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2026年10月23日金曜日

色麻学園で中学生の自主学習をサポート 「分からない」は恥ずかしくない!

9月9日(水)、生物科学科4名・人間教育学科7名の学生が、色麻学園で学習支援を行いました。色麻学園は、小学校と中学校の9年間を一貫して学ぶ「義務教育学校」です。

今回は、中学生にあたる7~9年生を対象に、放課後の時間を活用した学習をサポート。生徒一人ひとりの理解度に合わせて一緒に問題を考えたり、学習の悩みに答えたりしました。


「皆さん、よろしくお願いします!」

生物科学科からは4名が参加
4年生の加藤さん、3年生の伊藤さん、小林さん、武藤さん


「分からない」は恥ずかしくない!

今回の学習支援は、授業ではなく、生徒がバスを待つ時間に設けられた「放課後学習教室」で行われました。

教室には「放課後学習教室」の4つの約束が掲示されており、その中には「分からない」は恥ずかしくない!というメッセージも。生徒が安心して取り組める環境づくりがされていました。

 

参加学生の声 

参加した学生からは、次のような声が寄せられました(※ 写真とコメントは対応していません)。

一人ひとりに合った教え方をする経験ができた

前回のオンラインでの学習支援に参加できなかったので、
今回対面で参加して、生徒の顔を見ることができて良かった

「分かりやすく教える」ことを日頃から意識していきたい

自分から積極的に声をかけることができず
もっと自主的に動き、行動できるようにしていきたい 

この日は、多くの生徒が数学の問題に取り組んでいました。英語や理科に取り組む姿も見られました。

学生からは「AIに頼りすぎている様子も見られたので、学習の中でAIを適切に活用できるよう、指導する側も注意する必要があると感じた」との声も。適切なICT教育について考える機会にもなりました。




色麻学園 × 石巻専修大学

学生にとっては、直接学校現場を見る機会に。

色麻学園(義務教育学校)では、小学校と中学校の教員が相互に授業を担当する乗り入れ授業も行われています。教員同士の情報交換がしやすく、異学年交流も活発に行われているようです。

とても綺麗な建物でした!

  

今回の取り組みは、色麻町教育委員会と石巻専修大学との連携事業です。中学生の学習支援でもあり、大学生の教育実践の場にもなっています。

 

また、教員も学部・学科の垣根を越えて参加しており、大学内の交流にもつながっています。

今回は、人間学部から奥山勉特任教授(算数教育)、横江信一特任教授(学級経営)、小玉幸助准教授(医療保育)、経営学部から若林雅子特任講師(ビジネスと情報)、生物科学科から渡辺正芳(数理生物学、科学教育)が参加しました。 

専門性を生かしながら、大学全体で地域の子どもたちの学びを支えています。

「本日はありがとうございました!」

 

石巻専修大学と色麻学園は約40 km離れているため、普段はオンラインでの学習支援を行っています。

大学ホームページ関連記事:【保育士・教員養成センター】色麻学園とオンライン放課後学習支援を実施 

次回は、レクリエーションや体験授業、そして理科の授業の見学などが計画されています。


 

【リンク】 

 

 

【関連ブログ記事】

#地域×大学 #学生の声

#教員採用試験 #自然科学コース

生物科学科では、理科の専門分野を学ぶだけでなく、教員を目指す学生が経験を積めるさまざまな機会を用意しています。

  • 色麻学園での学習支援
  • 仙台市科学館の見学
  • 震災遺構門脇小学校の見学
  • 大学祭での地域交流(わくわくサイエンス探検、算数トライアスロン)
  • 在学生を対象とした学習支援(寺子屋)
  • 教員採用試験に向けた独自の勉強会

 

 


2026年10月20日火曜日

【3年次・植物学実習】蔵王山は花の宝庫

 

6月20日(土)、21日(日)に3年次の植物学実習が行われました。

動物・植物コースだけでなく、自然科学コースや微生物・生命分子コースの学生も参加し、14名での実施となりました。

 

