2021年10月25日月曜日

ライフサイエンスセミナーを開催しました(阿部博和博士:海底の住人、ベントスの暮らしと多様性)

生物科学科では、不定期に外部ゲストをお招きしての特別セミナーを開催しています。日ごろ接している本学の教員以外の方から研究の話を聞くことは、学生にとって大きな刺激になります。 

10/21の演者は、岩手医科大学の阿部博和先生。海底の住人であるベントスの分類や生態、進化について、研究しておられます。

海洋生態系におけるベントスの役割から、東日本大震災の津波がアサリなどのベントスに与えた影響や、ベントス類の群集構造が震災後にどのように変化したのかについて、分かりやすく解説していただきました。

多くのデータは阿部先生が学生時代から継続的に収集されたもの。データの迫力に、圧倒されました。

干潟の動物相の変遷や、アサリのサイズの年・季節変化の研究も興味深かったですが、ご専門のゴカイ類に関する研究については、阿部先生のトークに力が入っておられました。

海洋生態系における重要な動物群であるにも関わらず、分類も不十分なゴカイ類。

この現状を何とかしようと、DNAバーコーディングを導入して各地の海のゴカイ類を調べるなど、学問分野にこだわらずアクティブに研究されていることが良く分かりました。

阿部先生のゴカイに対する愛情を強く感じました。

興味深く聞き入る学生たち。講演後には多くの質問がありました研究の面白さに刺激を受けたようです。 

 

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