2026年7月23日木曜日

修士1年・甲地由樹さんの実践報告が学術雑誌に掲載 ベントス採集疑似体験プログラム

 

大学院修士1年の甲地由樹さんが学部4年次に執筆した実践報告が、みちのくベントス研究所が発行する雑誌「みちのくベントス」に掲載されました。 

この記事では、ベントス(底生生物)の採集を疑似体験できる教育プログラムの内容と、甲地さんのコメントをお届けします。

 

 

今回の報告は、2025年7月21日に開催された「南三陸子ども自然史ワークショップ」において海洋ベントス学研究室が企画・運営を行った「室内フィールドにおけるベントス採集疑似体験プログラム」についての実践記録です。

 

このプログラムは、野外フィールドを疑似的に表現した室内フィールドにおいて、実際にベントス採集を行っているような体験してもらおうというもの。

海の生態系や生物多様性の魅力を知ってもらうことを目的として、会場となった宮城県南三陸町の総合体育館ベイサイドアリーナの広い空間を活かしたプログラムとして企画されました。

ベイサイドアリーナでの準備の様子


実践記録では、企画の背景やコンセプト・狙い・準備の様子・運営方式・当日の様子がまとめられ、プログラムの教育効果や課題についての振り返りがなされました。

野外フィールドにおける磯や干潟の自然観察会は日本各地で行われていますが、それを室内で模倣するという取り組みは極めて珍しく、本実践の大きな特徴となっています。

南三陸子ども自然史ワークショップの当日の様子
海洋ベントス学研究室のメンバーで運営

今回のプログラムは、室内で行うため参加しやすく、参加者のアンケートから意図していた以上の効果が認められました。また、自然に興味を持ってもらうための気軽な体験を通した入り口として有効に機能するという感触が得られました。

今回の実践報告は、ベントスに限らず、さまざまな生物採集や自然体験プログラムへの応用も期待されており、今後の環境教育や科学教育の実践に役立つ資料となることが期待されます。

 

 

甲地由樹さんのコメント

昨年の南三陸子ども自然史ワークショップで実施した「室内フィールドにおけるベントス採集疑似体験プログラム」は、研究室で普段実施しているフィールド調査の経験を存分に生かすことで、予想していた以上に多くの子供たちに熱中してもらうことができました。

研究室のメンバーが全員で協力して長い時間をかけて一から作り上げたものでしたので、この取り組みや準備段階での創意工夫の過程を実践記録として残すことができてとてもうれしく思います。

今まで論文は読む立場でしたが、執筆する立場になることで、情報を整理し言語化することや伝わりやすい文章を書くことの難しさを実感しました。

ワークショップの際に取得していた各参加者の実施時間や各生物の発見率をデータを解析し、考察を行ったことで、難易度設定の適切さや参加者の傾向を知ることにも繋がり、振り返りのための有益な情報を得ることができました。

複数の情報を整理・統合し文章としてまとめる力は、今後の修士課程での研究や社会に出てからも生かせるものですので、今回は非常に良い経験になりました。よりよい文章を書けるようこれからもますます精進していきたいと思います。

室内における疑似的な生物採集体験の実施はあまり例がありませんので、今後似たようなプログラムを実施しようと思った方がいた際に、今回の報告を企画・運営の参考にしてもらえればうれしく思います。

本実践報告は阿部先生をはじめ研究室の皆様の協力によって完成したものです。ベントス研メンバーが工夫を凝らして制作した数々のギミックにもぜひ注目して、気軽な気持ちで読んでいただければ幸いです。

 

 

【リンク】

  • 海洋ベントス学研究室(阿部博和准教授)  HP   X  Instagram

 

 

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