2024年11月19日火曜日

鹿の角切行事に参加してきました! 動物生態学研究室 岩淵友哉

 

生物科学科・動物生態学研究室3年の岩淵友哉です。

106日(日)に金華山で毎年行われる伝統行事の「鹿の角切り」に学生ボランティアとして参加させていただきました。

 

鹿の角切りは、立派な角を持った雄鹿が人間に危害を加えることがないように鹿を角切り場に追い出し、白いハチマキに法被姿の勢子(せこ)が「十字なげ縄」を走る鹿の角めがけ投げ掛けて捕獲し、神官が角を切り落とすといった伝統ある行事です。

十字なげ縄で鹿を捕らえようとしている様子
鹿が素早く捕まえるのが大変そうでした
 

今回が初めての参加で、間近で鹿を見られるという期待と上手くできるかという不安でいっぱいでした。

鹿が逆走したり、逃げたりしないように先端に赤い旗の付いた棒で壁を作り、大声をあげて追い込むのが役目でしたが、立派な角を持った雄鹿がすぐ目の前を鹿が走り、棒の上をジャンプして逃げるのを間近で見て、もしこの鹿が突っ込んできたらひとたまりもないと思い怖かったです。

鹿を追い込む様子
 

捕まえた鹿を押さえましたが、とても力が強く、押さえるだけでも精一杯でした。角を切り終わった時、観客からの拍手でやりきった気持ちと鹿に何事もなく無事に角を切れたという安心でいっぱいでした。

神官が角を切る様子
周りの人は鹿がヒートショックを起こさないように
水を飲ませたり腹や下腹部に水をかけたりしました

 

鹿の角切り行事に参加して、行事の雰囲気や鹿の力強さなど、普段の生活では体験できないような貴重な経験をすることができました。

また、地域の方と交流したり、行事に参加したりすることは、行事の歴史、知らなかったことなどを知る大切な事だと思いました。

とても貴重な体験をすることができるので、気になった方は来年、参加してみてはいかがでしょうか。



 【リンク】

 

 

【関連ブログ記事】

#学生の声 #地域×大学

#動物生態学研究室 #動物・植物コース

 

 

2024年11月13日水曜日

【平田助手の紹介】実験・実習・授業を多面的にサポート 学生からのお悩み相談も

 

平田 智士(ひらた さとし)

大学案内でのインタビュー(4年次)

 

山形出身で、2022年度に本学を卒業後、2023年度から理工学部の助手として勤務。授業のサポートから学生に対するお悩み相談まで、フル活躍しています。

そんな平田助手に、仕事内容や今後の目標などをお聞きしました。

 

 

 

  実験、実習、授業のサポートに忙しい日々を送っていると思いますが、普段どんなことをしているか仕事内容を教えて下さい

実験では、実験前の準備(器具や材料の準備、教室のセッティング)と、実験手順・器具の操作などわからない学生の補助を中心に行っています。また、実験途中で発生した急な作業なども行い、実験が円滑に進むようにサポートしています。

実習では、実習場所までの引率や、実習中の学生の安全確認、状況に応じて今後のレポートを見据えた着目点をヒントとして出すなど、実習に不慣れな学生へのサポートを中心に行っています。

授業では、授業の内容にもよりますが、資料の準備、授業の進行に後れてしまっている学生へのサポート、出席確認、試験監督補助、レポート採点など幅広いサポートを行っています。

寺子屋での指導

また、授業時間外でも質問がある学生の個別対応や学生生活での悩み相談なども行っています。

個人に寄り添ったサポートをしているため、学生さんが今までわからなかったことがわかるようになったり、できなかったことができるようになったり、その他小さなものでも成長を間近で見られるのが大変嬉しく思う仕事です。


 

 

  授業とは別に、学習支援プログラムである「寺子屋」 でも平田さんは活躍していますが、参加してみての感想をお願いします

寺子屋は、数学が苦手な学生が多く受けていますが、数学が苦手と一口に言っても、使うべき計算式がわからない、計算式の解き方がわからない、それ以前の基礎ができていないなど人によって躓いている箇所が異なります。

そのため寺子屋という学習サポートの場では、通常の授業形式のように全体中心ではなく各学生に合わせた個別の対応が必要であり、それこそが学習サポートの場を設ける大きな理由だと考えています。

ひとりひとりの個性に合わせて指導

はじめは各学生の様子を見ながら各々の学習状況を見極めることが難しく感じました。日によって学生のコンディションも変化するため回数を重ねた現在でも完璧に対応することは難しいですが、少しでも学生に合わせたサポートを念頭に置き後期の寺子屋も精進したいと考えています。

 



 

