2025年5月30日金曜日

5月の記事まとめ

1年次の植物実習
後日、ブログにアップ予定! 乞うご期待!
 

生物科学科ブログでは、学生・教員の様子から授業・研究の内容まで、学部と大学院の日常風景をお伝えしています。週1~2回程度で更新しています。ブックマークもよろしくお願いします。

5月は、潜水調査実習の様子、キツネとテンの生態研究などの記事をアップしました。  

 

潜水調査実習(座学)でのひとコマ


   記事をまとめたページはこちら(タグごと、月ごとで記事をピックアップしています。月ごとの一覧は #記事まとめ) 
 
 



























































1年生の「野外生物実習」がスタート!

所属コースに関係なく、全員が海洋系・動物系・植物系の合計3回の実習に参加。石巻のフィールドを活かした実習が展開されています。後日、実習の様子をアップします。

  • 5月24日(土) 植物系の実習  落葉広葉樹林での植物観察(栗原市花山)
  • 5月31日(土) 海洋系の実習  潮間帯の生物分布調査(渡波海岸)
  • 6月 7日(土) 動物系の実習  微生物・昆虫観察、水質調査、野生動物調査(北上川、大学演習林)

 

実施済の植物実習の様子をチラ見せ!

宮城県民にとってはおなじみの?花山での実習

ギンリョウソウ
光合成を行わない腐生植物
依田先生が樹木の特徴を説明

面白い植物が見つかったら、
根本先生がそのつど説明
掌状複葉(しょうじょうふくよう)



 
 

大学ホームページ記事からのピックアップ

 


  • オープンキャンパス 情報公開中! こちら(大学HP)

    今年の夏のオープンキャンパスは、6/21(土)6/22(日)、6/29(日)、7/20(日)、7/26(土)7/27(日)8/9(土)8/10(日)、8/24(日)の全9回。このうち、オープンラボがあるのは太字の日程です!

    遠方の高校教員を対象とした交通費補助制度が始まりました 詳しくはこちら(大学HP)


 

 

おまけ1
5月の大学構内(1号館と2号館のあいだ)

おまけ2
宮城蔵王では、5月上旬に
「雪の壁」を間近で見ることができます

2025年5月28日水曜日

卒業生の研究成果が英文誌に掲載されました! 牡鹿半島のキツネとテンの暮らしの比較

大学キャンパスで撮影されたキツネの幼獣
※キツネが写っているのは最初の15秒のみ
(撮影:宍戸直登)


生物科学科の卒業生、高橋佑太朗君(R5年度卒業)は牡鹿半島でキツネとテンの生態の比較を行いました。

調査を担当した高橋佑太朗君

2022年から2023年にかけての一年間、月に一回調査地を訪問してキツネとテンの糞を採集。

彼らの食物構成を評価するとともに、調査地にセットしたセンサーカメラの映像解析から、両者の活動時間や土地に対する執着の程度を評価しました。映像の解析については、先輩の八木澤凌君(R4年度卒業)が集めた映像もデータセットに加えて解析しました。

林内にセットしたセンサーカメラ

センサーカメラの補足データを提供した八木澤凌君
 

キツネの糞
白っぽい色をしています
新鮮なものは鼻をつく匂いがします

テンの糞
鉛筆と同じくらいの太さです
果実が多く含まれ、甘酸っぱい匂いがします
 

糞から出現した食物の残渣

果実
昆虫
鳥類

 

分析の結果、以下の3つが明らかになりました

  1. キツネの食物は哺乳類が中心だったのに対して、テンの食物は果実と節足動物が多く含まれていた ➡ 食べ物が異なる
  2. キツネはどの時間帯でも撮影されたのに対して、テンは明け方と夕暮れに頻繁に撮影された ➡ 活動時間が異なる
  3. キツネは春の撮影頻度が低かった(≒調査地をあまり使わなかった)のに対して、テンは調査期間を通じて撮影された ➡ 調査地に対する執着が異なる


肉食獣であるキツネとテンとが同じ場所で共存できる要因には、このようなニッチの分割が作用していると考えられます。食肉類の行動は、げっ歯類や植物への影響を通じて、森林生態系に影響します。

