2026年10月6日火曜日

磯の生き物を探せ! 3年生が「ベントスクエスト」に挑戦(海洋生物・環境科学実習)

 

7/11(土)の地曳網実習に続き、8/12(水)に「海洋生物・環境科学実習」の第2弾として、大室磯浜でベントス(底生生物)に関する実習を行いました。

実際にフィールドに出て、さまざまな生物とそれらが棲息する環境の特徴を実際に目で見て把握することで、海洋生態系に対する理解を深めることが目的です。

ただ観察するだけではなく、無脊椎動物学や海洋生態学などの講義で学んできた様々な知識を有機的に結びつけて、理解を深めます。

 

大室磯浜へ 

ベントス実習は、石巻市北上町十三浜にある大室漁港の外側に位置する磯場(通称:磯浜)で実施しました。

この日は台風が過ぎ去った直後で波の高い日でしたが、磯浜を囲う岩礁域が天然の防波堤としてはたらき、外洋からの波を和らげてくれました。


 

「ベントスクエスト」に挑戦! 

実習では、学生たちが4~5名に分かれて8つのパーティーを組み、FランクからSSSランクまでのミッションを順にクリアしていく「ベントスクエスト」を行いました。

 

ミッションは、特定のベントスの種類を見つけたり、紛らわしい種類を見分けたり、複数の動物門を探したり、同じグループに属する種を指定の数だけ見つけたりと、3年生にとってはどれもこれまでに経験したことの無いような内容でした。

お題のベントスがみつからず苦戦する学生たち

Eランククエストをコンプリート!
タマキビ、アラレタマキビ、クロタマキビ

磯のどこにいる? 

種類によって生き方や生活場所が当然違ってくるので、目的の生物を見つけるためには、どのような場所に生息しているのかを理解していく必要があります。

波打ち際を探したり…

海面よりもだいぶ高い位置を探したり…

4年生・大学院生がサポート 

3年生だけではクリアすることが難しいミッションは、各班を担当するSA(4年生)とTA(大学院生)の学生がヒントを出しながらサポートを行いました。

4年生の二階堂優和さん(手前の帽子の学生)は
昨年の本実習と1年間の研究室での学びの経験を活かして
立派にSAをこなしてくれました

大学院博士課程に在籍する
非常勤助手の小田晴翔さん(手前)は
本実習のTAは今回で4回目
完璧に仕事をこなしてくれました

みつけたベントスはバケツに入れてキープ

台風の後だったので
打ちあがったマボヤもみつかりました

飛沫帯の転石下深くに生息する巻貝類を探す3年生たち


SSランク・SSSランクのベントスを発見!

SSランクのオオウスイロヘソカドガイ
(手前の個体:宮城県レッドリストで準絶滅危惧)と
キントンイロカワザンショウ(奥の個体)を発見!
 
SSSランクのヤマトクビキレ
(宮城県レッドリストで絶滅危惧II類)も発見!
宮城県では希少な種ですが
生息場所が分かれば比較的容易に見つけられます

今回はほとんどのパーティーがSSSランクのクエストまでクリアしてくれました!

学生たちは磯場に生息する生物の多様性に興味津々で、クエストの対象となったベントス以外にもさまざまなベントスたちを観察してくれました。



磯にはこんなにたくさんの生物が!

学生たちが見つけたベントス 


節足動物門

アカイソガニ
ヒメアカイソガニ
ヒライソガニ
イソガニ
イワガニ
オオヨツハモガニ
シワオウギガニ
ホンヤドカリ
ケアシホンヤドカリ
ホシゾラホンヤドカリ
ケブカヒメヨコバサミ
イソカニダマシ
イワフジツボ
クロフジツボ
イソコツブムシ属の一種
ニセスナホリムシ
キタフナムシ
ヨコエビの仲間

ヒメアカイソガニ

軟体動物門
ヒザラガイ
ヒメケハダヒザラガイ
タマキビ
アラレタマキビ
クロタマキビ
イシダタミ
クビレクロヅケ
レイシガイ
イボニシ
アオモリムシロ
オハグロシャジク
マツバガイ

マツバガイ

ベッコウガサ
ヨメガカサ
コガモガイの仲間
アオガイ
クサイロアオガイ
キクノハナガイ
キントンイロカワザンショウ
オオウスイロヘソカドガイ
ヤマトクビキレ
ヒラスカシガイ
アメフラシ
アカザラガイ
イガイ
ムラサキインコガイ

環形動物門
イソゴカイ属の仲間
オイワケゴカイ

刺胞動物門
ヨロイイソギンチャク
ミドリイソギンチャク

棘皮動物門
イトマキヒトデ
ヒメヒトデ
バフンウニ
キタムラサキウニ
イシコ

イトマキヒトデ

ヒメヒトデ

外肛動物門
コケムシの仲間

海綿動物門
ダイダイイソカイメン

尾索動物門

マボヤ

脊椎動物門
ナベカ
アゴハゼ

ダイダイイソカイメン



実習での気付き 学生コメントより
採集クエストを実際に行ってみると、比較的小さな範囲であっても、さまざまな種類の生物が生息していることに気づきました。
普段は何気なく見ている場所でも、注意深く観察することで多くの生物を発見することができ、身近な環境にも多様な生物が存在していることを実感しました。


今回の実習を通して最も印象に残ったことは、一見すると何もいないように見える磯にも、実際に詳しく探してみると非常に多くの生物が生息していたことである。
実習前は、磯で見つけられる生物としてカニや大きな巻貝などをイメージしていた。しかし、岩の表面や隙間、転石の下などを注意深く観察すると、小型の巻貝やヒザラガイなど、普段は気づかないような生物を数多く確認することができた。


同じ磯の中でも生息場所が少し変わるだけで確認できる生物が変化したことから、生物の分布には水分、波、乾燥、岩の形状など複数の環境要因が関係していると考えた。特に転石の下には表面とは異なる生物が見られたため、小さな環境の違いが生物多様性を生み出していることを実感した。
特に印象に残ったのは、外見が似ている生物でも、細かく観察すると異なる特徴を持っていたことである。
例えば巻貝類では、殻の形だけでなく、殻表面の模様、色、殻の高さなどに違いが見られた。単に「巻貝」として見るのではなく、形態的な特徴を比較することが種を判別するうえで重要だと感じた。
今回の採集を通して、ベントスを発見するためには、生物そのものの特徴を知るだけでなく、「その生物がどのような場所を好むのか」を考えながら探すことが重要だと学んだ。
クエスト形式で採集することで、普段なら見落としてしまうような小型の生物にも注意を向けることができ、磯には想像していた以上に多くの生物が生息していることを実感した。
今回の実習によって、ベントスの種類を覚えるだけではなく、生物の形態、生息場所、生活様式を関連付けて観察することの重要性を学んだ。
今後、生物を観察するときには、単に種類を確認するだけでなく、「なぜこの場所にいるのか」「その体の特徴が環境の中でどのような役割を持つのか」という視点を持って観察したい。
  

 

3年生は後期からいよいよ研究室配属(研究室一覧)。

実習で学んだ自然の見方・考え方を、卒業研究にもぜひ活かしてもらえればと思います。

 

 

次は伊豆沼へ! 

9/26(土)には、海洋生物・環境科学実習の第3弾(湖沼編)「伊豆沼の生物資源保全に関わる野外実習」が行われました。

※ 2026年度(令和8年度)入学者から「海洋生物・環境科学実習」は「海洋生物学実習」と「環境科学実習」に分かれています。

過去の様子はこちら!


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#実験・実習 #学生の声 #海洋生物・環境コース