2025年12月16日火曜日

シカが生態系に与える影響を体感しよう(3年生・動物学実習) 

11月1日(土)に、3年生の動物学実習の一部として、フィールドワークを行いました。参加者は8名でした。

    

この日の目的は「シカの採食圧が森林生態系に与える影響を評価すること」です。

シカの影響をあまり受けていない大学演習林と、シカが高密度で生息する牡鹿半島の森林をそれぞれ歩き、植物の生育状況について実感してもらうことを目的としています。



大学演習林(大学から徒歩5分)


ガイダンスの後、大学から歩いて演習林へ
「さあ、出発!」

大学演習林はシカの生息密度が低いため、アオキなどの常緑広葉樹が比較的多く残っています。下層植生もそこそこ残っています。

動物生態学研究室の学生がここで調査するときは、ナタを携帯し、時々ヤブを払って進みます。


アオキ (Aucuba japonica)
緑の葉と真っ赤な果実のコントラストが特徴
シカが好んで採食します

うげ、クモの巣だ

「藤原先生、これは何の虫ですか?」

朽ち木に生息するキマワリの幼虫です


3年生の鳥畑君が、この森林でスタートさせたばかりの
自分の研究について紹介しました

4年生の岩渕君が、卒業研究で調査している、
演習林のシカについて解説します
「同じ石巻のシカでも、生息地の植生によって
食物構成は大きく変わるんです」


早朝まで雨だったこともあり、時々足を滑らせながらの山歩きでしたが、受講生は普段とは違う体験に楽しそうでした。


演習林の散策は終了
「おーい、みんないるかー?」


大学から徒歩5分に調査地があるというのは、
石巻専修大の大きな強みです




牡鹿半島・清崎憩いの森

バスに乗って1時間、こちらは牡鹿半島先端部に位置する、清崎憩いの森です。

ミツバアケビ (Akebia trifoliata

サルナシ (Actinidia arguta)
どちらも、森の動物たちの大好物です


サンショウ (Zanthoxylum piperitum)
樹皮にするどいトゲが映えているのがシカが好まず
林内に高密度で生育しています

シカが高密度で生息する半島部には、
このようなトゲ植物や
毒のある植物が数を増やします。



クマノミズキ (Cornus macrophylla)
果実の多くは鳥に食べられたあとでした


途中で休憩しました。

大学構内で夏に採取されたハチミツを、みんなで試食しました。夏の花々の濃厚な味わいが口に広がります。今回はチーズクラッカーをハチミツのお供にしました。



清崎にはこのように散策路が整備されており、散策にはもってこいの場所です。森林もあり、池もあり、海岸もあります。 

体に突起物のあるウシカメムシを見つけました


鳥畑君と藤原先生が川で何やらゴソゴソやっていると思ったら、

狙いを定めて…




網でそっとすくってみると、なんとずっしりと重い巨大なモクズガニです(でかっ!)。さすが生粋のフィールドワーカーですね。

それにしても立派なハサミです。モクズガニはハサミにびっしりと「藻屑(もくず)」のような柔らかい毛が生えているのが特徴です。

注意:海岸での生物採集は、地元の漁協に事前に許可を得て行い、観察後は元の場所に放しました。無断採集は禁じられていますので、ご注意ください。


おや、学生たちと藤原先生が朽ち木を崩し始めました


なんと、コガネムシ(甲虫)の仲間の幼虫が10匹以上でてきました! 

たった1本の朽ち木に、こんなにたくさんの幼虫がいるとは驚きです。よほど住み心地がよいのでしょうか? 

幼虫を何匹か持って帰った横山君(藤原研)は、自宅で飼育体制を整えて来年の羽化に挑戦することにしたそうです。どんな姿の成虫が羽化してくるか、楽しみですね。



帰りの道すがら、サルナシの果実を試食しました。サルナシは、野生のキウイフルーツです。甘酸っぱくておいしい。みなさん、テンの食べる分も残しておいてくださいね。




学生の感想(一部抜粋)

  • シカが増えすぎるとそのエリアから植物が消失してしまうほどの影響があることを学んだ。シカの影響が異なる場所を回ったことで、動物と植物双方に興味を持つことができた。
  • 講義で学んだシカの採食圧を実際の環境で観察することができ、理解が深まった。
  • シカが植生に与える影響を実感できた。
  • 清崎では、シカのフンがたくさん落ちていたので驚いた。 
  • 昼休憩の時間に出されたハチミツはとてもおいしかった。セイヨウミツバチと二ホンミツバチで味や香りに違いがあることも分かった。 
  • 舗装されていない演習林を歩くことで、自然を観察できてとても貴重な経験だった。