残念ながら2日目の日曜日は大雨で二口渓谷での実習は中止になってしまいましたが、1日目の蔵王山はお釜付近だけでなく御田の神湿原も刈田嶺神社の参道も駒草平も、近年稀に見る満開の花々で大変充実した植物観察実習にみんな大満足でした。


蔵王山の御田の神湿原
生態系を守るため木道の上を歩きます

鈴のようなサラサドウダン
(Enkianthus campanulatus)

萼がピンピンと目立つガクウラジロヨウラク
ウラジロヨウラクの変種です

携帯顕微鏡を使って
小さな小さな地衣類を観察
見えますか?



コバイケイソウ(Veratrum stamineum)が
こんなきれいに咲いているのは
この10年で初めてでした

チングルマの花(右)と雌しべが伸びた綿毛(左上)
名前の由来はこの綿毛から


オオシラビソ(Abies mariesii)には
大きな松ぼっくり(球果)が
クリスマスツリーのオーナメントに使われることも
オオシラビソはハイマツと並んで蔵王山の代表的な樹です


マイヅルソウ (Maianthemum dilatatum)

ベニバナイチヤクソウ
(Pyrola asarifolia subsp. incarnata)
これもツツジ科です

ズダヤクシュ (Tiarella polyphylla)
漢字では喘息薬種
ズダは喘息の方言で
喘息の薬として使われていました


砂礫の中で咲き誇る
コマクサ(Dicentra peregrina)


駒草平はコマクサの保全区域となっています



学生の感想

  • 蔵王という厳しい環境で生き抜くために様々に形質を変え、適応していき、それを目で見て感じることが出来た。
  • 場所が少し変わるだけで生育する植物の種類がこんなにも変わることに驚いた。
  • 実際に高山植物が生えている生育環境の中で観察できて、なぜその特徴を持つようになったのか考える良い経験になった。
  • 風が強いところの植物がどれも背が低く地を這うようだったのに対し、風が穏やかな湿原は比較的背が高い植物が多かった。植物が環境に合わせて形を変えていっているのを感じた。

 

  • とても寒冷な環境下で単独ではなく、様々な種と群落を作り生息しており、この厳しい環境で生き抜くためにお互いに協力し相互作用しながら生息しているのではないか。
  • 調べてみたら絶滅危惧種だった種が思っていた以上に多く、あの辺り一帯が保護区になっていることに納得した。
  • 普段あまり観察することのできない植物の自生地での姿を観察することができて興味深かった。
  • 野生のモウセンゴケを見れてすごく驚いた。 

  • 見た目がよく似ているウラジロヨウラクとガクウラジロヨウラクとヨウラクツツジのDNAの塩基配列にはどのような違いがあるのか研究してみたい。
  • ツツジ科の花がいっぱいあったが、種の判別が難しかった。

 
 
 

生物科学科をもっと知る



【関連ブログ記事】

 #実験・実習 #学生の声 #動物・植物コース

 

2026年10月15日木曜日

教員採用試験に5名が合格!「ずっと夢だった教員に」合格者の声をお届けします

 

2026年度の教員採用試験で、石巻専修大学・生物科学科から中学校理科に5名が合格しました! 

合格者の内訳は、宮城県1名、山形県3名、青森県1名です。このうち1名は本学科の卒業生で、現在は教員免許取得のため科目等履修生として学んでいる学生です。

 

生物科学科では自主ゼミ「教職セミナー」を中心に、理科の勉強から面接対策まで、4年間を通して理科教員を目指す学生を支援しています。  

今回は、合格した5名に、試験対策や後輩へのメッセージ、これから目指す教員像について聞きました。 

 

 

生物科学科の教員採用試験合格実績


宮城県中学理科:過去5年間で9名中8名が合格

過去5年間のうち4回、合格率100%を達成しています。県全体の中学理科の合格率は年度によって変動しますが、おおむね7割程度。今年度は約4割と低めでした。

 

山形県中学理科:合格者の5人に1人が本学の学生

山形県中学理科の全体の合格者は15名。そのうち3名が石巻専修大学の学生でした。つまり、合格者の少なくとも5人に1人が本学の学生という結果です。

 

過去5年間の合格者数:2名 → 2名 → 1名 → 6名 → 5名

生物科学科からの教員採用試験の合格者数は近年増加しており、直近2年間は5名以上が合格しています。



合格者に聞きました!


