2025年6月16日月曜日

1年次の野外生物実習(植物)を実施!「実際に見て触れて学ぶことの大切さを知った」




5月24日(土)、1年生にとって初めての野外生物実習となる植物実習を実施しました。実習地は、宮城県北西部に位置する栗原市の花山です。

1年生は、所属コースに関係なく、全員が海洋生物・動物・植物の合計3回の「野外生物実習」に参加。石巻・宮城のフィールドを活かした実習が展開されています。

 

植物実習の担当教員は、根本、依田、宮嵜、中川、渡辺、武藤、成田の7名。

そして、大学院生や4年生8名がSAとしてサポートしてくれました(高橋、小林、西村、加藤、照井、宮林、千葉、下沢)。※ SA = Student Assistant


 

バス4台で花山へ


点呼を取って出発! 大学からは7:00発

 
大学のほか、石巻駅、涌谷駅、小牛田駅、古川駅が出発点

 

約2時間で到着
雨が心配でしたが、何とか持ちこたえました

宮城県民にとってはお馴染みの?
国立花山青少年自然の家


御駒山(おこまやま、標高522m)を登ります

 

 

 

登山開始!


御駒山は比較的登りやすい山で、さまざまな植物を観察することができます。

温帯は暖温帯、中間温帯、冷温帯に分かれますが、ここは中間温帯林(イヌブナ、コナラなど)から冷温帯温林(ブナ、ミズナラなど)のふたつの植生帯の移行帯となっています。 


特徴的な植物が見つかったら
根本先生がそのつど説明

葉の付き方を観察
「これは単葉?複葉?互生?対生?」
※互い違いに付くのが互生、対になって付くのが対生

コシアブラは掌状複葉
これで1枚の葉っぱです
 

野外生物実習の目的は、授業で学んだ知識をもとに、野外に出て直接生物を観察し、その生息環境を観測することで、生物の営みについて深く学ぶこと。

植物実習は、森の種類(植生)を見分けること、森の構成種の特徴を見分けること、そして森の地形(尾根と谷)を読むことが目的です。 

 

何を見た?何を聞いた?何を触った?何を嗅いだ?

五感を使って積極的に学び取り、後日レポートにまとめて提出します

シダの葉を裏返して胞子を確認


植物だけではなく、虫も観察したり…
食欲旺盛ですね


依田先生が樹木の特徴を説明

4グループに分かれて行動しました
 

ギンリョウソウの大群落が見つかり、写真撮影大会

緑と茶色の世界にポツンと白の世界が
光合成を行わない腐生植物です

 花の中をよく観察すると
青い雌しべと黄色の雄しべが 


他の木に絡みつくことで上を目指すヤマフジ
絞め殺し植物の一つです
 

ジュウモンジシダを手に説明する中川先生
 

根本研の学生が運んできてくれた秘密兵器?
高枝切りバサミで、葉を採集

可憐なツリバナ
山ならではの花の一つです

「視線くださーい」
根本先生ではなく花にピントを合わせましょうね


お昼休憩のあとは、沢に沿って下るコースと、さらに登山するコースに分かれて


有志は「さらに登山コース」へ

こちらは「沢沿いコース」


帰りも植物を観察しながら

「タゴガエル?」

大学院生の高橋さんはネズミの死体を見つけて、
調査用に回収していました


「着いたぁ!」

たまたま「さらに登山コース」と「沢沿いコース」が
同じタイミングで到着

「先生!言ってたのと違うじゃないですかぁ(笑)」と
意外と大変だった模様

おつかれさまでした!

  


学生の感想

  • 実際に植物を見て説明を受けることで、図鑑やネットの写真では分からないことまで理解することができた。 
  • 花山のほんの一部のハイキングコースであっても、そこにある植物は多様で、日当たりや湿り気などのほんの少しの環境の差で異なる植物を見たり知ったりする楽しさを学べた。 
  • 前は綺麗な花が咲いていてもただ見ているだけだったが、実習中に単葉や複葉、互生対生を理解してから、葉の裏側まで見るようになり、今までとは違う視点で観察をするようになった。
  • 見つけた植物について調べていくうちに植生について興味が湧いたので、実習の経験を活かして今後の学びにつなげていきたい。 

  • 実習が終わってからも、植物の葉や花、実などを見ては「これは~かな」「~っぽいな」というように今まで見ていた景色がより一層鮮やかに見え、いつも通る道が楽しく感じられるようになった。
  • ニワトコの独特な香りや、ウツギの名前の由来、フジの力強さ、見たことのないくらい大きなシダなど、色々なものに興味をそそられ、実際に見て触れて学ぶことの大切さを知りました。
  • 植物を専門としている先生方が、生き生きとして山の中を突き進んで行き、目を輝かせながら説明する姿がとても印象に残っています。今後の大学生活を通して、先生方のように自分の好きなものに真剣に向き合い、本気で楽しむことができる人間へと成長していきたいです。



  

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1年次の「野外生物実習」

所属コースに関係なく、全員が海洋系・動物系・植物系の合計3回の実習に参加。石巻・宮城のフィールドを活かした実習が展開されています。

  • 5月24日(土) 植物系の実習  落葉広葉樹林での植物観察(栗原市花山)
  • 5月31日(土) 海洋系の実習  潮間帯の生物分布調査(渡波海岸) 悪天候で予定変更:石巻魚市場、おしかホエールランドの見学
  • 6月 7日(土) 動物系の実習  微生物・昆虫観察、水質調査、野生動物調査(北上川、大学演習林)