【関連ブログ記事】

#実験・実習 #動物・植物コース #学生の声

 

2025年12月8日月曜日

「牡鹿鯨フェア2025」に地域水産利用学研究室が出展 生物資源の有効活用の取り組みを紹介

 

11月2日(日)、ホエールタウンおしかにて「捕鯨のまち鮎川発!! 鯨づくしの牡鹿鯨フェア2025」が開催されました。

地域水産利用学研究室(鈴木英勝教授)は、鯨のプロテイン味噌汁や鯨のスイーツを紹介しました。鯨という生物資源を科学的に評価し、有効活用すべく取り組んでいます。

研究室の学生が来場者の方に解説
左から千葉さん、岡さん、鈴木教授
 

当日は、現在進行中の卒業研究の内容も紹介しました。鯨を利用した、フィルムやブロック資材を見ていただきました。

フィルムはツチクジラの皮から採集したゼラチンを、ブロック資材はミンククジラ・ツチクジラの赤身を利用しました。作成方法により、どのように強度や耐水性が変わるのかなどを調べています。

左がフィルム、右がブロック資材
 
ミンククジラをスイーツに加工
左から、クジラキッシュ、クジラカステラ、クジラ金華餅
協力:菓子工房美松(青森県)


鯨の頭骨や脊椎骨、椎間板、肋骨も展示しました
コビレゴンドウ(ハクジラの一種)


参加した学生のコメント 千葉広大さん(3年)

イベントでクジラを食べたり、骨を展示したり、クジラについて触れる貴重な機会となった。また、ガチャ景品のモツゴの骨格標本やアニサキスのストラップを紹介する中で、自分自身の理解もより深まり、多くのことを学ぶことができた。

恒例のガチャガチャ



【リンク】

 

【関連ブログ記事】 

#地域水産利用学研究室 #海洋生物・環境コース

      

メディア出演

日テレ系の「ウミコイ:今海に出来ること」(バックナンバー)に、鈴木教授が出演しました(11月7日)。ナビゲーターは桝太一さん。

2分程度の動画です。学生も少し写っています。ぜひご覧ください。



2025年12月2日火曜日

自然科学コース2年次の学生が工夫を凝らして模擬授業 酸化還元反応、太陽系、古生物など

 

2年次後期には、パソコンスキルやプレゼンスキルを身に付けるための「基礎演習」があります。4つのコースに分かれて実施しています。

3年次前期の「バイオサイエンスコミュニケーション」や3年次後期からの研究室での活動につながります。



教職チームの様子を紹介(前半は模擬授業)

自然科学コースでは、学生3~5名のグループに分かれて、少人数で実施しています(指方班、山崎班、前田班、渡辺班)。 

渡辺班には、教員を目指す5名の学生が集まりました(大野さん、伊藤さん、藤川さん、松坂さん、武藤さん)。和気あいあいと取り組んでいます。

 

前半で模擬授業を行いましたので、今回はその様子をお伝えします。

模擬授業は「中等教科教育法(理科)」という教職科目でも行いますが、実践経験を増やすべくコース独自に実施しています。

また、2次選考で模擬授業が課される自治体を受験予定の学生がいましたので、その練習にもなったと思います。

 

まずは物理・化学・生物・地学の担当範囲を決めて、各自で授業案を練ってきます。

結果として、酸化還元反応、神経系、太陽系、シダ植物・コケ植物、古生代のトピックスに決まりました。

 

次に、2週を使って全員で授業内容を検討します。

面白い例はないか?見せ物は何が適切か?身近な例はないか?など導入を考えたり、ワークシートが適切か?グループワークを取り入れるべきか?など、授業の進行についても意見を出し合いました。

 

 

本番は「20分授業+20分反省会」

それでは、どんな模擬授業が行われたのか、雰囲気を見ていただきましょう。 

 

大野さん 酸化還元反応について(高校化学)

かわいい指棒を用意して授業
「色の差が出るのはなぜ?」
他の学生は生徒役です
学生によるコメント
話し方にとても親しみを感じました
何を教えたいのか伝わってきました
酸化と還元が常に比較された作りで分かりやすかったです
「全体的によく準備された分かりやすい授業だったと思います」


