諭)1名
  • 私立 古川学園中学校・高校1名
  • 私立 大崎中央高校1名
  • 仙台市 中学理科(講師)1名

 

今回は、鈴木さん、北舘さんの2名にインタビューを行いました。パート1では海洋ベントス学研究室の鈴木優香さんに、パート2では植物発生遺伝学研究室の北舘瑠香さんに、生物科学科での4年間を振り返ってもらいました。 

 

まずは、鈴木さんに、教員を目指したきっかけ、どんな勉強をしてきたか、どんな先生になりたいか、などについてインタビューしました。最後に、後輩へのメッセージと石巻専修大学の魅力も聞きました。

 

 

教員を目指したきっかけは?

私が教員を志したきっかけは、高校時代の理科の先生の存在です。

その先生は、生徒の興味や疑問を否定せず、一緒に考えながら授業を進めてくださいました。例えば、実験中に別の方法を提案すると、「じゃあその方法でもやってみよう」と言って、生徒と対話をしながら授業を進めていただいた姿が印象に残っています。

そのおかげで、私は理科に対する興味を深め、学ぶことの楽しさを実感できるようになりました。そして、「自分もこの先生のように、生徒と一緒に学び、考えながら授業をしたい」と思うようになったことが、教員を目指す大きなきっかけとなりました。

この経験から、私は生徒が「知ることの面白さ」を実感できる授業をつくりたいと思っています。特に、実験や探究学習を通して、生徒が主体的に学ぶ機会を多くつくり、生徒一人ひとりに寄り添いながら、学びの楽しさを伝えられる教員になりたいと思います。

 

 

教員になるために、どのようなことに取り組んできましたか?

大学では、授業や1年次から参加した教職セミナーを通じて理科の科目の基礎を学びました。

また、「寺子屋」や「算数トライアスロン」などの活動に積極的に参加し、学生や子供たちに教える経験を積んできました。こうした経験を通じて、生徒一人ひとりに合った伝え方を工夫することの大切さを学ぶことができました。

教育実習では、生徒が主体の授業の難しさを実感しました。最初は教師が話すことが中心の授業になってしまいましたが、発問を工夫したり、グループワークを取り入れたりすることで、生徒が自ら考え、発言する機会を増やすことを意識しました。実験を多めに取り入れて、実際に手を動かして学べる場を作ることも重要だと感じました。

例えば、酸化銅を銅にする実験では、「何を加えれば銅だけになるか?」を生徒に考えてもらいました。実際の実験では炭素を入れて還元しましたが、水素を使う方法もあることに生徒自ら気づくなど、生徒がこれまでの学びを活かして考える姿が見られました。また、実験を通じて「なぜ?」という疑問を引き出し、その後で具体例を使いながら生徒が主体的に考える機会を作ることを意識しました。

 

【ブログ記事:教職セミナー】 

1年次から積極的に教職セミナーに参加



学生時代に力を入れたことは?

卒業研究では「ニホンコツブムシ属の発音構造の体サイズ比較」というテーマで研究を行いました。

この研究では発音のためのやすり構造が確認されていたニホンコツブムシ属の体サイズ比較を行い、やすり構造は体長と共に成長すること、メスに比べてオスのやすり構造の面積は異なることが確認できました。また、今までニホンコツブムシ属ではオスとメスのみが確認されていましたが、今回メスの形態をしているのにペニスを持つ個体を発見することが出来ました。

ベントス研 X より

このような研究を行いましたが、所属していた海洋ベントス学研究室では、自分の好きなテーマを自由に探究できる環境があったことで、主体的に研究を進める力が身についたと感じています。また、卒業研究の発表やポスター発表ではデフォルメしたイラストを使いながら説明を行ったり、実際の標本を見せるなどの工夫を行ったことで、「いかに分かりやすく伝えるか」を意識する必要性を学ぶことが出来たと思います。

このような研究の専門的な内容を分かりやすく伝える経験は、授業で生徒に理科の面白さを伝える際や教員同士の会話でも活かせると考えているため、大学で学んだことを今後の教員生活にも生かしていきたいと思います。

 

【ブログ記事】

卒業研究ポスター発表会ではポスター賞を受賞!

ベントス研 X より



どんな先生になりたいですか?

私は、まず生徒に温かく寄り添い、生徒一人ひとりの可能性を引き出すことができる教師になりたいと考えています。

生徒それぞれで個性や興味は異なると思いますが、その個性や興味を見つけ伸ばすためには、生徒に寄り添い一人ひとりが自分の能力を発揮できるようにサポートをする必要があると感じています。そのため、一人ひとりに向き合いながら生徒の成長をサポートしていきたいと思っています。

また、授業面では学ぶことの楽しさを実感できる授業をしたいと考えています。そのために、発問の仕方を工夫したりグループワークなどを積極的に取り入れることで、生徒が主体的に考えながら学べる環境を作りたいと考えています。

生徒が自分の興味関心を深め、「知ることって面白い!」と感じられるような授業を通じて、学ぶことの楽しさを伝えられる教員になりたいと考えています。

 

 

後輩へのメッセージをお願いします

教員を目指す中で、不安や悩みを抱えることもあると思います。しかし、実習やボランティアなど、実際に生徒と関わる経験を重ねることで、自分のなりたい教師像が明確になっていくと思います。

また教育実習などで上手くいかないこともあるかもしれませんが、それも貴重な学びになると思います。例えば、私は教育実習中に指導を受けた先生から「授業中はピエロになれ!」と言われたことがとても印象に残っています。私は生徒に楽しいと思ってもらえる授業をしようとしていたのですが、この言葉をきっかけに、「自分も楽しいと思える授業を作ることが大切なのだ」と気づくことができました。少しの失敗や気づきも学びの一部です。

4年間本当にあっという間だと思います。ぜひ楽しみながら学びを深めていってください!

 

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子ども向けワークショップに参加

 

石巻専修大学の魅力を教えてください

石巻専修大学は、基礎から丁寧に学べる授業と実践的な実習が充実しており、学びやすい環境が整っていると感じました。

特に、教員との距離が近く、質問しやすいという点が大きな魅力だと思いました。また、自然豊かな環境が整っていることで海洋実習などでは、実際に海に出て船に乗りプランクトンネットを使ったり、指定されたベントスを探したりと貴重な体験をすることができました。

学生同士の交流や学外活動にも力を入れており、「寺子屋」や「算数トライアスロン」では、他学年や他学科と接することができ、教職関係の交流を深めることが出来ました。

進路を決める際には、先生方や進路支援室から親身なサポートを受け、進路選択や就職活動において大きな支えとなりました。

また、研究室の自由度が高く、自分の興味のあるテーマにじっくり取り組める環境が整っています。私はその環境を活かして卒業研究を進めましたが、先生方からのアドバイスやサポートが非常に手厚く、研究を進める中で学びたいことを深く追求できました。

自由な発想を尊重してくれる大学の雰囲気がとても魅力的だと感じました。

 

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