2024年12月26日木曜日

12月の記事まとめ

算数トライアスロン
 

教員インタビューや学会発表などの記事をアップしました。

週1~2回程度で更新しています。ブックマークもよろしくお願いします。




勉強会開催のお知らせ
1月21日(火)の3限に、 宮城県水産技術総合センターとの勉強会を開催します。場所は5号館階の5301。どなたでも参加できます。
  • 講演1 「撹乱と藻場」 生物科学科・教授 玉置 仁
  • 講演2 「宮城県の海洋環境と水産資源の変動」 宮城県水産技術総合センター(環境資源チーム)  高津戸 啓介 様
海洋研究に関する情報交流、ならびに両機関の研究能力研鑽の場として、宮城県水産技術総合センターと石巻専修大学生物科学科海洋生物・環境系との勉強会を開催します。環境保全、ならびに海を守りながらの水産的な活動に興味のある方にとって、智慧の詰まった話が聴けるものと期待しています。 生物科学科・教授 太田 尚志



ただのペン…?

なんと本物のアニサキス入り!

各種イベントで配布予定です
(地域水産利用学研究室)






























   記事をまとめたページはこちら(タグごと、月ごとで記事をピックアップしています。月ごとの一覧は #記事まとめ


石巻市のお隣、東松島市に 道の駅 がオープン
ブルーインパルスをモチーフにしたものがたくさん




大学ホームページ記事からのピックアップ

大学HPのサークル紹介が更新されました

本学には「生物愛好会」「骨格標本愛好会」という
珍しい?サークルがあります
骨格標本関連のブログ記事はこちら




 

 

2024年12月23日月曜日

日本分子生物学会で学生が研究成果を発表 「今後の研究のヒントを得ることができた」

 

11月27日(水)から11月29日(金)まで、福岡国際会議場およびマリンメッセ福岡で「第47回 日本分子生物学会」が開催されました。

動物機能組織学研究室の4年生1名と昨年の卒業生の研究成果の2演題を発表しました。



日本分子生物学会は毎年参加者5,000人以上、1日の発表演題数も口頭発表、ポスター発表併せて1000演題以上の大規模学会です。今年度もポスター演題のみで1日あたり950演題以上と大変充実した内容でした。

 福岡国際会議場
(MBSJ = Molecular Biology Society of Japan)

17の発表会場で、それぞれの分野に特化したシンポジウムが朝、午後、夕方、夜の4部構成であり、昼間もランチョンセミナー(お弁当を食べながら、行われるミニシンポジウム)があります。そしてランチョンセミナーと午後のセッションの間にポスター発表があります。

内容は動物、植物、微生物などなど、生物学好きにはたまらない学会です。ですので、研究者間の交流もありますが、より多くの新しい知見を学ぶことが大きな目的です。

港から見るマリンメッセA館とB館


 

卒業生の藤原千遥さん

27日の初日には、昨年卒業した藤原千遥さん(現:WDB株式会社エウレカ社勤務)の研究成果を代理で奈良が発表しました。

タイトルは「強度の異なる運動がROS関連遺伝子の発現に与える影響」です。

1時間の質疑応答時間、ひっきりなしに質問が飛び交い大変興味を持って貰えたと思っています。

令和5年度卒業の藤原さん
卒研ポスターの前で
(令和6年2月24日撮影)

当時の実験風景
(共同研究先にて令和5年8月28日撮影)


4年生の岩谷麗騎くん

28日には、4年生の岩谷麗騎くんが「培養筋芽細胞由来のマイオカインの脂肪細胞に与える影響」というタイトルで発表しました。

当然、学会発表は初めてであり、ポスター作成から四苦八苦していましたが、何とか発表まで辿り着きました。

行く前から疲れ気味?

