生物科学科には現在4コース・22の研究室があり、それぞれの研究室は専門分野が違う教員が主催しています。
これらの研究室は基本的には独立に活動していますが、ときどき共同で研究を行うこともあります。今日は、いくつかの例を紹介しましょう。
動物生態学研究室の武田悠佑君(4年生)は、卒業研究で牡鹿半島のシカの交通事故(ロードキル)の研究をしています。
事故の発生に道路周辺に生育する植物(種類、バイオマス)が影響しているのか否かを評価するために、植物系統分類学研究室の根本先生の協力を得て、植生調査を行っています。
植物構成を評価するには正しい識別が不可欠です。2024年の5月に、根本先生に同行いただき、共同で調査を行いました。調査中、根本先生に植物の名前や特徴を丁寧に教えていただきました。
植物発生遺伝学研究室の小野晃寛君(4年生)は、牡鹿半島のニホンテンによる種子散布の研究をしています。
動物生態学研究室と共同で収集したテンの糞から取り出した種子、そして果実から直接取り出した種子をそれぞれプランターに撒いて、発芽率を比べることにより、テンによる種子の飲み込みの効果を評価しようというわけです。
植物の栽培管理は、実験系の中川先生の得意分野です。
やった、発芽しました!
これらの研究は、「動物」と「植物」をつなぐ仕事と言えます。
自然界では、「動物」「植物」「海洋生物」は独立して存在するわけではありません。生態系の中で、それぞれがつながっているのです(海と陸も、実はつながっています)。
生物の暮らしを正しく理解するためには、メインの研究対象のことだけでなく、同所的に生息する他の生物も一緒に調べるのが理想的です。
同じ学科にいろいろな分野の教員がいるため、分野間のコラボがしやすく、生態系における「生き物のつながり」を探る研究のハードルが低いのが、本学の良さだと思います。
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