服部 陽菜 さん(宮城県・中学理科)

理科の面白さや魅力を伝えられる教員に

これまでの努力が実を結び、一発で合格できたこと、とても嬉しく、ほっとしました。それと同時に、ずっと夢だった教員になれると思うと、責任感や頑張りたいという気持ちがより一層強くなりました。

小学校での特別授業をサポート

対策について 授業も詰まっている中、1年生から対策をするのは難しいと思いますが、少しでも経験を積もうとイベントやボランティアには多く参加し、面接時の武器にしました。

1次対策では、過去問10年分を説明できるまで完璧にし、苦手分野を片っ端から潰しました。2次対策では、さまざまな先生方と、とにかくたくさん練習を重ねた点が良かったと思います。

後輩の皆さんへ 早い段階から少しずつ準備を進めることで、直前で焦ることなく、自信につながります。1人では続かないので、同じ目標の仲間と一緒に取り組むことをおすすめします。

また、勉強だけでなく、多くの経験がすべて自分の力になるので、広い視野を持ち、今しかできない色々なことに挑戦してほしいです。

今後の抱負 私は今回の採用試験に合格しましたが、大学院に進学するため現場に出るのはまだ先になります。それまでの期間でよりたくさんのことを学び、人間的にも成長して、生徒に理科の面白さや魅力を伝えられる教員になりたいです。

生徒と一緒に自分自身も学び続ける教員を目指して頑張ります。

海洋ベントス学研究室での北海道調査
ベントス研Xより

 

 

伊藤 怜 さん(山形県・中学理科)

積み上げてきた努力は結果につながる

大学での勉強と教員採用試験の対策を両立することは大変でしたが、諦めずに努力を続けてきて本当に良かったです。先生方や家族、共に挑戦する友人にも支えられながら、試験合格という目標を達成でき、嬉しく思います。

対策について 1次対策は、単語帳アプリでの習慣的な勉強や、問題集を一から解いて苦手分野を把握したことが効果的でした。

2次対策では、友人や先生に面接練習や論作文の添削をしてもらい、客観的に自分を見直せたことが良かったです。

また、ニュースや先生との雑談を通じた、教育のトレンドの把握や教育に対する考えの言語化は、2次対策だけでなくモチベーション維持にもつながりました。

後輩の皆さんへ 教育実習での生徒との関わりや、現役の先生方の姿から学んだことは、自分の経験や考えを自分の言葉で語る上で、大きな支えになると思います。

また、試験対策の成果をノートにまとめて努力を見える化することは、対策を続ける上での安心材料になりました。

不安になることもあると思いますが、積み上げてきた努力は結果につながります。最後まで頑張ってください。応援しています。

今後の抱負 大学で理科の幅広い分野を学んだ経験を生かし、生徒一人ひとりの興味や好奇心に応じて指導を工夫できる教師を目指します。

ICTの具体的な活用方法といった実践的な能力を身につけつつ、理科の知識をアップデートし続けて、教育現場でも誠実に学び続ける教師になれるよう準備していきます。

植物発生遺伝学研究室で日々研究

 

 

加藤 乃愛 さん(山形県・中学理科)

先生や教員志望の仲間たちと協力

無事合格することができ、非常に嬉しく、安心しました。書類が家に届くまでは信じられず、インターネットの合格者一覧で自分の受験番号を何度も確認してしまいました。

一方で、春から教員になるという実感も湧いてきており、教員生活への不安や期待も感じています。

微生物資源学研究室にて(右が加藤さん)