渡辺先生に助けて貰いながら何とか印刷

この学会の特徴は、通常の演題登録とは異なり「Late-Breaking Abstract」という若い学生がフレッシュなデータを発表する機会があるところです。岩谷麗騎くんもその部門に登録しました。

もちろん若いからと言って、いい加減なものを発表することは決して許されません。何度も繰り返し同じ実験を行い、間違いの無いデータを発表する必要があります。実験結果のグラフ1つの影には、発表に使われない数多くの実験結果があるからこそ自信を持って発表に臨めることを体感してくれたのではないでしょうか。

さあ、後は討論時間を待つのみ


内容は分化した筋肉の細胞から脂質を分解するような生理活性物質が出てくることを、筋肉と脂肪の培養細胞を使って解析した結果についてです。

もちろんまだまだはっきりとした結論を述べるには多くのデータが必要でありますが、多くの方々から質問を頂いたことで、今後の自分の研究の方向性を再認識してくれたものと思います。

活発な討論?の様子


岩谷くんのコメント
私の研究テーマに関係する脂質代謝のメカニズムや骨格筋由来の生理活性物質の研究を行っている方達から多くの質問や意見を頂きました。大変勉強になり、今後の研究のヒントを得ることができました。

私の研究テーマ以外にも非常に面白い発表がいくつもあり、楽しく学ぶことができた有意義な時間となりました。またポスターの構成やわかりやすい発表の仕方なども学ぶことができ、卒業研究発表会に向けて自分の発表をもっとブラッシュアップしたいと思いました。
 


【リンク】


【関連ブログ記事】 

#動物機能組織学研究室 #動物・植物コース #学生の声



2024年12月12日木曜日

3年次実習のショート動画が4本公開されました(大学公式インスタ)


石巻専修大学の 公式インスタグラム に、3年次実習のショート動画が公開されました。潜水調査実習1本と海洋生物・環境科学実習3本(海洋環境調査編、ベントス調査編、湖沼調査編)の計4本です。

 

今までにも、 生物科学科紹介、学科あるある聞いてみた、研究紹介、1年次実習(海洋系2本、動物系1本、植物系1本)などの動画が公開されています。

ぜひご覧ください。いいね・フォローもお願いします!


 
 
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【関連ブログ記事】

#動画 #実験・実習 #海洋生物・環境コース

  


2024年12月9日月曜日

算数トライアスロンを宮城県初開催 教員を志す学生がサポート

 

10月7日の開北小学校でのプレ開催を経て、11月9日、本学で算数トライアスロンの本番を迎えました。

「算数トライアスロン」は、普段の授業とは異なり、体を動かしながらパズルや迷路など様々な問題をトライアスロンのようにクリアしていくもの。

宮城県内では初開催で、大学が主体となっての開催は全国初。算数の楽しさを伝えるだけではなく、地域の教育力向上も目指しています。

事前打ち合わせの様子
ラーニングコモンズ(多目的スペース)にて

生物科学科・人間教育学科の学生と教員が集まって
役割分担や問題の勉強をしました

 

当日は、石巻市内の小学4年生~6年生、約25名が参加(12の小学校からの参加)。飛び入りで3年生も参加してくれました(4年生向けの問題に挑戦)。

まずは、北舘さん(4年)がルール説明

「困ったら、お兄さんお姉さんに聞いてね」
「スピード勝負ではないから、走ったりしないでね」

 

 

算数トライアスロン、スタート!


まずは4種類の問題に挑戦
(ラインリンク、一筆書き、計算迷路、数並べ)

 



「できたね!すごい!」

問題を受け取って、解けたら学生に丸付けをしてもらいます
正解なら花丸! スタンプカードにハンコを押します


学年ごとに問題用紙の色を分けて工夫しました

 

「ここおしい!」「こうやってみるとどうかな」

全部クリアしたら最終問題へ
(最終問題は算数検定の問題)
早く終わった人用のボーナス問題も用紙しました


困ったときは、ヒントコーナーへ
「どこまで考えた?」「一緒に考えてみよっか」

少しお待たせしてしまった児童もいました
次回以降に向けた課題のひとつです

座った状態ではなく、体を動かしながらの挑戦

普段の授業よりも長い60分という時間でしたが、
全員が集中して解いていました



 

終了後には「体験学習証」を贈呈


「最後までできたの?すごい!」
鈴木さん(4年)に、最後に挨拶してもらいました

参加児童ひとりひとりに
学生から「体験学習証」を手渡しました


学生の皆さん、ありがとうございました

生物科学科からは4名が参加してくれました
(4年 北舘、鈴木 / 2年 内海 / 1年 武藤)