地元の学生が、石巻の生き物の暮らしや生態系のメカニズムを自らの手で解明していく。地域に根ざした研究活動に、本学の存在意義があると思います。


この成果は、日本哺乳類学会の英文誌 Mammal Study に掲載されました。

  • Takahashi Y., Yagisawa R., Tsuji Y. (accepted) Niche separation of sympatric carnivores—red foxes (Vulpes vulpes) and Japanese martens (Martes melampus)—in northern Japan. Mamm. Study

 


高橋君のコメント

大学での思い出として特に印象に残っているのは、研究室で行った動物の解剖(クマやキツネ)です。さまざまな動物を間近で観察する貴重な機会となり、初めてクマを見たときはその大きさに衝撃を受けました。

卒業研究ではテンとキツネのデータを収集しましたが、キツネがカメラに一枚も映らないなど苦労が多く、研究の進捗に大きな不安を感じていました。そのため、発表と卒論を無事に終えたときは心から安堵しました。

研究は大変でしたが、調査で野生動物と関われたことは動物好きの私にとって素晴らしい経験でした。さらに、この研究が学術的に認められ、広く発信されたことは大変嬉しく思います。大学で生態系や動物と人間の関係性について深く学び、計画力、遂行力、文章力を鍛えることができたと感じています。

 

八木澤君のコメント

大学ではサークル活動や課外実習など、様々な活動を行いました。中でも卒業研究が思い出として残っています。卒業研究では収集したデータをもとに分析し、より良い結果にするために「責任感」が身につきました。今のシステムエンジニアの仕事でも大いに役立っています。

研究室で辻先生とコーヒーを飲みながら研究の話をしたことも思い出です。自分の考えとデータ照らし合わせて過去の研究をもとに辻先生に話したら勉強が足りないと言われたのはいい思い出です(笑)ちなみに毎回コーヒー淹れていたのは僕です。

卒業研究から分析力、思考力、伝達力といった力が鍛えられましたが、中でも責任感が最も身に付きました。自分の研究を世に発表するということは生半可な内容ではいけないので、それなりの責任を伴う仕事だと思います。石巻専修大学での研究を通して、そのような仕事を全うするという良い経験をさせて頂きました。

 
 
 
センサーカメラがとらえたキツネとテン

(撮影:高橋佑太朗、八木澤凌、岩淵友哉)

 
 
 



【関連ブログ記事】

 

【リンク】

 

 

2025年5月22日木曜日

【潜水調査実習】海での実習に向けて、スキューバ潜水器材の扱い方を学ぶ

 

3年次の「潜水調査実習」の様子を少し覗いてみました。

この日は、潜水器材の扱い方を学ぶ座学+体験。潜水実習を安全に行うためには欠かせません。

海洋生物に対する理解を深めるには、実際にフィールドに出て、生きた状態の生物と周りの環境を五感を使って感じることが重要です。潜水による調査は有効なツールです。

実習をきっかけに、潜水士の資格を取得する学生もいます。たとえば、水族館では水槽のお掃除などで潜水士の資格が必要になります。

 

実際の器材で玉置教授が説明
手に持っているのはレギュレーター(圧力調整器)

昨年度、実際に潜水実習を行った4年生がお手本に

ボンベ、レギュレーター、
マスク、潜水服、ウェイト、フィン、
水深計、水中時計、残圧計、
それぞれの役割を丁寧に確認


潜水調査中の玉置教授

この実習の目標は、潜水器材を正しく使えること、安全に潜水を行えること、そして海洋生物と環境を体験することで、海洋系の授業で学習した知識を有機的に結び付けられるようにすることです。

 

 

座学のあとは実際に体験! 

 

代表者が器材を装着
「まずはレギュレーターを付けて…」

「お、重い!…」

完成!
かっこいい!

受講者は6名
ふたつの班に分かれて体験しました

今後は、安全ガイダンスとプール実習を行い、
その後、実際に海に出ての海洋実習となります

体験するのが楽しみですね!

