2022年2月18日金曜日

12月の海中散歩(玉置)


冬の海

潜水による海藻調査の仕事を長くしていると、「冬の海にも潜ったりするのですか?」と聞かれることがあります。答えは「イエス」です。

宮城の冬の海では、水が澄んでいる日も多くて観察がしやすいですし、海藻種によっては冬に大きく成長したり、またこの時期にしか肉眼で観察できない種もありますから。

 

続けて「冬の海は寒くないですか?」と聞かれます。当然、寒いです。冬に潜ると、知らずシラズに宮澤賢治の「雨ニモマケズ」の詩*を海の中でつぶやいています。

 

雨ニモマケズ 風ニモマケズ…

 

冬の海から上がった時に、船長さんが気を使ってくれて、簡易なお風呂を用意してくれました。

ア タ タ カ イ …

 

冬の海の寒さで冷え切っていた身体の芯が、お湯の中でホッコリしてきます。小さなシアワセの実感。

ただただただ残念なことは、この後に直ぐに、もう一度、冬の海に入らないといけないということ…



今日も透明度の高い宮城の冬の海の中で、海藻調査の仕事をしています。


雨ニモマケズ 風ニモマケズ……

冬ノ海ノ寒サニモマケズ……


皆さまもどうかお身体を大切に。

 

藻々

*新校本 宮澤賢治全集 第六巻 詩5、筑摩書房



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