  平田さんの卒業研究の内容を教えて下さい

石巻専修大学の演習林に生育するタケの分類に関する研究を行いました。

石巻専修大学の演習林に入ったときタケを見つけこのタケはマダケとハチクどちらなのだろうかと気になったことで、演習林のタケに興味を持つようになりました。

調べるとマダケとハチクはタケノコの頃は見分けがつくのですが、成長し成木(タケ)になってからは、形態の特徴から見分ける方法が定かではなく図鑑などでもものによっては記述が異なっていました。

そこで、成木の形態からマダケとハチクを分類することはできないだろうかと考えたことが卒業研究にしようと思ったきっかけでした。

4年次は、樹木生理生態学研究室に所属
 

この研究ではフィールドでの調査期間より資料を使った調査期間の方が長くかかりました。

タケの研究は古い資料も多く、タケの侵入経路を調べるために石巻史を調べるなど、生物学的な分野を超えて情報を集め、必要な情報が見つかったときや情報の繋がりが見えたとき達成感と共にこの研究の面白さを感じました。

 


 

  平田さん自身の今後の目標を教えて下さい

現在私は教員になることを目指しており、教員免許を取るために助手の仕事をしながら勉強をしています。

以前から人に何かを教えることが好きだったのですが、助手の仕事を通して、自分はやはり人に何かを教えることが向いているのではないかと思うようになり、教員を目指そうと決心しました。

卒業後に進路変更したため、来年度からは石巻専修大学で 科目等履修生の制度 を活用し、まずは教員免許取得に向け勉学に励んでいこうと考えています。

 

 

  学生へのメッセージをお願いします

私が助手をしていてよく感じたことは、学生達が物怖じしており、質問や用事がある先生の所へなかなか行けないということでした。

話を聞いてみると、思い込みをしてしまっていることが多いです。例えば「質問が迷惑じゃないか」と考えてしまう人が数人いましたが、大学でしっかり学ぼうとしている学生を迷惑と思う先生はいないと感じます(少なくとも私は遭ったことがありません)。

ですが、漠然とした状態での訪問には注意が必要です。質問や用事はしっかり決めて、不安な人はメモに書いて持っていくことをお勧めします。また、質問の際はできることなら自分の考えを持っておくと「ここまでわかるのですが…」や「このように考えたのですが…」と質問もしやすく先生方も答えやすいはずです。

先生のところになかなか行けなかった学生さんの中には、質問などすること自体に消極的になってしまう人もいるかもしれません。しかし、せっかく大学に入ったのですから学ぶ機会を逃さないでほしいと私は思います。

学生さんの成長や学びを見ることができれば嬉しい限りです。

寺子屋での学生への声かけ



【関連ブログ記事】 #卒業生 #学生の声

学生時代も多岐にわたって活躍


2024年11月7日木曜日

石鳳祭で「生物科学科サイエンスフェス」を開催 老若男女問わず多くの方にご来場いただきました

 

10月12日13日の土日に「石鳳祭」が開催されました。

生物科学科では、子供から大人まで楽しめる科学の祭典「生物科学科サイエンスフェス」を企画しました。ミニオープンキャンパスも同時開催しました。

2日とも秋晴れの大学祭日和で、多くの方にご来場いただきました。

DNAストラップ作り
黒板は学生と教員で書いてみました
 

ご来場いただいた地域の方からは「学生が熱心に説明してくれました。こういったことをされている学科なのですね。」というお声がけも。生物科学科の研究・教育内容を知っていただく良い機会になったとしたら嬉しいです。

卒業生の姿も多く見られ、教員と思い出話に花を咲かせていました。

 


せっかくならということで
学科独自のポスターを作って広報

当日は2210教室と2211教室のふた部屋で実施
(自然科学・微生物が2210、海洋生物・動物・植物が2211)
 

ウーパールーパー




自然科学系  3つのサイエンスワークショップを開催

 

DNAストラップ・ファージストラップ作成コーナー
大繁盛で、人が途切れることはありませんでした

 

DNAストラップはATGCを再現
ファージも手軽に作れて人気でした
(真ん中のプラ版は漫画研究会のブースで作成)

 

自分の好みのビーズを選んで作ります

ストラップ作成指導は手取り足取りで、結構な人数が必要
学生に声をかけたら集まってくれました
石鳳祭の直前に練習会を行って準備してきました


虹色に光るマンゲキョウ作り
(回折格子を利用したもの)

他に、表面張力を使ったミニ実験も実施



  
 微生物系  保有株数世界一を誇るヒゲカビの展示
 

宮嵜研の4年生がヒゲカビの面白さを
来場者の方に伝えていました

数日でこんなに大きくなる巨大なカビ




海洋生物系  ベントス・深海魚・クラゲ


ベントス写真展・ベントス標本展示




オリジナルのベントスクイズ
「このベントスの特徴は?」

標本入りの深海魚ガチャ
当たりが出たら「クジラせんべい」などをプレゼント
(クジラせんべいは鈴木教授が開発に携わったもの)