参加児童からの声
  • 難しい問題をとくことが楽しかった。 
  • いつもの算数とちがっておもしろかった。
  • 算数がいろいろ知れてうれしかったです。
  • 友達と協力できて楽しかった。
  • 質問にていねいに教えてもらえた。


保護者の皆様からの声
  • 子供達みんなが、投げ出したり、分からないと騒ぐことなく難しい問題に立ち向かっていて、頼もしかったです。
  • 娘が一生懸命に問題を解いていて、感動しました。 
  • 普段すぐに飽きてしまうが、1時間しっかりと考えることができており、体験させてとても良かったです。
  • 算数を苦手にしているので、少しでも好きになってもらえれば、きっかけになればと思い参加しました。本人なりに楽しんでいたので、参加して良かったです。
  • 遊び感覚で学べるってイイですね。


余った問題は、欲しい人に持って帰ってもらいました
「またやりたいです!」と言ってくれた児童も

たくさんの消しゴムのカスが努力の証


参加学生のコメント

 

武藤 栞奈 さん(1年・自然科学コース)

今回初めて教える側として立ってみたときに、子供たちは何が分からないのか、どのように説明したら理解しやすいか、子供たちの目線になって一緒に考えてみました。

子供たちが次から次へと来て、待たせてしまう子がいたり、スムーズな対応ができなかったところが反省すべき点だったと思います。

しかし、子供たちができなかった問題を解けるようになって戻ってきたり、近くで子供たちの成長を感じることができたのがとても嬉しかったなと感じます。

小学生に教えるといった機会はめったにないことなので、とても良い経験になったと思います。

次回も参加するつもりです。今回の経験を次に活かしていきたいと思いました。



石巻市教育委員会の方から
学生へ労いの言葉をいただきました


「算数トライアスロン」は産学官で連携して実施しています。

  • 主催:石巻専修大学 保育士・教員養成センター
  • 共催:石巻市教育委員会
  • 協力:公益財団法人 日本数学検定協会

当日は、今回の算数トライアスロン実施のきっかけとなった、岩手県陸前高田市の職員の方や日本数学検定協会の方にもお越しいただきました。

今後は、陸前高田市での開催も予定されています。防災教育を学ぶイベントも含めての企画になる予定です。

 

興味が出てきたという学生は、声掛けをするときにぜひ協力をお願いします。正規の授業だけからは得られないものがあるはずです。

 

 


 【リンク】 本番の様子が「石巻かほく(11/15)」と「石巻日日新聞(11/18)」に取り上げられました

 

【大学ホームページ関連記事】


【関連ブログ記事】

#地域×大学 #教員採用試験 

#自然科学コース #数理生物学研究室

 


2024年12月4日水曜日

野外調査に尖る研究者、久米准教授へのインタビュー「フィールドそのものが先生」


久米 学(くめ まなぶ)

魚類生態学研究室

准教授 博士(水産科学)

主な担当科目:魚類生態学、水環境学


 

 

今年度(2024年度)から新たに生物科学科に加わった久米准教授に、ご専門のことについて詳しく聞きました。

  石巻専修大学は「多頂点に尖る」が最近のコンセプト。先生にとっての「尖り」は何でしょうか?

私は基本的に面白いと思った研究テーマは何でもやろうとする人です(ただし、後で冷静になった時に、やっぱり無理、ってなりお蔵入りすることが多い)。

そんな私ですが、私の「尖り」を強いて挙げれば、野外調査にこだわっている点でしょうか。

生き物の生活史や生態を明らかにする研究は根気が必要で、時間も掛かります。

そのせいでしょうか、昨今、研究者の中でもフィールドワーカーは減ってきているように思います。

ただし、生き物の生活史や生態は、応用研究の基礎となる重要な知見になります。ですので、敢えて野外調査にこだわった生活史や生態の研究をしています。


 

 

 

  魚類研究の面白さや魅力は何でしょうか?