対策について 教職セミナーにきちんと参加し、自己分析をしっかり行いました。地学の勉強会や直前対策のセミナー、人間学部での対策にも、ほぼ毎回参加しました。

参加することで知識や経験が身につくことはもちろん、努力している人たちと関わることで、自分ももっと頑張らないといけないという焦りや、良い刺激を受けることができました。

私は教員採用試験の勉強を始めるのが遅かったのですが、自身の苦手分野や、理解したつもりになっていないかなどの自己分析を行ったことで、効率的に勉強出来たと感じています。

後輩の皆さんへ 人間学部での対策も含め、教職セミナーや教育関係のボランティア参加することをおすすめします。

自分で勉強するだけでは知らなかった知識や、役に立つアドバイスをたくさん頂けます。また、嫌でも教員採用試験のことを意識するので、モチベーションの維持にもつながりました。

私が教員採用試験に合格できたのは、一緒に頑張って努力した友人たちがいたからだと思っています。一人で頑張りすぎず、先生や教員志望の仲間たちと協力したり、情報交換をしながら頑張ってください。

今後の抱負 私は理科が大好きで、理科の好きな生徒を増やしたいと考えています。

残りの大学生活はもちろん、これからも私自身が学び続け、生徒たちに理科の面白さを伝えられる教師になりたいと思っています。

サークルでライブ活動も

 

 

毛内 友哉 さん(青森県・中学理科)

早めに、地道にやることが大切 

合格が決まるまでハラハラドキドキだったのですが、合格という形で努力が報われたので安心しました。

教員採用試験に向け、さまざまな方にお世話になりました。面接練習を行ってくれた先生方や友達はもちろんのこと、アルバイト先や教育実習先の先生方、家族などに支えられ合格できたと思っています。良い報告ができることを、心から嬉しく思います。

高校生に研究内容を紹介(触媒化学研究室)

対策について 1次試験対策では、細かなところの勉強は最低限にし、どの分野が出ても対応できるよう大枠を理解することに注力しました。

2次試験対策では、とにかく数をこなすようにしました。その際に意識したのは、話すスピードや姿勢です。面接では、相手が何を感じ、何を思ったかを先生方に聞くようにしていました。

後輩の皆さんへ 1次試験対策も2次試験対策も、早めに動き出すことが大切だと思います。

1次試験は暗記が多いため、地道にやることが大切だと思います。2次試験では、さまざまな活動をしてみて、多くの経験をしてみることが要になるのかなと思います。

毎日やるのは大変だと思いますし、4年生になってから急いで暗記するのはもっと大変です。日頃から、1日数分からだけでも良いので、対策を行っていくことが大切だと思います。

今後の抱負 合格してゴール!ではありません。卒業するまでの数ヶ月を大切にして、教員に向けての知識、態度、経験などを養っていきたいと思っています。そして、自分が理想としている教員像になれるよう頑張りたいと思います。

2年次の模擬授業の練習



平田 智士 さん(山形県・中学理科)

大学卒業後に「教員になりたい」と科目等履修生に

私は2次試験の面接と作文に苦手意識があり、本番でもあまり手応えを感じることができなかったため、合格を知ったときは驚きました。

それと同時に、これまで取り組んできたことが結果につながり、安心したという気持ちが大きかったです。

 

対策について 1次試験では、人間学部の先生方が開いてくださった対策講座に参加したことが大きかったです。それまで専門科目ばかりを勉強していましたが、講座を通して一般教養にも意識を向けることができ、得点できる分野を増やすことにつながりました。

2次試験では、それまで1次試験の対策が中心だったため、本格的な対策を始めた時期は1次試験の後でした。特に作文は、どこから手を付ければよいのか分かりませんでした。

そこで、まずは自分なりの文章の型を作ることから始めました。型を決めてから書くことで、それまでよりも文章にまとまりを持たせやすくなり、少しずつ作文に取り組めるようになりました。