 

伊藤さん 神経系について(高校生物)


写真は撮れませんでしたが、
最初にレクリエーションを実施
手をつないで神経の反応時間を男女で競いました
(実際の授業でも盛り上がること間違いなし)
学生のコメント
絵をかく時間やレクリエーションがあって楽しかった
本当に学校の授業を受けてるみたいでした
とても分かりやすくて、聞いていて勉強になりました



藤川さん 太陽系について(高校地学)


まずは宇宙の動画で興味を引き、
太陽系のサイズを実感するためのワークを行っていました
学生のコメント
「もっと学びたくなる内容でした」
「各惑星の特徴が表にまとまっていて分かりやすかった」
「しっかり準備されていて、テスト対策でも使いやすそうだった」


 

松坂さん シダ植物・コケ植物について(中学理科)
自宅から採ってきたイヌワラビを使っての授業
ポケモンで興味を引いてもらうよう工夫していました
学生のコメント
実物があり、興味を持ちやすかった
ワクワクする話し方で内容も入りやすかったです
生徒の意識を向けるのが上手で、参考にしたいです
楽しく受けることができて、中学生でも飽きない授業だった



武藤さん 古生代について(高校地学)

イラストを多用して工夫していました
「崖の上のポニョ」に出てくる古生物なども紹介
学生のコメント
全体的に準備がしっかりしていて良かった
「大事なところが簡潔にまとめられた資料でした」
生徒を引きつける写真もあって良かったと思います


それぞれの模擬授業後には、授業内容/話し方/板書・パワポ・配布資料について相互評価もしてもらいました。

コメントはTeamsのチャットですべて共有し、次に活かしてもらいます。

  

 

おまけ ファージストラップ作成でアイスブレイク

学生からの希望もあり、最初にファージストラップ作成を行いました。大学祭の出展準備で材料が揃っていたため、その練習も兼ねて実施(大学祭の様子はこちら)。

将来、教材として使えるかもしれません。材料は簡単に用意できますので、ぜひマネしてください。

自然科学コースカラーのファージストラップ
 
ペンケースに付けてくれている学生も

 

参加学生の声
  
  • 話すスピード、板書、説明など色々と課題は山積みですが、早いうちに自分の苦手な所を見つけることができたので、改善してもっと良い授業になるよう工夫していきたいと思いました。また、お互いに意見を出し合い、自分では気づかなかった点に気づくことができ、とても良い経験になりました。 
  • 授業の準備で、生徒がどんな反応をするか、どうしたら分かりやすいかを考えるのが楽しかったです。 実際に授業してみると、予想通りにいかなかったり、板書の仕方や進め方に改善すべきポイントがあり、もっと良くできると感じました。自分の目指す授業にできるように努力していきたいと思います。 
  • 周りよりも早い段階で模擬授業に取り組めて良かったです。みんなからの指摘により、自分の強みや弱みが分かりました。得られたことをこれから活かしていきたいと思います。
  • とても良い経験になりました。他の人の授業を見て吸収できることもあったし、自分の授業を見てもらって改善点も見つけることができました。発表前にみんなで話し合うことができたのも良かったと思います。 
  • 模擬授業のあとすぐに検討するのが良かったです。いきなり授業に入るのではなく、最初にファージストラップ作りをして他の人と話すという時間があったので、模擬授業では緊張したけど楽しく授業することができました。 

 


日程(前半のみ)

  •  9月24日 自然科学コース全体ガイダンス、班決め
  • 10月 1日 模擬授業担当決め、ファージストラップ作成
  •     8日 授業内容の検討
  •    15日 授業内容の検討
  •    22日 最終確認・再検討、発表1
  •    29日 発表2、発表3
  • 11月 5日 発表4、発表5

 

「自然科学基礎演習」の後半では、集団討議(グループディスカッション)の練習を始めました。

お題を見て、10分考える時間
30分討議、その後は反省会

自身の経験を交えながらの討議
全員が1回は司会を経験します

数をこなして慣れていきましょう!
 

 

教職チームの基礎演習では、教職で役立ちそうなら何でもやってみよう精神で行っています。 

今年度は課外授業として、12月14日(日)に震災遺構「門脇小学校」の見学を計画しています(解説ガイド付)。→ 当日の様子をアップしました!

学生には、石巻にある大学だからできる学び・体験をたくさんしてほしいと思っています。

 

 

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#自然科学コース #学生の声 

 

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