これは魚類に限った話ではありませんが、野外研究の魅力は、フィールドで見て感じたことが、具体的な数値となり表現できたとき、達成感ではないかと思います。

時には、直感が外れることもありますが、それもそれで私に驚きを与えてくれ、何で違ったのかを考えるのは楽しい作業です.

最近では、ニホンウナギの研究をしていますが、本種の減少要因の1つは河川横断構造物による河川の連続性の喪失だと言われています。

そこで、どのくらいの体サイズ(全長)のニホンウナギが、垂直の落差工を登ることができるのか?という疑問を持ち、実際の河川に赤外線ビデオカメラを設置して調べてみました。

研究をはじめる前の予想では、20~30 cm程度個体が登るのではないかと思っていましたが、予想以上に小さい全長15 cm以下の個体が登っていました。

当初の予想は半分当たり半分外れと言ったところでしたが、そもそも自然界で起こっていることは複雑に要因が絡み合っていて、その予測は非常に難しいものです。

このように予想外のことが起こるところも、野外研究の面白さであり、魅力・醍醐味だと思います。



 

 

  最近、大学ホームページに『 地域そのものが「先生」だ。』というサイトがオープンしました。先生の研究における「先生」は何でしょうか?

調査地(フィールド)そのものが、「先生」と言えるのではないかと思います。

フィールドには様々な学びの要素があって、身近な自然の中で何かを発見する力も、コミュニケーションの力も磨かれる場だと思っています。

私は野外調査を中心に据えて研究しているので、調査をしている最中に、「こんなことできないかな?」とか「これやったらすごい楽しい研究になりそう」とか次の研究に繋がることや、魚の採れ具合や採れてる場所を見ながら「こんな傾向がありそうだな」とか「これが効いてるのでは?」なんて調査結果から言えそうなことを妄想しています。

本当にフィールドって研究に対するインスピレーションを与えてくれるんです。


また私の場合は、川で調査することが多いのですが、地元住民の理解が不可欠になります。

理解を得るためにお話しするのにはコミュニケーション能力が試されますし、必要に応じて誰かに協力を仰ぎながら研究周りのことを調整しなくてはなりません。

今やっている調査の多くは他大学との共同研究になりますので、調査が円滑に進むように共同研究者間(学生も含む)での情報共有も必須です。

つまり、フィールドは大学内の狭いコミュニティーだけではなく、もっと幅の広いコミュニケ―ションの場を提供してくれます。残念ながら現在は石巻にフィールドを持っていないのですが、これから新しい「先生(フィールド)」を見つけたいと思っています。



  卒業研究ではどのようなものを想定していますか?

ニホンウナギやイトヨの野外生態調査と水槽実験を考えています。

今後、対象となる魚種を増やしていきたいと思っています。本年度の卒論生は以下のテーマで研究を行っています。

  • 河川生活期のニホンウナギにおける移動と成長
  • 潮止堰がニホンウナギの遡上に与える影響
  • 淡水性イトヨの繁殖期と水温との関係


 

 

  最後に、学生へのメッセージをお願いします

大学は一方的に教わるところではなく、「自分で学び、考える力を身につけるところ」だと私は思っています。

これは、学業だけではなく、私生活も含めてです。これは高校生までと違うところです。

また、大学生だからこそできる「遊び」も必要です。「遊び」の内容は人それぞれ、旅行という人もいれば、釣りという人もいるでしょう。

自分の中で夢中になれる遊びをぜひ見つけてください。人生、死ぬまでの暇つぶし。

学業も遊びも本気で徹底的に取り組んでこそ、楽しいものになると個人的には思っています。

学業と遊びのメリハリをつけて取り組むことで、皆さんの学生生活が充実したものになることを願っています。


 

 

 

久米研究室のホームページ

 

 

過去に取材された「ウナギ調査」の様子(田中三次郎商店のページ)

※垂直な壁を登るウナギの様子を捉えた動画も掲載

 

 

【関連ブログ記事】 

#海洋生物・環境コース




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  多 頂 点 に 尖 る 。

 

海洋生物に尖る。動物に尖る。植物に尖る。

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