後輩の皆さんへ 私は大学卒業後に教員になりたいと思い立ち、教員免許取得に足りない単位を取得するため科目等履修生という制度を活用して大学の授業を受けています。

現役の学生さんと一緒に勉強し、対策講座にも参加することができ大変恵まれていると感じています。一人で黙々と勉強することも良いですが、時には複数人での勉強も刺激になると感じました。

今後の抱負 来年度から教員として働くことに不安もありますが、教育実習では、生徒一人一人の様子を見ながら関わり方や授業を考えていくことの大切さを学びました。その経験を忘れず、生徒と向き合いながら、自分にできることを一つずつ増やしていきたいです。

また、科目等履修生は教員免許状の申請手続きを自分で行う必要があります。まずは必要な手続きを確実に進め、教員としてのスタートに向けて準備していきたいと思います。

学習支援「寺子屋」では
学生一人ひとりに合わせて対応

 

 

卒業生も後輩たちを祝福! 広がる理科教員の輪 

10月5日、本学で「教材生物ワークショップ」が開催されました。当日は、本学科の卒業生で、古川学園で理科を教えている北舘さんも参加していました(北舘さんの卒業時のインタビューはこちら)。

「私には教員(かディズニーランドのキャスト)しかない」と話す北舘さん。中学校と高校の両方で、生徒を楽しませる理科の授業を実践しているようです。教員になってからは、教務など、生徒と直接関わらない仕事もあることにギャップを感じたようですが、卒業研究での経験が仕事に大いに活きていると語ってくれました。

後輩に向けて「生物科学科の魅力は、基礎から応用まで丁寧な指導があることです。サポートが充実しているので、勉強が苦手な人でも、あきらめなければ夢は叶います!」とメッセージを頂きました。

石巻専修大学・生物科学科で学び、理科教員として活躍する卒業生の輪が広がっていることを実感しました。 

北舘さん(中央)と談笑

北舘さんは植物発生遺伝学研究室出身で
伊藤さん(右)の研究室の先輩でもあります




教員採用試験に向けた4年間(例)

生物科学科では、自主ゼミ「教職セミナー」を中心に、4年間を通して理科教員を目指す学生を支援しています。

4年次:直前対策:理科の勉強会、面接・集団討議の練習ほか(自主ゼミ)、人間学部での対策 

児童生徒との交流も:算数トライアスロン など

1年次から理科の基礎を学び、実験・実習をとおして科学的に考える力を身に付けます。

さらに、模擬授業や教育実践、面接、集団討議など、教員採用試験を意識した学びへとつなげていきます。

 

生物を専門的に学びながら、化学・物理・地学など幅広い理科を学ぶことができるのも、生物科学科の特徴です。

同じ志を持つ仲間と一緒に、理科の面白さを伝える先生を目指してみませんか?

 

 

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【関連ブログ記事】 

#教員採用試験

#自然科学コース #学生の声

    

2026年10月13日火曜日

震災後に形成された「イトヨの交雑集団」を約10年間ゲノム追跡 国際誌『Nature Ecology & Evolution』に掲載

撮影:秦康之氏
 

東日本大震災の津波によって生じた新たな水域でイトヨとニホンイトヨの交雑集団が形成されました。

久米学准教授(魚類生態学)は、国立遺伝学研究所の細木拓也博士(現 北海道大学特任助教)、北野潤教授を中心とした、北海道大学、岐阜協立大学、京都大学、名古屋大学、慶應義塾大学、東京大学、東京海洋大学などからなるチームで共同研究。

約10年にわたるゲノム追跡によって、異種ゲノムが排除される過程を捉えました。その成果が9月25日、 国際誌『Nature Ecology & Evolution』に掲載されました。

 

  • 著者:Hosoki, T. K., S. Mori, K. Kagawa, S. Nishida, M. Kume, A. J. Nagano, H. Kanbe, R. Kakioka, K. Nakamoto, Y. Iino, M. Kodama, S. Oba, T. Seong, N. Kabeya, A. Ishikawa, K. Yoshida, Y. Y. Yamasaki, and J. Kitano 

