2024年9月11日水曜日

南三陸子ども自然史ワークショップに参加しました!(ベントス研・夏のイベント1)

 

海洋ベントス学研究室4年の遠藤祐人です(写真左)。

私は7月13日に南三陸町自然環境活用センター(南三陸ネイチャーセンター)で開催された「南三陸子ども自然史ワークショップ」に企画・運営スタッフとして参加してきました。

子ども自然史ワークショップは、大人も子どもも一緒に遊びながら、南三陸町の自然を楽しく学ぶことを目的として開催されており、今回で15回目の開催となりました。

 

ワークショップには大阪自然史センター、サスティナビリティセンター、岩手大学 自然史探偵団、東北大学総合学術博物館、東北大学 みちのく博物楽団、南三陸高校自然科学部、南三陸町観光協会、南三陸町自然環境活用センター、結 creationと多くの団体が参加。

それぞれが自然や生き物にちなんだプログラムを企画し、当日は「ホヤホヤヨーヨー」、「“カセキ”でぬりえ缶バッジ」、「お魚DNAストラップ」、「ぺたぺたバッグラリー」などのプログラムが行われました。

ホヤホヤヨーヨー

“カセキ”でぬりえ缶バッジ

 

 

海洋ベントス学研究室からは、大学院修士課程1年の小田晴翔さん、大見川遥さん、大山雄太郎さん、学部4年の遠藤祐人、鈴木優香さんの5名。

海洋浮遊生物学研究室からも大学院修士課程1年の畠山紘一さんにサポートに加わっていただき、6名で企画の運営を行いました。

海洋ベントス学研究室が企画したプログラムは『海のいきものパズル』で、「アサリの解剖パズル」「丸まるコツブムシくん」の2つの出し物を用意しました。





アサリの解剖パズル

この企画では、パズルを通してアサリの生態や構造を知ってもらうとともに、アサリなど普段食卓に並ぶような、身近な生き物に興味を持つきっかけ作りを目的としています。

ご参加いただいた方々は、アサリにも心臓や足があること、足を上手に使って砂に潜れることなどに驚いており、子どもたちだけでなく大人の方々にも興味を持っていただけたようでした。

また、このパズルは簡単に作ることができるため、小学校低学年の子ども達に特に人気があったように感じました。





丸まるコツブムシくん


コツブムシは海に住んでいる等脚類(ダンゴムシやワラジムシの仲間)で、ダンゴムシと同じように丸くなることができます。

この工作は、コツブムシのパーツを組み立てる立体パズルで、完成すると、コツブムシが丸くなる姿勢を再現できるという仕組みです。

この企画では、「海のダンゴムシ」ともいえるコツブムシの存在を知ってもらうこと、そして等脚類の体のつくりや丸くなる仕組みを知ってもらうことを目的としています。

この企画は立体的な模型が作れるため、「アサリの解剖パズル」よりも人気がありました。

子どもたちだけでなく、大人の方々も完成後に丸めてみたり、構造を観察する姿が見られ、幅広く興味を持っていただけたように感じました。


「丸まるコツブムシくん」は、等脚類を研究している大学院1年の大見川遥さんと阿部博和先生がデザインやアイデアを担当し、それを学部4年の相澤和瑛くんが形にしてくれました。

 

丸まるコツブムシくんの制作秘話(海洋ベントス学研究室4年、相澤和瑛)
私は当初コツブムシに関する知識がなかったため、実物の標本や写真の観察からスタートしました。この作品の課題は「丸まる機構の再現」でした。実物に近い形に再現性を追求すると、なぜか逆に丸まりにくくなるというジレンマの中、子どもたちが作りやすい難易度の調製も必要で、大変頭を悩ませました。
本番1週間前にようやくベースの部分が完成し、触角、目、口、付属肢など細かい構造まで描きこみました。その後も、想定通りに丸まらない、工作の時間がかかりすぎるなど様々な課題が発生する中、パーツの簡略化などの最終調整や他の学生のための組立てレクチャー動画の作成など、夜遅くまでの準備が続き、無事に完成に至ることができました。
ワークショップでは、コツブムシくんの工作が楽しかったという声や、コツブムシに興味を持ったという声を聞き、嬉しい気持ちでいっぱいです。「丸まるコツブムシくん」では、すでにさらなる改良の案が出ています。今後はどのような進化を遂げていくのか、ぜひご期待ください。