クジラの骨も展示

海洋生物ラボで飼育しているクラゲを展示


 

動物・植物系  花粉・細胞・ゾウリムシ・ウーパールーパー
 
花粉の顕微鏡観察

ポストカードをプレゼント


細胞の見比べ
スマホで綺麗に撮れます

「動物組織おみじく」も実施
 
ウーパールーパーは
奈良研の4年生の卒業研究対象
 
 
 
 
お向かいの部屋は
骨格標本愛好会・生物愛好会のブース
標本の展示と販売をしていました

大学構内の三角池に生息する生物を展示


今年は準備期間が短かったものの、学科教員の半数程度となる10名が参加(太田、鈴木、阿部(博)/栁、奈良、根本/宮嵜/指方、前田、渡辺)。

ボランティア学生の協力を得ながら開催にこぎつけました。学生の皆さん、協力ありがとうございました。

 

大学の使命は、研究・教育・社会貢献。

本学での研究・教育の成果を、今後も何かしらの形で地域に還元していければと思います。

ご来場、ありがとうございました!



おまけ


石鳳祭のパンフレット・ポスターに使われている
イラストは生物科学科の平間さんによるもの

奈良研究室では団子屋さんを出店
お揃いのTシャツを作っていました

1年生にアンケートを取ったところ、石鳳祭への参加率は56%
参加した学生のうち、半数程度は出展側としての参加でした

育友会による餅つき

スタンプラリーもやっていました

恒例のビンゴ大会



【大学ホームページ関連記事】

 

【関連ブログ記事】  #地域×大学

生物科学科では、色々な形で地域貢献を行っています。

 

 

2024年11月5日火曜日

3年生の海洋生物・環境科学実習(湖沼編)を行いました! 伊豆沼の自然で環境保全を学ぶ

9月21日22日の土日に、伊豆沼で3年次の海洋生物・環境科学実習(湖沼編)を行いました。8月21日の海洋編に続いての実施です。

 

宮城県の北部にある「伊豆沼・内沼」はラムサール条約湿地に登録されている湖沼です。広さは東京ドーム83個分。国内最大級の渡り鳥の飛来地であり、夏にはハスの葉で覆いつくされます。

 

今回の湖沼編での実習では、伊豆沼での生物相を調査して、特定外来生物の占める割合を推定。伊豆沼の自然の豊かさを感じて、環境保全について学ぶことを目的としています。

海洋から湖沼まで、近くに豊かなフィールドがあり、そこで実習が行えることは本学の特徴です。



伊豆沼・内沼サンクチュアリセンターの職員の方による
伊豆沼の水産資源や外来魚問題についての講話

今回の調査地の水深は80 cm
全員胴長を着用(雨のため合羽も)
 
ハスで有名な伊豆沼
先発組はハスの横を通って、定置網に向かいます


必要な機材をそりに積んで運びます

 


定置網を引き上げ!


獲れたものをそりに移します

移動が大変でした




戻ったら、事前に用意した資料を使って分類
特定外来生物の占める割合を推定します

伊豆沼・内沼では、オオクチバスやブルーギルといった
特定外来生物による生態系への影響が深刻化

外来魚の駆除活動が実施されています



夕食は、平田助手特製のカレーと山形風芋煮



サンクチュアリセンターの淡水魚館も見学

(鳥館・昆虫館もあります)



学生のコメント

  • 久保田 悠真 さん
    伊豆沼実習では胴長を着用し定置網を引き上げて採取された生物を、自分たちで作成した資料をもとに生物種と個体数を調査するといった、地元では体験できなかったことばかりで良い経験となりました!
  • 桑高 颯良 さん
    伊豆沼での生物調査では、エビ類やタモロコ・モツゴなどの小型魚類を捕獲し、観察することができました。生物調査を通して伊豆沼の生物種の多様性を実感できたのは貴重な経験になったと思います。
    また、伊豆沼での外来種駆除対策や水生植物の埋土種子による復元活動などを講話の中でお話ししていただいたので、今回の経験を活かして環境保全に関する考えを深めていきたいと思いました。



【リンク】


【関連ブログ記事】

#実験・実習 #地域×大学

#学生の声 #海洋生物・環境コース

 

生物科学科の実習について

1年次の「野外生物実習」は必修科目で、全員が3回の実習に参加します(海洋系、動物系、植物系)。

3年次の実習は選択必修科目で、コースに関係なく、「海洋生物・環境科学実習」「動物学実習」「植物学実習」「生命科学実習」からひとつを選ぶことができます。

海洋生物・環境コースの学生については、これらとは別に3年次の「潜水調査実習」も履修可能です(人数制限あり)。