津波により、淡水性魚類のイトヨと
海洋性魚類のニホンイトヨが町の中心部へ
(イラスト:きのしたちひろ)
 

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う大津波により、岩手県大槌町は甚大な被害を受けました。

それにより、町の市街地にはこれまでになかった新規の水域が現れ、そこに流れ着いた淡水性イトヨとニホンイトヨが交雑集団を形成しました(Kume et al. 2018 Scientific Reports 8: 1684)。

10 mを超える津波に襲われた岩手県大槌町

震災により街中にできた水域での調査


本研究では、震災前から震災後約10年の標本からゲノムデータを解析し、たったの10年の間に交雑集団のゲノムからニホンイトヨのゲノムが排除され、淡水性イトヨのゲノムが維持されたことを明らかにしました。

この発見は、種の維持機構の解明に重要な示唆を与えるものです。

イトヨとニホンイトヨの雑種


詳しくは国立遺伝学研究所のプレスリリースをご覧ください。

 

久米准教授のコメント

私たちの研究チームは、震災当初から大槌町を訪れて「震災が生物や生態系に与える影響」を調べてきました。その集大成とも言える成果を公表できたことを嬉しく思います。
復興の過程を見てきたこともあってか、いつしか思い入れの強い街となった大槌町に少しは貢献できたのかな、と思うと感慨深いものがあります。今後も継続的に調査をし、成果を出すことで大槌町に貢献していきたいです。



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#魚類生態学研究室 #海洋生物・環境コース

 

 

2026年10月9日金曜日

【3年次・動物学実習】組織を厚さ3 μmに 組織標本作製からRNA抽出までを体験

 

7月21日(火)、22日(水)の2日間、奈良英利教授(動物機能組織学)の担当で「動物学実習〜組織学〜」が実施されました。

今回の実習では、組織標本の作製からRNA抽出まで、実際に手を動かしながら基礎技術を体験しました。 

1日目の組織標本作製、2日目のRNA抽出の様子と、参加した学生の声をお届けします。 

 


1日目 組織標本作製実習

動物組織の標本作製は「切り出し→固定→脱水→包埋→薄切→染色」 という手順で行われます。

今回の実習では、組織を包埋してあるパラフィン(ロウのような物質)のブロックから、厚さ3 μmに切り出しプレパラートに貼り付ける実験と、既に貼り付けてある組織片に染色液で色をつける染色実験が行われました。



ニホンジカの骨格筋

最初にパラフィンを溶かす通称「脱パラ」という作業を行います。

キシレン、アルコールと順番に漬けていくことで、徐々にパラフィンが溶け、組織が水に馴染みやすくなります。染色液は水溶性ですので、この過程をいい加減にすると、染色液が組織の中に入っていきません。

 

「脱パラ」が終わったら染色です。

染色実験では、厚さ3μmに薄切されたニホンジカの筋肉組織が、あらかじめプレパラートに貼り付けてある状態からスタートしました。これはSAの大村 優翔くん(4年生)が準備してくれました。 

奈良研のスーパーエース
大村くんの日常の実験風景


今回は最も一般的な ヘマトキシリン-エオジン(H-E)染色を行いました。ヘマトキシリンで核を染色し、エオジンで細胞質を染めます。

しかし、それで終わりではありません。その後、脱水を行い、「透徹」という作業をします。これにより組織がよりクリアにはっきりと見えるようになります。もし、脱水がうまく行っていなければ透徹用のキシレンが白く濁り、最初からやり直しです。

 

そして最後に封入です。

ここまで頑張って作ったプレパラートを保護するためにカバーガラスを掛けて終了です。皆さん、せっかく染色したプレパラートですので、慎重に封入をしてくれました。観察は翌日です。