 
玉置教授のコメント

初めて見るSCUBA器材に、興味津々・真剣な表情で授業を受ける学生らの様子が印象に残りました。

海に安全に潜るためには、SCUBA器材の理解と正しい扱い方の修得は必須です。授業では、器材に実際に触れてもらいながら説明を行い、SCUBAの理解を深めてもらいました。

この学びの後の夏には、いよいよ器材を装着してのSCUBAダイビングが待っています!安全を守りながら、潜水をとおして海の中に広がる楽しい海を体験してもらいたいと考えています。

 

 

3年次の学生は、海洋生物・環境科学実習/動物学実習/植物学実習/生命科学実習の4つからひとつを選んで履修します(必修ではありませんが、ほとんどの学生が履修します)。

今回紹介した「潜水調査実習」は、それらとは別の枠組み。安全に行うためにも人数制限があります。希望者多数の場合は、2年次までの成績によって選抜されます。参加したい!と思っている1年生2年生は勉強がんばりましょう!


 

【関連ブログ記事】

#実験・実習 #授業紹介

#海洋生物・環境コース #沿岸環境生態工学研究室

昨年度の様子↓↓↓ 

 

 

2025年5月19日月曜日

新しい大学案内が完成しました! ISHINOMAKI is CAMPUS:地域そのものが「先生」だ。

 


大学は海、川、山に囲まれ、生物科学の学びにぴったり
地域のフィールド、ヒト、モノすべてが「先生」に

 


2026年度 石巻専修大学 大学案内

表紙は全員、在学生と教員
生物科学科からは、ベントス研の阿部博和准教授と
大学院1年の高橋陽大さん、4年生の甲地由樹さん(左上)


学科のページでは、4コースの特徴から
カリキュラム、研究室紹介まで
生物科学科まるわかりの構成

「好き」が見つかる24研究室
1研究室1学年あたり、平均で学生約4名


 

紙面には、学生・教員の生の声が盛りだくさん

実習、授業、研究などについて、イメージを膨らませることができると思います。 (p.○○)のところをクリック・タップすると、デジタルパンフレットのそのページに飛びます。


巻頭特集(p.3)

高橋陽大さんがベントス研究の魅力を伝えています

「海は生物多様性の宝庫。
すぐそこにある自然から
生物の不思議や驚きを発見。」


生物科学科のページ
(p.19)
伊藤希虹さんと高橋尭大さんが
学科・大学の魅力と卒業研究について紹介

「自分の興味に応じて幅広く学べるのが魅力」


大学院のページ
(p.75)
大見川遥さんが海産等脚類についての研究を紹介
「ダンゴムシはなぜ丸くなる?」


学科間ジョイント・プログラムのページ
(p.13)
渡邊優奈さんが経営と簿記の学びの面白さを伝えています
(※学科間相互に一部の科目が履修できます)


地域連携のページ
(p.10)
辻教授が野生動物の交通事故問題について紹介(上)
現状を調査し、対策に活かしています

また、地域の学力向上・教育力向上を目指した
「算数トライアスロン」の取り組みも紹介(右下)
人間教育学科と協力して取り組んでいます


OB・OGからのメッセージ
(p.70)
在学生だけではなく、卒業生の声も
青森県庁の水産専門職となった加藤心さん

2024年度の卒業生の就職率は100%を達成

 

 【リンク】

  • オープンキャンパスについてはこちら 遠方の高校教員を対象とした交通費補助制度が始まりました 詳しくはこちら(大学HP)
    今年の夏のオープンキャンパスは、6/21(土)6/22(日)、6/29(日)、7/20(日)、7/26(土)7/27(日)8/9(土)8/10(日)、8/24(日)の全9回。このうち、オープンラボがあるのは太字の日程です!
  • 入学者選抜ガイド(大学HP) 新たに、公募推薦(理系女子)、総合型選抜(公務員志望型)が始まります

 

ベネッセの「マナビジョン」に、生物科学科の学生が登場

「夢中になったきっかけ・この学問のココがおもしろい!・キャンパスのお気に入りスポット」について話してくれています。こちらも合わせてご覧ください。


 

 

GATEWAY探究百科に3名の教員が登場

「GATEWAY探究百科」は高校生の探究活動を支援するサイト。大学の教員が、どのような研究をしているのか、どのように研究しているのかを詳しく説明していて、探究活動のヒントを見つけることができます。大学生も参考になるでしょう。

生物科学科からは、以下の3名が研究の魅力を伝えています。
鈴木教授

阿部博和准教授(右)

辻教授