今回のワークショップでは、小学生の子どもたちと触れ合う貴重な時間となりました。

私たちが普段の調査や授業で得た知識を、まだ知識の少ない子どもたちにどうやって伝えればよいのか、どこから説明を始めるのがよいのか、興味を持ちやすいのはどんな話題かなど、考えるべきことがたくさんありました。

この経験は、同様のイベントや研究発表だけでなく、学外や社会でのコミュニケーションにも役立つものがあると感じています。

相手はどこまで知っていてどこから知らないのかという、相手の目線から物事を考えるための勉強の機会でもありました。子どもたちに楽しみながら学んでもらうだけでなく、私たち学生自身の学びの場にもなったため、参加してよかったと思いました。

どちらの企画でも、子どもたちが楽しそうに作ってくれたり、私たちが説明した知識を嬉々としてご家族の方に話してくれたりした姿が印象に残っています。その姿に私たち学生も元気をもらいました。


また今回のワークショップに参加する中で、ワークショップ主催のネイチャーセンター友の会の方々や、他の参加団体の方々にもサポートをいただき、色々なお話も聞くことができました。

とても楽しいワークショップになったと思います。ありがとうございました。

 


 



 

【リンク】

  • 海洋ベントス学研究室(阿部博和 准教授)  HP   X  Instagram

 

 

【関連ブログ記事】

#海洋ベントス学研究室 #海洋生物・環境コース

#学生の声 #在学生 #地域×大学




今回のイベントのほかに、夏休み中のイベント2件をブログで紹介予定

乞うご期待!(少しチラ見せ)


  • 8/3(土)8/4(日) 夏休み自由研究企画『縁の下のちからもち,ふしぎな海のいきもの「ベントス」のヒミツを探ろう』(牡鹿半島ビジターセンター)


  • 8/18(日) 「石巻専修大ベントス研 水辺の生き物ふしぎセミナー」(石巻・川のビジターセンター)


2024年9月6日金曜日

【写真23枚+動画4本】地域の生物と環境から学ぶ 1年次の海洋生物実習を行いました(万石浦編)

 

6月8日(土)に野外生物実習(海洋生物系)が行われました。海洋系の実習は、渡波海岸チームと万石浦チームに分かれての実施です。

万石浦の実習では、干潟でのアサリの出現状況を観察し、震災の影響について考察します(人工干潟と元々干潟だった場所での比較)。

1年次の野外生物実習という科目では
「海洋系・動物系・植物系」の実習を実施

1年生全員が3回の実習に参加します
 

 

9:30に大学集合
胴長を受け取ってバスに乗り込みます

 

 

約20分ほどで到着
大学のすぐ近くに豊かなフィールドが
広がっているのは本学の強みです!

胴長を着て準備します

参加学生は22名で、5班に分かれて行動

4年生3名と教員4名がサポート
(担当教員は玉置、久米、渡辺、平田)

人工干潟まで船で向かいます

始めて船に乗るという学生も多かったのでは?
実習日和の天気で最高でした


 

人工干潟での調査


上陸した班から、玉置先生の説明を受けて実習開始!



アサリの出現状況を観察
北・中央・南のエリアで2カ所ずつ

アサリの生育環境も調査

泥の割合、硫化臭の有無、環境の特徴は?

アサリのほかに、どのような生物が?

「干潟で見られる主な生物」

思い思いに自由観察

 

 

大学公式インスタにて、実習動画公開中!
同時並行で行われた万石浦編


 
同時並行で行われた渡波海岸編
 
 
海洋系の他にも、動物実習や
植物実習の動画も
 
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元干潟での調査


再び船に乗って、別の調査地へ

元々干潟だった場所
かなりぬかるんでいます

人工干潟での調査同様、
アサリの出現状況と環境を調査

果たしてアサリは・・・?



掘れども掘れどもアサリは出てきません

生物科学科の学生は半数以上が県外出身者

ニュースでは見ていた情報を実際に体験することで、
何か考えるきっかけになったことでしょう
 

 

実習後は近くのサン・ファン館でお昼休憩
 
サン・ファン・バウティスタ号が
4分の1サイズになっていました

支倉常長の顔はめ

 

皆さん、実習お疲れ様でした!

 

 

【関連ブログ記事】

#実験・実習 #動画 #在学生