2022年6月21日火曜日

水質検査の方法を学ぼう 1年次の野外生物実習を実施しました(動物実習:測定班編)


観察班編 に引き続き、測定班の実習レポートです。

観察班で観察された生物の写真と動画、それから学生の感想も載せてあります。

 

 

 測 定 班 

自然科学コースの学生は、水質検査の方法を学びました。私たちはどのくらい水を汚染させているのでしょうか?

「パックテスト」という簡易キットを使っての分析。自ら採集してきた水を使って、自ら分析することで、環境問題を考えるきっかけにもなるはずです。

鳴海先生による使用方法の説明に耳を傾ける学生

「意外と簡単に検査できるんだなぁ…」

 

水素イオン濃度(pH)など、色々な項目に対して環境基準が定められていますが、今回は「COD」「りん酸」について検査を行いました。

 

「COD」は化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand)といって、有機物による水質汚濁の測定に使われます。たとえば、私たちの生活排水がどのくらい水を汚しているかが分かります。

「水に溶けている分を測定するので、海洋プラスチックは不可」

「りん酸」の方は、肥料に使われるイメージが強いでしょうか。栄養が多くなりすぎても困ってしまいます。藻類が異常増殖したり、水に臭みや色が付く被害があります。 


みんな真剣に取り組んでいました。

 

「だいたいこのくらいかな…」


鳴海先生と指方先生が巡回指導

 

分析結果、汚濁の程度とともに、採取した場所の様子や考察、感想を書いてレポートとして提出します。

1年次の後期には「環境調査法基礎」という科目があります。そこでは、環境調査の統計学的手法の他に、水質の様々な分析方法を学びます。



自然科学コースって?

「生物だけじゃ、もったいない。」

自然科学コースは、化学も物理も数学も幅広く勉強できることが魅力のひとつです。

生物科学の専門科目も学びながら、将来的には化学・物理・数学の研究室に所属することが可能です。





 観 察 班 

海洋生物・環境 / 動物・植物 / 微生物・生命分子 の各コースの学生は、採ってきた水に生きる原生動物の観察を行いました。

どんな生き物がいたのでしょうか? 観察されたものを少し紹介します。

良く分からないものは図艦を使って同定

 
「ミジンコ!」

 良く見ると、食べ物?を体の中に入れて排出する様子が写っています。

 

 
スケッチ用にスマホ撮影

 見た目や行動を細かく観察します

 

「ニョロニョロ動いてる!」

 

「何かの卵かな?」

肉眼でも確認できる大きさ
 


生き物がうまく見つからなかった学生は、芳賀先生からゾウリムシを分けてもらっていました。失敗は成功のもとです。失敗から学びましょう。

「意外と動きが早い!」 教科書からは分かりませんね。

3年次の「原生生物学」という科目で詳しく学びます。


 

学生のレポートに記載された生物たち

ミドリムシ、フナガタケイソウ、ツボワムシ、カイミジンコ、ハネケイソウ、アオミドロ、センチュウ、ケンミジンコ、ワムシ、ユスリカ、ボルボックス、etc…


学生の感想を少し紹介!(掲載許可確認済)

  • 急にスピードを出して動いたり、回転しながら動いたり、一つ一つ個性があって面白かった。
  • 人生で初めて自分で採取した原生生物を観察した。自分で採取することによって、どのような場所で、どのように採取したのかを鮮明に覚えながら観察することができるから、より勉強になった。
  • 見つけることと考えることでたどりつくことができた喜びと驚きは大切にしたいと感じた。



 

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