染色したプレパラートにカバーガラスをかけて封入する作業

田口育くん(左)、真剣そのもの
福田萌夏さん(右)の恐る恐るといった雰囲気
いいですねぇ〜 

はい、終了です
最初の無色透明のものと比べてみてください

 

染色では待ち時間が結構生じます。その間、同じ班の人に染色の作業は任せて「薄切」の体験です。

ミクロトームを軽やかに?
扱う及川美紀さんと見守る佐藤和歩さん

ミクロトームは数μm単位にスライスする機器
(いわば、超高精度なカンナ)

薄切なんて朝飯前の大村くん(右)に見られて(見つめられて)、
緊張気味に薄切を行う田口晃那さん(左から2番目)


この過程は完全手作業であり、いわゆる技術がものを言います。今どきのタッチパネルで自動的になどという甘い世界ではありません。みなさん四苦八苦しながらプレパラートを作ってくれました。

なお今日の染色実験のために大村くんはこれを40枚ほど準備してくれました。感謝です。



2日目 RNA抽出実習

昨今、なんでもキット化され、簡単な英語さえ読めれば(さらに日本語に訳してあれば)、動物の組織からRNAを取り出す作業は比較的簡単です(「如何に昨今のキットが優れているか」という意味)。ですが、それでは授業になりません。

 

今回はTrizolという試薬を使い、全てマニュアルで作業することに挑戦しました。

正確なピペット操作が求められ、さらに安全性を考慮に入れる必要があります。そうです、Trizolは劇物指定を受けた試薬です(さらに高価!)。この試薬をドバッと使えるのが少人数で実施する動物学実習の醍醐味です。皆が安全に実験できるよう厳重に注意を促した上、ゴム手袋を支給しました。

 

また今回は最後にRNAの純度を測定します。

RNA抽出は如何にピペットを上手に使えるかも重要になります。その結果、最終的に得られたものの純度が変わってきます。RNAの場合、吸光度(どれくらい光を吸収したか)の比率260/280が2.0前後なら純度は合格です。

次の行程を予習する?三宅穂波さん(手前)

通常キットを使ってRNA抽出を行っている
鈴木麻弥先生(右、宮城県食肉衛生検査所 所属)も
Trizol法を習得するために特別参加

 
レジュメを見ながら丁寧に作業をする橋本航くん


細かい過程は割愛しますが、最終的にみなさん吸光度260/280が1.9〜2.0の間となり、高純度のRNAを抽出することができました。

なお余談ですが、吸光度260/280の値が最も2.0に近かったのは、特別参加の鈴木麻弥先生でした。流石!



参加した学生の感想


青野夢生さん

一番難しかったのはミクロトームを使った切り出し(薄切)。先輩にコツを教えてもらっても中々うまく行かず、早くすると丸まってしまうし、ゆっくり過ぎると途中で刃が止まってしまうので、そのちょうど良い塩梅を見つけるのが難しかった。最終的にプレパラートに貼り付けられる1枚ができたのでよかった。

 

菅原実咲さん

組織標本の薄切は綺麗に薄く切るのは難しかったけど、うまく切れたので嬉しかった。RNAの抽出は純度が低く出たので(タンパク質やTrizol中のフェノールの混入が原因で起こる)、しっかり作業できるようになりたいと思った。



細胞生物学実習も実施!

3年次の動物学実習は、同じ日程で細胞生物学実習も行いました。ある物質が細胞や組織のどこに存在しているのかを可視化するために使われる「間接蛍光抗体法」を体験しました。

ゾウリムシの大核と小核が発光
 

野外実習も実施! 

7月30日には石巻市内の2カ所の森林での野外実習を実施しました。シカの生息密度の違いが森林に与える影響について理解することが目的です。

昨年度の様子 ↓↓↓


金華山のニホンジカ(撮影:高槻成紀氏)



生物科学科をもっと知る

生物科学科では、生き物を観察するだけでなく、組織・細胞・遺伝子などさまざまなレベルから生命現象を学びます。



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