2023年4月20日木曜日

糞から探る、何食べてる?


動物生態学研究室の辻准教授は、2010年から東南アジア・インドネシアで野生哺乳類の野外調査を行っています。

今回、糞分析によるマレーヒヨケザル (Galeopterus variagatus) の食性評価の論文(麻布大学・ボゴール農科大学との共同研究)が、Mammal Research誌に報告されました。マレーヒヨケザルを対象とした食性の定量的な評価は、世界初の試みです。

 

食性評価とは、その動物がいつ何をどれくらい食べたかを調べることで、動物の採食戦略を明らかにするものです。食性評価にはいくつかの方法がありますが、辻先生が得意とするのは動物の糞を収集しその組成を分析する糞分析で、これまでに様々な動物を対象に食性評価を行なってきました。

昨年には、指導した4年生が金華山のニホンザルの糞分析を行動観察と比較した論文を報告しました (菅原 & 辻, 2022 霊長類研究)。

 

今回対象となったマレーヒヨケザルは、写真のように飛膜と呼ばれる膜を持ち、これを使って「滑空」します。基本的には樹上で葉を食べて暮らしていますが、イチジクが実をつけると果実中心の食生活になっていました。

 

この素早い食物の切り替えは、同じ森に暮らすリーフモンキー (ヒヨケザルと同様に葉を食べるサル) には見られないことから、「滑空」というマレーヒヨケザル独自の生態や腸内通過時間の短さが、柔軟な採食行動に関係している、と辻先生は考察しています。


糞をするヒヨケザル
尾の皮をひょいっと持ち上げてちょいと失礼!

排泄されたヒヨケザルの糞
辻先生はこれを1年間集めて内容物を分析しました


 
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